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10.仮カレ・仮カノの街歩き

ランチタイムが近づいてきた。


「お腹すいてきたけど、どうしようか?どこか知ってる?」


「お前・・・俺の完璧なデートプランを疑うのか?」


 まさか、レオンがそこまで計画しているとは想像していなかった。


 結局、おしゃれで美味しいと人気の、レオンの予約していたレストランに入った。男女二人の組み合わせが多い。人気のデートスポット、といった感じで、パティオに面したガーデン・ビューの席へと案内された。


「こんなおしゃれなレストラン、初めてかも。」


「お前、ソルとは来たことないのか?あ―――いや、答えなくていい。今日はアイツを思い出さないことにしよう。」


 確かに、街に出かける時はソルと一緒のことが多い。というか、ソルが私の行動を大抵把握していて、なぜか必ず一緒に出掛けることになっていた。


「えっと、お勧めのランチコースでいいかな。あ、デザートはショコラね。」


 二人とも、前菜から美味しい、ランチコースを堪能する。美味しいものを、美味しいと感じることのできる人と食事をする。居心地のいい時間。


 普段の休日は、学生寮の共同キッチンで簡単に済ませることが多い。なので、レストランのランチは、ちょっとした贅沢であった。


 最後にデザートがやってきた。私はフォンダン・ショコラ。レオンは、なんと果物いっぱいのパフェを頼んでいた。


「レオン、そのパフェ、すごいボリュームだね。果物の種類も多くて、キラキラしてる。」


「そうだろう!パフェとか、女と一緒じゃないと頼めないからなー。俺、この店のパフェが食べたかったんだよ!」


 そういうと、ちょっと子供っぽい顔をして嬉しそうにパフェを食べ始めた。こんな顔のレオンもかわいいな、なんて思ってしまう。私がみつめていると、何かを察したのかレオンがスプーンに果物をすくい、私の口元にもってきた。


「ホレ、あーんしろ、あーん。」


「え、それはちょっと・・・恥ずかしいよ。」


「何言ってるんだ、彼女なら遠慮はナシ、だろ?食べてみろ、うまいぞ。」


 そこまで言われるなら、と、ぱくっと口にいれてみる。メロンの果汁が、アイスクリームと溶け合って口の中に広がる。


「美味しい!甘いものを食べると幸せになるね、ありがとう。レオン」


 そういって笑顔になった私を、レオンが嬉しそうに見つめていた。お店で「あーん」とするなんて、バカップルみたいで恥ずかしかったけど、美味しいものを分け合えるのは単純に嬉しい。

 

「お前、こういうことするの、初めてか?」


「え?彼氏とデートとか、初めてだよ。仮だけど。」


「そうか、初めてか。」


「今日は、初めてが多いかな。デートもだけど、レオンの私服も初めてみたし、さっきみたいに「あーん」ってするのも、初めてだったし。あ、ピアスのプレゼントも、初めてだったかな。」


「そうか・・・そういえば、この前の俺のキスも、初めてか?」


「え、それは・・・違うかな。」


「なんだ、ファーストキスの相手はソルディーエル王子か。」


「そこまで答えなきゃダメ、かな?」


「・・・まぁ、いい。今日は、とりあえずお前の初カレだからな。」


 レオンはそう言うと、午後はエリーゼのプレゼントを買いに行くなど、のんびりと街歩きを楽しんだ。このところ、卒業課題に忙しくて、買い物もしていなかったので、意外と午後の時間は早く過ぎていった。



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