表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

奇遇






 常緑樹が占める中で、桜と楓が点在する森。

 これが、あいつの塒。

 枯れ木と、色も形も薄っぺらい植物しか存在しない、死に充ちた荒廃の地ではなく。

 風と陽光と雨と、栄養が、すべての植物に、生物に滞りなく行き渡る生に充ちた豊潤の地。


 似つかわしくない。

 脳裏に過った不要な感想は、即刻身の内から廃棄。


 あいつを喰らう事だけに集中しろ。


 仲間の人魚を喰らったあいつを。

 烏天狗を喰らう事で。


 私は。

 漸く。

 仲間を取り戻す事ができるのだ。


 喰らえ。

 喰らえ。

 喰らえ。




 それだけでいい。

 それだけで。





 なのに、





 出会わなければよかった。










 


 あいつを見た瞬間に。

 まだ動作がぎこちない足が疼いたのは。

 歩き疲れた所為だ。










(2022.5.12)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ