手紙
下校中、俺は非常にだるかった。
昨日新しい武器の性能を試そうと、朝までゲームをしてたのだ。
頭がガンガンする。気分悪い。
「寝みい。」
とか言ってる俺に話しかけてくる奴がいた。
「どーした司?
寝ずにゲームでもやってたか?」
「御名答。」
「うわっww 当たったww」
こいつは日向晃
長身でキリッとした顔立ちで鼻は高く茶髪のイケメン。
そして来ましたこのパターン。
成績優秀、運動神経抜群、八方美人、モテモテ。
学校で3本の指に入るイケメン。
イケメンマジ爆発しろ。
「そーだ司、もうすぐ夏休みだからみんなでお前ん家行って計画立てようって言ってんだけど。」
「別に良いけどお前以外のやつはみんな未来目当てじゃね?」
「だろうなww」
「まぁ、あいつらには無理だろww」
「誰かに一途に思いを寄せてるんだろ?」
これは俺が下校中偶然見かけたイベントなんだが、
未来がどこぞのイケメンに告白されてるのを俺は目撃した。
その時の会話が、
「俺と付き合ってください!」
「えぇ、あ、あの、ごめんなさい」
「なぜですか?」
「わ、私は好きな人がいてその人に一途なんで!」
うわぁ来たよ王道パターン。
「そこを何とか!」
「ごめんなさい」
「なんとか!」
「いや、やめてやれよ・・・」
しまった。声に出た。
「つ、司君・・」
すごい嬉しそう。
そうとう面倒だったのだろう。
「なんだよ・・彼氏持ちかよ
ならさっさと言ってくれよな・・」
「いや、違うけど。」
回想シーン終了。
「みたいだな。」
「お前じゃないの?司?」
「それはないだろ・・・」
「鈍いのは罪っていうのはこういうことか・・・」
「いや、さすがにそれくらいは分かると。」
まぁ回想シーンの会話の後、少しは期待しましたよ、
未来は俺に気があるんじゃないかって。
でも落ち着いて考えたら思い当たる節がなかった。
「そういえばお前勉強の方はどう?」
「全く手を付けてねえ・・・」
「ゲームばっかやってるからだろ。
そんなんだから〝廃人〟って呼ばれんだよ。」
俺がMagicians Onlineの廃人であることを知っているのは3人
兄さんと未来とそしてこいつ。
いつものメンバー6人で家に遊びに来たとき、
俺と晃を除く全員が未来に声を掛けに行ったとき、
こいつと話している内、偶然バレた。
俺が廃人であることが。
回想シーン
「「・・・」」
「なんだあいつら?」
「てか今度何か奢るからあの娘を紹介してって・・
どんなんだよあいつら・・・」
「さあww」
この後グダグダな話が続いて・・
「・・・で、夜な夜な未来は兄さんの部屋に行ってる奴だ。」
「えっ!それって世間一般でいう近親相姦ってやつじゃΣ(゜д゜lll)」
「いや、俺と兄さんの本当の苗字は幸村だ。
カクカクシカジカで今はこの家に住んでいるが。」
「でもそれって・・・」
「悪い、夜な夜なは嘘だ。
だが、未来が兄さんの部屋に入ると、声が聞こえてくるんだ。」
「えっ? それってどんな?(;゜Д゜)!」
「キャーキャーっていう嬉しそうな悲鳴(笑)とか、
「なにこれ可愛い」とか、「この写真欲しいです!」とか。」
「wwなんだよそれ。
それじゃあお前の兄さんではないな。」
「多分な。
・・・にしてもあいつ等いつになったら戻ってくるのか・・・」
余りにも遅かったんでおれはPCを起動させ、
Magicians Onlineをしようとした。
「あ、お前もMagicians Onlineやってんの。
・・司・・ツカサ・・
あ、お前ってもしかして〝廃人〟ツカサだったりww?」
「な!?お前どこでそれを知った!?」
「あ、当たっただと!?
ミライ・・・まさかさっきのあの娘、
聖騎士の剣ギルドマスターのミライか!?」
「だからなぜそれを!?・・・」
「俺もMagicians Onlineやってるかなな。」
「マジで!? ってことはお前、
夜の雨のギルドマスター、アキラなのか?」
「ああ、その通り!」
「す、すげえ!!」
「いや、廃人と呼ばれるお前の方がすごいと思うが・・・」
回想シーン終了
・・・と、まあこんな感じで俺が廃人であることがバレた。
お互いこのことを秘密にする約束をして。
「あ、俺こっちだから、それじゃ」
いかんいかん。
ボーッとしすぎだ。
「ああ、また明日。」
歩いて十数分、俺は自宅についた。
夕刊を取ろうと、ポストを開けた。
すると3通、いつもとは違う手紙が来ていた。
差し出しはMagicians Onlineの制作会社から。
宛先は俺と兄さんと未来。
誰かの悪戯かと思ってたら、携帯に電話が掛かってきた。
「もしもし?司?
俺。晃。」
晃からだった。
「どうした?」
「いや、何かMagicians Onlineの制作会社から招待券が届いててな、
お前んとこにも来てるかなっていう電話だけど・・・
そんなことないよなwww やっぱりww」
ポカンっとなっていた。
全く状況をつかめなかった。
「それだけだ。 じゃ。」
「ちょっと待て!」
「なんだ?・・・まさか。」
「来てるんだよ俺のとこにも。
兄さん宛にも、未来あてにも。」
「嘘だろ・・・」
この時まだ俺たちは知らなかった。
この1通の手紙が、俺たちの運命を大きく変えることを。
「どういうことだ?これ・・
招待券って・・・」
お気に入り登録ありがとうございます!!