表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と夢の中で  作者: 七瀬乃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/12

第1話

 駅前の歩行者信号が赤になり、足を止めた。


 ふぁ、とあくびが出る。


 空を見上げると、空のてっぺんに到達した太陽の光が俺の目を突き刺し、意識を朦朧とさせる。


「大丈夫か? 恋の病?」

 横にいる優馬ゆうまが俺の顔を覗き込んで訊いてくる。


「違うわ! 昨日の夜ゲームしてたんだけど、気づいたら朝だった」

「やば。じゃ帰るか〜」

「いや、帰るのもったいないだろ。せっかく学校早く終わったんだから。余裕余裕」

 俺は親指を立てて、軽く笑う。


 周りを見渡すと、横や後ろ、横断歩道を挟んで向こう側に、俺と同じ制服を着たやつらがいる。


 信号が青になった。


 一斉に待っていた人達が横断歩道を渡り出す。横断歩道を歩いているほとんどの人が同じ制服を着ている。なんだか動物の群れが向かってくるみたいで少しだけ笑えてくる。

 

 前から楽しそうに話しながら歩いてくる女子や、制服を着崩してダルそうに歩く男子が前から歩いてくる。


 朦朧とした意識の中、横断歩道を渡る。

 ふぁ、と再びあくびが出た瞬間、腕に何かがぶつかった。


「ごめんなさい」と女性のか細い声がした。


 ぶつかった腕の部分が異様に熱い気がする。


 振り返ったけれど、どの人か分からなかった。


 謝られたけれど、今のは俺が見てなかったのが悪かったんだけどな。


 まぁいいや。


 横断歩道を渡って右に曲がり、まっすぐ歩いているとマクドナルドが見えてくる。


 マクドナルドの店内に入って注文し、二階のイートインスペースに上がる。窓際のカウンター席が空いていたので、優馬と横並びで座った。

 

 ハンバーガーを食べながら窓の外を眺めると、車がひっきりなしに二車線の道路を通過していく。

 ずっと変わらない景色を見ていると、瞼が閉じそうになる。


 黙々と食べていると、自分の咀嚼音、イートインスペースの喧騒、そして、パトカー? 救急車? のサイレンの音が混ざり出し、外を見ていると、パトカー、救急車が慌ただしく通過していった。


 優馬を見ると、もう食べ終わって本を読んでいる。周りの音に惑わされず、自分の世界に入っている。


「もう食べ終わったのか。お前どこでも本読むよな〜」


「時間は有効活用しないと」と優馬が澄ました顔で言う。


 こいつ、いつも澄ました顔しているくせにノリは良いんだよな。


 俺が食べ終わって、カラオケ店に向かった。

 カラオケ店に到着して受付をし、部屋に入るや否や優馬はブレザーを脱ぎ去り、曲をどんどん入れていく。

 曲が始まると、俺のことはお構いなしで、歌い出す。バラードからラップ、女性アイドルの歌まで。女性アイドルの歌はダンスもちゃんと踊って、俺も踊らされる。

 この優馬のギャップが良いんだよな、としみじみ思う。


 でも、今日寝不足の俺にはそのテンションは少し疲れる。おかげで、今日はよく寝ることができるだろう。


 四時間ほど歌って、俺達は解散した。


 俺は家に帰ってシャワーを浴び、部屋のベッドにダイブした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ