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15.女勇者と漆黒の旅団の連携プレー

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(つ、つまり、こいつが言ってるのは、化物たちを倒すことくらい、赤子の手をひねるようなもんだってことなのかい!?)


「なんてすごい奴なんだい……」


冷や汗を流した。


(こいつは一体何を言ってるんだ?)


だが、カノユキは内心首をかしげていた。


(ぶっちゃけ、アルテノの神性をナイフに宿してゴーストどもを浄化しているだけなんだが?)


よく見るとカノユキの後ろをついてくるアルテノの影響で、神性を帯びさせたナイフが活性して、死霊たちが浄化されているのが分かる。


だが、とにかくカノユキが大見得をきって立ち回るので、あたかもカノユキの力によって死霊たちを浄化しているように見えるのであった。


「カノユッキー様、あれを!」


と、勇者が叫ぶようにカノユキに言った。


なんで様づけなんだ?


カノユキは首をかしげた。


だが、疑問符を浮かべている暇はなさそうであった。


死霊たちが次々にやられていくのに業を煮やしたのか、明らかにこれまでの死霊たちとは大きさの異なる巨大ゴーストが現れたからだ。


獲物は巨大なカマ。顔はドクロ。体は10メートルはある。生命を刈り取るのにこれほど特化したゴーストはいない。


「ふむ、この亡霊船の本体といったところですかな」


昔沈んだ怨念の塊が亡霊船を作るのです。


そう学者男が言った。


「ふ、あれくらいの敵なんでも……」


カノユキが雑魚ゴーストたちと同じ調子で近付こうとするが、後ろからアルテノに袖をひっぱられた。


「誠に言い難いのですが、あのモンスターは私の神性では浄化できなさそうです」


「まじか」


まじです。わたしの神性の余波で雑魚くらいは薙ぎ払えるけど、かーくんはレベル1だからね! あれくらいの冥界の門番クラスになっちゃうと全然無理!


なるほど。


カノユキは頷いた。


(実際弱いしな、俺)


腕組みをしてうなった。





「姉さん、あいつらヒソヒソ話を始めやがりましたぜ」


「どうしたんでげしょうね?」


「ふ」


なぜかバネッサは誇らしげに鼻を鳴らし、


「多分、何か策があるんだろうさ」


ああ、きっと、あたしたちが考えつかないような、とんでもない策がね。


などと言った。




「なんかすごいプレッシャーを感じるけど……」


「ふん」


カノユキは鼻を鳴らし、


「慌てるな。策がある」


本当?


本当だ。


「おい、勇者」


「は、はい!」


突然名前を呼ばれて、女勇者は驚いて返事をする。


「これを使え」


『ぽす!』


「へ?」


勇者はとっさに投げられたものを受け取る。


それは、


「か、かーくん!? それ渡しちゃったら!?」


アルテノがすっとんきょうな声をあげる。


カノユキが自分の武器をいきなり手放したからだ。


「どうせ俺が持ってても役に立たん」


カノユキは淡々としている。


それが策なの?


そうだが?


ただの他力本願なだけでは?



そんな噛み合わない会話を漆黒の旅団はひそひそと繰り広げるが、一方の勇者パーティーは盛り上がっていた。


「漆黒の旅団、カノユッキー様が……わたしに武器を託してくださるなんて……」


とろんとした表情で勇者は言った。


「カノユッキー様の期待にこたえます!」


いや、なんか自分が倒せないから押し付けられたような気がするんだが?


でもでも、神性はちゃんと宿ってるよ。めっちゃ強いよ。


ええ。まるで本物の女神が夜寝る時に枕元においていたから偶々神性がやどったかのような強い力を感じますなあ。


勇者一行はそれぞれ好きな感想を抱いていた。


「さあ、勇者よ! その聖剣を貸してやる‼ 今こそお前の力を見せてみろ!」


その言葉に勇者は、健気に「はい!」とこたえる。


とりあえずカノユキのそれっぽい言葉で、勇者が倒す流れになった。


それって、どうなの、かーくん……。


いいんだ、そもそも戦うのは俺の役割じゃないんだから?


うーんこの。


やれやれとカノユキは首を横に振りながら、


「お前が言っていただろう?」


たん、と勇者が一歩を踏み出した。


瞬間、ふっ、風のように消えた。


「俺の役目はあの主人公たちが世界を救うのをちょっとだけ助けてやることだと」


「はあああああああああああああああああああああああああああああああ‼」


「なら、俺はこうして脇役でいいのさ」


ぶしゃああああああああああああああああああああああああああ!


ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!


一瞬にして、カノユキの与えた武器をふるう勇者によって、巨大ゴーストは一閃されたのであった。


いや、すごいな。


さすが、勇者よねえ。


二人はそんな感想をつぶやいた。



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