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ソシャゲに転生しても俺はなんとかやっています  作者: 山崎ジャスティス
永劫の鏡奪還編
3/75

第1章1部:出発

 ソシャゲの世界へと転生した、マサキこと俺は、ゆーりという召喚士のパーティメンバーになった。


 パーティメンバーとなった実直な性格のミネルヴァと高飛車のアガタ、お嬢様のメリエルを加え初めてのクエストへ挑むのであった。


 パーティが揃ったところで誰も使っていない馬小屋を後にした俺たちは、クエスト受注をするにはギルドへの登録が必要なため、町の賑やかな酒場へ向かう。

 歩いている中後ろの方でメリエルがため息を漏らした。


「ねぇ、あなたたち。このわたくしをどうしてここまで歩かせるのかしら。召喚するならその次の場所でやればやるのではなくて?」

「あの、その、私、召喚自体あまり得意じゃなくて、少しでも静かなところじゃないと集中できなくて……」


(初めての割には高いレアリティのキャラばかり召喚できるんだな)


 ゆーりがその言葉を聞いてドキッとし、おろおろしながら説明した。

 メリエルは説明を聞き終わる前に、偉そうに俺の方へ顔を向ける。

 その顔はどういう意味か自然と伝わった。


 俺はゆっくりとメリエルを抱えるとそのままおんぶした。小柄な体をしているため、非常に軽い。ドレスの材質がシルクの感触をしておりサラサラしている。

 全身から醸し出される上品な香りがするおかげで、思ったよりこの体制も思ったより苦にならない。


「まぁ! それでよろしくてよ」

「マサキ。 その仕事は私がやろう」


 ミネルヴァが駆け寄ってきたが、俺はゆっくりと首を振った。


「まぁまぁ。こういうのは男に任せとけって。メリエルは軽いから、俺でもなんとかなる。重いものの時頼むわ」


 その様子を見てアガタは少し不満そうだった。


「ちょっとバカキ! あたしにもそんな風にしなさいよ!」

「でもお前はまだまだ歩けるだろ?」

「もう歩けないわ! 一歩も無理だわ」

「あっそ。だったらお前の言う大魔導士様に似ているのは足腰の重いところだけだな」

「な、なんですってー!?」


 メリエルを抱えたまま軽い足取りで歩くと、アガタが走りながら追っかけてくる。

 追いつく直前に盛大にこけてしまい、ゆーりとミネルヴァがそばに近づき心配されていた。


「おい大丈夫か、けがはないか?」

「あわわわわ……どこかケガは、お医者さんは……」

「むむむむ……バカキとアホお嬢様待ちなさいー!!」


 後ろでアガタの怒鳴り声が聞こえたが俺は無視した。


「ふふふ。わたくしは満足ですわ。お兄様を見つけた後はヤシアリンセ家の召使でもいかが?」

「ありがたい申し出だな。だが今回は遠慮させてもらう」

「そう。気が変わりましたら、またお声をかけてもよろしくってよ」


 その時メリエルは少し残念そうな顔をした。

 彼女の中では思ったより本気で誘っていたのかもしれない。

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