表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雷帝の後継者  作者: 森戸 玲有
序章
1/56

序章

 ―――その男は、ハルアに言った。


「君が大人になった頃、この世界も君の世界も揺れるかもしれないな」


 ――と。

 ならば、いっそこの世界に置いて欲しいと言ったハルアを、男は嘲笑った。


「君には、君の役目があるじゃないか……」


 ――自分の役目なんて。

 そんなものは分からない。そんなもの知らずに人は死んでいくものなんじゃないのか?


「――じゃあ、せめて、もう一度、会うことは叶いませんか?」


 子供であることを利用して、ハルアは男に強請った。

 けれども、男はハルアの髪を撫でただけで、同じ熱を持って返してはくれなかった。


「君はあれを美しいと言った。才能があるんだろうよ。綺麗なものを描き続けなさい。そうすれば、きっと……」


 ――きっと……。

 その言葉ほど、不確かなものはないだろう。

 それでも、その一言がハルアの希望だった。

 閉塞した世界を打ち砕く、圧倒的な光そのものだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=52129637&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ