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ソシャゲに転生しても俺はなんとかやっています  作者: 山崎ジャスティス
殷賑の祝祭防衛編
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第2章1部:一日の始まり

 いつの間にか眠っていたようで、外から鳥の鳴き声と眩しい朝日で俺は目覚めた。

 ぐっすり寝たため、目覚めがとても気持ちがいい。


 腕をストレッチしてから辺りを見渡すと、隣にゆーりが体を丸めてぐっすり寝ている。

 寝言を漏らしながらあどけない顔をしていた。


 俺はゆーりを起こさないように、ゆっくりベッドから降りた。

 激しい運動をしたわりには筋肉痛などは感じないが、服に汗臭さがこびりついていて、俺は鼻を曲げる。


 とりあえず朝風呂でも入ろうと、階段を下りた。

 掃除をしているメイドや、警備をしている兵士がこちらを見て敬礼する。


 湯船に浸かり体をさっぱりさせる。

 体を洗い、顔を洗って、気分をリフレッシュさせた。

 今日も新しい依頼を受けるのだから気分を一新する必要がある。また風呂に入れるかどうかもわからないのだ。


 俺はしばらく湯船に浸かり、ゆっくりしたあと風呂から上がり、着替えた。更衣室から出ると、同じく風呂に入ろうとするミネルヴァと鉢合わせした。


 黒のトレーニングウェアのような動きやすくへそを出した服装をしていた。

 全身に汗をかいており、時折汗を拭っていた。

 切り傷も体の至る所に見られる。

 どうやら朝の鍛錬のあとの風呂のようだ。


「ああ、マサキじゃないか。おはよう。あなたも朝風呂か」


 ミネルヴァがこちらに向き直って尋ねた。


「おはよう。ミネルヴァ。まぁ、昨日風呂も入らずに寝てしまっていたようだから。早く目覚めたしせっかくだからな」

「昨日は大変だったからな。ゆーりが慌ててたぞ。マサキは泥のように寝ているから、また死んだんじゃないかって」


 ミネルヴァがその様子のことを思い出し、少し笑みがこぼれる。

 俺もつられるように笑う。


「相変わらずだな。ぐっすりさせてもらったおかげでぴんぴんさせてもらった」

「ふふ。絶好調言ったところだな。今日も頼むぞ」


 ミネルヴァはそういって、更衣室へと姿を消した。俺はそれを見届けると、二階へ上がり部屋へと入る。


 まだゆーりはぐっすり眠っており、俺は静かにしながら椅子に座って、軽く目を閉じる。


(ロジャーから推薦状があれば、下積みを経験することなく上級のクエストも挑戦できるだろう。現段階での攻略は難しいが、俺のやりこみとあの仲間たちがいればなんとかなるだろう。ゆーりの目指すラインゴッドの手掛かりも探さなきゃいけないし、並行できる依頼を見つけないとな)


 俺が予定を練っている中、ふと子供のような高い声がする。


「おい、俺様を無視して寝るなんていい度胸じゃねえか。お前がくれないから、俺の方からあいつにお菓子を直談判したんだぜ」


 その声の主はキッドだった。キッドは脇にビスケットを抱えて、かじっている。


「おはようの一言もなしか、最近のガキはしつけがなってないのかもな」

「やめてくれ! お、おはようございます。……なんで俺がこんな風にペコペコしなくちゃいけないんだ」


 キッドは慌てて言い直し、直後に愚痴のような言葉を吐いた。


「仕方ねえだろ。だが俺が仕事をこなす限り、お菓子はやるんだ。もちろんその分お前も働いてもらうがな」

「本当人使いが荒いぜ……いだだッ!」


 キッドがビスケットを抱えながら、頭を手で抑える。なんとしてもそのお菓子だけは守るつもりのようだ。


「いててて……あー本当に痛いなこれ。言われた通り頑張って働くから、まぁ見てなって」


 キッドは近くの机に腰を下ろし、再びビスケットをかじり始める。


 朝日が次第に高くなり、鳥の声は聞こえなくなる。

 庭には騎士たちの気合いの入った掛け声が聞こえ始めた。

 昨日のアルベルトを守っていた騎士とはまるで別人かのような勇ましい声だ。

今回から第2章が開始します。


更新ペースが遅くなるかもしれませんが、楽しんでいただけますと幸いです。

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