第四章 憎き者の家と恐怖
椛の家は高級住宅街の一軒家だった。その家は、私に妙な納得をくれた。
彼女が家に入っていくのを見届け、私は我が家へと踵を返す。
【翌日】土曜日午前7時
私は朝から隣街にあるホームセンターへと自転車を漕いでいた。買い出し内容はロープと金槌、炭である。
復讐内容が決まったので、それに向けての準備といったところだ。
結構は来週の金曜日の放課後だ。ついに、私の復讐を始めるつもりだが、少し迷ってしまっている自分がいる。本当に実行していいのか。まだ引き返せる何も始まっていないのだから。こんなことをしたって姉は返ってこない。
逡巡していると交差点の信号が赤へとかわり、私は思い切りブレーキをかける。
どうしよう、結局私は自分の身が可愛いようだ。私は姉のために一人も殺せないのか。そんなバカな話があるか、情けない。でも…
「怖いな」
呟きは虚しくも道路を行き交う車の走行音に掻消されていくのだった。
結局行き先をホームセンターから姉の眠っている墓へと変えた。
墓に着き、途中のコンビニで買ってきた線香に火をつけ缶ジュースと共に供える。
「お姉ちゃん、私どうしたらいいのかな。凄くあいつらのこと憎いはずなのに、怖いんだ殺すのが。本当に憎いんだよ殺したいくらい、でも実行に移そうとすると震えが止まらなくなるんだ」
こんなことをしていても意味がない。そんなことは分かっているが、吐露せずにはいられなかった。墓石にとはいえ不安を吐き出せば楽になる気がした、とにかく楽になりたかったんだ。これから人を殺そうというのに虫のいい話だ。
数十分墓の前で呟いていたら気持ちがまとまった。やはりやろう。一度決めたことだ、それにやはり憎しみは明確だ。
墓の前で私は決意を固めてその足でホームセンターへ向かい、買い出しを済ませるのだった。
次回、第一の復讐




