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第20話 二人はようやく事実を知る

 『驚愕! 地下に違法な闘技場!』

 『拉致され、魔物化された人間多数!』

 『外道! 魔物化された人間同士を戦わせる!』

 『多数の遺体発見! 違法賭博の犠牲者か?』


 翌朝、北の経済都市の新聞は、地下違法闘技場とそこで行われていた魔物化された人間同士を戦わせる違法賭博で持ちきりだった。


 『証言多数。赤いドラゴンファイター目撃される』

 『処刑されたはずのドラゴンファイター出現か?』

 『違法闘技場を暴いたのは赤いドラゴンファイターか?』


 さらに、ドラゴンファイターレッドのことも、未確認情報のような扱いで報道されていた。


 赤いドラゴンファイターは何者なのか?

 処刑されたドラゴンファイターは生きていたのか?

 ドラゴンファイターの目的は何なのか?


 人々は確認の取りようがないうわさ話に盛り上がる。


 「勇者たちは……西に向かったか……」


 赤いドラゴンファイターの謎で騒ぐ人々を尻目に、当の赤いドラゴンファイター――ドラゴンファイターレッドこと、ゴンベエは新聞の勇者関係の記事を読む。

 アリスたち勇者パーティは西にある、火山と温泉で有名な街に向かったらしい。

 火山と温泉の街を経由して、魔王軍の艦隊が近くに迫っている西の港町に行くそうだ。


 「よし! じゃあ俺も……」

 「気を付けて……!」

 「え?」


 ゴンベエが振り返ると、そこには黒いワンピースを着た、10歳くらいの女の子がいた。王都から旅立つときにもゴンベエの目の前に現れた謎の少女だ。


 「君は……前にも会った……」

 「あの火山には、炎の魔神が封印されている……気を付けて!」

 「それって、どういう……」


 ゴンベエが聞きだす前に、少女の姿が掻き消える。


 「これは……幻じゃないのか……?」




 『驚愕! 地下に違法な闘技場!』

 『拉致され、魔物化された人間多数!』

 『外道! 魔物化された人間同士を戦わせる!』

 『多数の遺体発見! 違法賭博の犠牲者か?』


 「おい……これはまずいんじゃねえのか?」


 勇者アリスと、勇者の仲間たちが北の経済都市を出発して3日。

 馬車の中で途中の村で手に入れた新聞を読みながら、獣戦士のカマスは五色魔導士のエイミィに耳打ちする。カマスとエイミィ以外は眠っているため、会話を聞かれる心配はない。御者役の重装戦車のゴーシュにさえ聞かれなければ大丈夫だ。


 「…………いや、大丈夫だよ。当局は結局、誰も捕まえられなかったらしい」


 エイミィは冷や汗を流しながら新聞記事を熟読し、そう判断する。

 北の経済都市の地下闘技場は結局崩れることなく、魔物化された人間――獣人たちは全員救出されたことを、カマスとエイミィはここで知った。

 一瞬捕まるのではないかと思ったが、当局は誰も捕まえられなかったようだ。

 証拠は誰かがうまくもみ消したのだろうか? ――聖騎士のレオナルド王子の指示で、電光石火のゲイルが密かに証拠を回収したことを、2人はまだ知らない。それが、知らず知らずのうちに、自分たちの首を絞めているということにも……

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