表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空からの贈り物  作者: 麗蘭。
初めての仕事
15/29

共闘 其の一


 襲撃を予想していた女王ダリアは、それ相応の対応策を既に用意していた。王宮騎士団を平民らの救護にあたらせ、精鋭による襲撃犯の束縛を直ちに命じ、城の城壁内を避難所として使用させる……ここまで予想通りに事が運んだが、彼女は妙な違和感を覚えていた。


「女王様! ここにいらしたのですね。早く我々騎士団の守備のもとへ……!」


「その必要はない」


 ダリアは目を爛々と輝かせる。


「どうやら、狙いはわたしではないらしい」


「ですが……」


「わたしがそう言うのだぞ、信じられぬのか……?」


 女王の圧に騎士団団長も流石に敵わないと悟る。


「はあ、お好きになさってください。どうかご無理はなさらないように」


 団長失格だと嘆くルヴァ。


「そうさせてもらおう」


 いつもより弾んだ声の女王は無邪気な笑顔でその場を後にした。


 

 ◇◆◇



 リラの同伴者を探しに城壁の中に向かったものの、探せる状態ではなかった。


(これじゃ人が多すぎる……)


 城壁内にいる人々の安全は確保されたも同然だが、精神状態は様々。子供の鳴き声があちこちで響き、それに混じって怒声も聞こえる。


 このままではリラも落ち着かないだろうと心配した。


「ルヴァさん!!」


 視界の端に白い騎士団の服を着たルヴァを見つけ、すぐに駆け寄った。


「礼華さんは無事でしたか、良かったです」


「はい。でも、姉さんが1人で……」


「あの人もですか……」


(あの人も?)


 ルヴァは小さなため息をつく。


「残念ですが、わたしはここで指揮をとる必要があるので、離れることができないのです」


「そんな……」


「それに女王様もどこかへ行ってしまわれました」


(ダリア様も……!!)


 礼華は少し考えた後、口を開く。


「ダリア様を探しに行きます……!」


 そう言い残し、ルヴァの話も聞かぬまま城壁の出口は向かう。


「……わたし、ここにいるのは嫌だ」


 リラは外に出ようする礼華の服の袖を掴んでいた。


「外は危ないよ。それでもいいの?」


「……うん」


 礼華はナノハの強さを知っている。だから、彼女を信じて女王の捜索に向かった。



 ◇◆◇



 襲撃はほぼ同時に違う地点で行われた。それを察したナノハは音や黒煙を頼りに、それぞれの地点へと向かう。


 建物の角を曲がり現れたのは武装した集団。ナノハに気づくと一斉に引き金を引いた。


 数は多く見て十数人前後、武器を所持している時点で能力者でないことがわかる。


「外れか……」


 銃弾一つ一つは水で包まれ、その殺傷能力は失われる。敵も大量の水に囚われ、なすすべもなく気を失う。


「お見事。まさか、能力者が混ざっていたなんて」


 倒れた敵の後方から現れたのは先程の青年と歳の近そうな男。茶髪の男は手をパチパチと叩いていた。


「お前が主導者か?」


「さあ、どうでしょう」


 主導者らしき男は胡散臭い微笑を浮かべている。


「当たりだな。お前がそうだ」


 反対にナノハは鋭い眼差しを向ける。


「どうやら相性最悪のようですよ」


 地面からナノハ目がけて高速で木が生える。


(間に合わない!)


 攻撃を受ける覚悟をした時、木が両断された。


「どうやらナノハ、そなたもここに辿り着いたようだな」


「なぜあなたがここに……!」


 突如現れた女王ダリアの姿を見て驚くところだが、今はそうしている暇はなかった。


「共闘といこう、ナノハ。相当不利であるぞ」


 ダリアは不敵な笑みを浮かべ、白く輝く剣を男に向ける。


「お気遣い、ありがとうございます」


 ナノハは丁寧に礼をする。


「驚きました。能力者が2人ですか」


 男は再び面白そうに手を叩く。


「しかし、何も変わりませんよ」


 言葉が終わると同時に、今度は無数の鋭い木の先が2人に襲いかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ