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今ビルの屋上です。

おじさんによるおじさんだけじゃ留まらない作品にしていきたいので意見・感想などドシドシお待ちしております。

「ヒューーン。」

屋上の風が僕の耳を冷たく撫でた。

安堵は思ったよりも静かで胸の奥の重さが一瞬だけ溶けるようだった

目を閉じた瞬間世界は白く裂け崩れていく

なんでここにいるんだろう。

そうだっ、終わらせるためだった。


僕は頭がいいわけでもない、大学も親に金がないと就職した

彼女との間に子供ができて幸せな家庭を思い浮かべて結婚もした

高卒の僕が仕事も管理職まで昇格した


でも世の中は思っているほどうまくいかない

まずはどこから話そうか


小さい頃の記憶は

「お皿が割れる音」「怒鳴り声」「震える声」

酒を飲んですぐ暴れる父親がいて

顔中血だらけの母親の姿

僕は一個違いの兄と震えながら隣の部屋で何もできずにいるだけだった

父親のギャンブル癖の悪さから家にはいつもお金がなかった


「プルるるるるるる」

毎日のように借金取りからの電話が鳴り

「こんな親の元生まれてかわいそうに」と言われる有様


母親は昼も夜も働き、父親は長距離の運転手で一週間帰ってこない

今になって思えば二人の稼ぎを合わせればそれなりに稼いでいたと思う


長距離から帰ってくれば一日中パチンコに行き勝てば景品でおもちゃを持ってくる

負ければ機嫌が悪く酒を飲んで暴れるの繰り返し

一度暴れると手が付けられないし何をするかわからない人間だった

自分の言うことを聞かない人間は嫌いですぐに揉める


僕と兄と母はいつも逃げ出したい気持ちでいたが見つかったら殺される

「ねぇお父さん、これって何?」「ねぇ?」「ねぇ?」

と常に機嫌をとり顔色をうかがって生活していた

いわゆるアダルトチルドレンというやつだ


実際体験してみなきゃこの辛さは理解できないだろう

兄が高校に上がるタイミングで母親からの離婚話の時は母親は入院した

退院しても人前に顔を出せるような状況ではなかった


僕も高校受験がやってくるタイミングで受験勉強も毎日のようにDVで

集中もできる状況でもなくいわゆるバカ校というところに行った


高校生活をしバイト三昧で家に帰ることから逃げていた

生活をしていく中でまさに反面教師とはこのことだと思い

勉強も頑張り大学に行こうと決めたがお金がなく就職した


就職を機に家をすぐに飛び出した


社会に出て仕事の辛さ給料のうれしさ生活の大変さと

いろいろな出来事が大変で楽しくてむなしくて

「ジャラジャラジャラっジャラ」

気が付くと会社の先輩とパチンコ屋にいた

週末はキャバクラにも通っていた

まるであの毒親ではないかと思いつつもその時の楽しさに

毎日変わらない生活を送っていた


気が付くと自分も生活が苦しくなり消費者に手を出していた

これくらいなら返していける

まだ大丈夫まだ大丈夫とまた借りる

当時の給料は悪い方ではなかったので返して返して

また借りるの悪循環

そうした中で無性な虚しさに襲われる

早く楽になりたい

人生をやり直したい

どこで狂ってしまったのか?


そんな生活が苦しい中付き合っていた女性との間に子供ができた

そのまま結婚をしこれを機に人生をやり直していこうとおもった

そんな矢先のことだ


世の中を「リーマンショック」が襲ったのだ

当時夜間専属で働いていた僕は夜勤がなくなり給料は下がるだけ

毎月赤字の生活で幸せな家庭どころではなかった

それでも何とかバイトをしながら生活をしていた

「パパー」

家に帰れば子供のかわいい声が迎えてくれる

嫁に関しては冷めきっていた

仕事も家事もせずゲームばかりしていた

何が幸せなんだろう

離婚届をたたきつけ離婚をした


そこからは仕事に打ち込む日々だった

成果が認められどんどん昇給していく

稼ぎもそこそこありどんどん支払いができていた


そしてまた災難が来た

「コロナだ」

世の中はコロナウイルスで蔓延していた

一人が感染すれば関係していた人間が休んでいく

仕事が減るわけでもなく残業休日出勤を繰り返している中

「残業は強制ですか?」「休日は出れません」と仕事が回らなくなる

そのころの僕は自分だけでも頑張るしかないと一人で現場に入り

仕事をかたづけていた


ボーナスの時期になり僕の評価は常に高い

そんな中

「自分はなんで低いんだ」「この額ならその分の仕事をすればいいや」

という人間が出てくる

会社にとってマイナスな人間はどんどん仲間を増やし増殖していく

若い世代も頑張ろうと思っても浮いてしまうので何も言えなくなる

これぞ老害ならぬ労害である


「バコン!」

やってしまった

気がつくとボコボコにしていた

当然仕事もクビになり今までの緊張が一気になくなった


なにをしようにもやる気が起きず毎日寝るか酒を飲むか

支払いもできなくなり

電気

水道 

ガス

すべてが止まっていく

そんな中気が付くとビルの屋上にいた


気持ち的には全く苦しくもない

むしろ終わったら楽になれるという気持ちだ


「ッサ」

飛び降りていた

目を閉じると子供の笑顔が思い浮かぶ

それだけが心残りではある

ちゃんとご飯はたべているか?

学校でいじめられていないか?

元気でいるか?

お母さんごめんなさい

お兄ちゃんごめんなさい



「ドカッ!!」

僕は死んだ

続きが気になったら是非ブックマーク等お願いします!!

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