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MAKE A FRIEND  作者:  
他人
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変わること、変わらないこと

地震の影響で遅れてしまいました。すみません!

俺は彼女を取り敢えず家に帰らせた。

事情を把握している人たちには全て俺から真相を伝えた。

担任には大事にしてほしくないと山吹の方から連絡があったらしい。

今回の騒動は俺たち少数のクラスメイトと担任だけの中で収まったこととなった。

2次被害を防ぐためにも今回のことは他言無用ということになった。

これで取り敢えずは一件落着だ。

次の日、山吹はいつものように学校に来ていた。

しかし金崎たちとは行動せず、一人で行動していた。

俺は彼女と友達らしいことをしてあげたいと思ったが、いきなり親しくすると周りの目もあるのでそこは慎重に行動することにした。

ま、それも意味がないとは思うが。

なぜなら、金崎自身も一人だからだ。

橋本と須藤は一緒にいるのだが、金崎、山吹は一人だ。

昨日の一件のせいでバラバラになってしまったのだろう。

今日中には何かあったんじゃないかとクラス中で噂になってしまう。そうなってしまえば俺の気遣いなんてあってないようなものになるだろう。

一人で居続けるなら声をかけようと心に決めた。

だが、そんな心配は必要なかった。

一人の女子が山吹に声をかけていた。

その正体は有栖だった。

二人はとても仲良さそうに話している。

これなら大丈夫か。

それから授業を受け、放課後を迎えた。

文化祭まで残り2日。

今日で完璧に仕上げ、明日は最後の打ち合わせといったところだろう。

舞台製作係たちも、ほぼ完成していた。

あとは細かな所の改修のみらしい。

衣装係は既に完成させていて俺たちの演劇を見ていた。

俺たちは最初から最後まで流すことにした。

山吹が一生懸命に掃除をしているところから始まる。

そこへ三人の悪女がやってくる。

「今日は王子様がお嫁さんを探すためにパーティーに参加するらしいわよ」

「あら、本当なの?お姉様。」

「ええ、本当よ。」

「私、行きたいですわ!」

といった感じでシンデレラに近づいてくる。

そこで長女の金崎がシンデレラにぶつかってしまう。

腹が立った金崎たちがシンデレラを暴行する。

いつもなら迫真の演技なのだが、いまとなっては覇気のないものだった。

ボロボロになったシンデレラ。

「ああ、神様。なぜ私はこのような仕打ちをお受けにならなければならないのでしょうか。」

と天を見上げる。

本番ではそこで暗転するそうだ。

そして四人組の出番だ。

龍が案内役で、どうやら他の二人が馬車役のようだ。

彼らの役目は至ってシンプルなものだった。

シンデレラを城まで運ぶ。それだけだ。

「ささ、お姫様。こちらへ。」

台詞もそれだけ。何とも寂しい役だ。

シンデレラが乗り込み少しだけ馬車が動く。それと同時に暗転するそうだ。

場面が変わり城内。

ここで俺の出番だ。

「ああ、このガラスの靴がお似合いの姫様はいないのだろうか。」

ガラスの靴を持ち上げる。

「私は、この靴に相応しい姫様と結ばれたい。」

そして三姉妹が、金崎、橋本、須藤の順で出てくる。

一人ずつ、試す、失敗の繰り返し。

「ああ、やはりこのガラスの靴に相応しい姫様おらぬのか。」

そこで俺はステージの端に立っているシンデレラを見つける。

「おや、そこの姫様。貴方はまだ試していませんでしたね。どうでしょうか?」

そう言うとシンデレラが近づいてくる。

そして俺の前で止まり靴を履こうとする。

そこで三姉妹の邪魔が入る。

「王子様、王子様、自ら履くような意志がない、そのような方には試される必要がないかと。」

俺は少しだけ考えるそぶりを見せ、こう言う。

「貴方はどうしますか?」

そう問わられたシンデレラは少し考え言う。

「わたくしに似合うかどうか分かりません。」

そう言って履こうとする。

するとピッタリとはまる。当たり前なのだが。

「おお、貴方が私の運命の人なのか!」

舞台が暗転する。

そして二人は幸せな人生を歩んだ。終わり。

とナレーションが入り無事に終わるらしい。

何事もなければ良いのだが。

そんな感じで最後の練習が終わった。

明日の打ち合わせが終われば、いよいよ学校祭だ。




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