表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すすきのの夜  作者: ハッピー
4/15

聴診

私は、名前を呼ばれて、診察室に入った。


先生は、白髪交じりの優しそうな先生だった。白衣のよく似合うナイスミドルだ。


先生は、私の症状を聞いた後、「失礼します」と言って、鼻に棒を入れてきた。鼻の穴の中に痛みが走った。

鼻の中をぐりぐりされて、その棒は看護婦さんに渡された。


次に先生は、「胸の音を聞きますね」と言った。私は、服をまくり上げた。


私の左下腹部にタトゥーが入っている。

世界地図が書いてあって、そこに方位コンパスと、東西南北を示す矢印がコンパクトにまとまっている。


先生は、それを見て驚いた顔をした。しかし、今の少し、やんちゃな若者なら、ファッション感覚でタトゥーを入れる時代だ。先生は、すぐに、普通の顔に戻った。


「はい、背中を見せてください。」


私は、椅子でくるっと回った。


背中にもタトゥーが入っている。


どくろの牛が、水晶玉のような光沢のある玉を頭の角の中に抱いている。


おまけに、背中には昔誤解で裏社会の人間に刺された傷痕があった。手術の傷痕とは明らかに違う。だから、私は、なるべく病院を避けてきたのだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ