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今から追い付く! 忙しい人のための「天龍眼の探索学士」第21話~第39話

第21話~第24話

 アンフィスバエナから逃げる際、剣を投げつけて失ってしまったユートは、新しい剣を買いにカラード工房を訪れる。

 ユートのための剣を打っていると聞き、新しい試作の剣を見せてもらおうとした時、工房に行商人のデュロイ氏が現れる。

 詐欺スキルLv1を持ったデュロイ氏に警戒したユートは、計算が不慣れなゲイルにつけこんだぼったくりの手口を見抜き、最終的にデュロイ氏を改心させるのであった。


 ゲイルとシャリア先生に算術を教える代わりに新しい剣を手に入れたユートは、立ち入り禁止になった大樹の迷宮のかわりに、難易度の近い深森の迷宮へとクロードと共に入る。

 試し切りの結果は上々。魔物を一撃で両断する威力に、思わず調子にのってしまうユート。

 クロードも卒のない剣技を見せつけ、懸念していた収入の低下もなく、ドラゴンの大牙亭に戻った二人はささやかな祝宴をあげるのだった。




第25話~第29話

 順調に稼ぎを伸ばし、念願の魔法書を購入したクロード。

 だが、その内容は魔法を使えない人間が初めて魔法を学ぶには向かないものだった。

 ユートは魔法を習得するため、ルティアのパーティメンバーである魔法使いのアルバートを講師役として、ルティア達やミーシャも交えた特訓を行うことにする。


 様々な魔法の体系や精霊について学び、まずは魔力を感じとるところから始めたが、ここで意外な才能を見せたのはミーシャだった。

 ユートもまた、波のようなもの、という形で魔力を感じるというミーシャの言葉にヒントを受け、レーダーのように魔力を放って広範囲を感じとる技術を身につける。


 だが、肝心の魔法をまるで身に付けることができない。

 現代の物理的な科学に反する魔法の法則に、どうしても馴染めないのだ。

 クロードやミーシャが軽々と魔法を習得する傍らで思い悩むユートに、天龍は今まで学んできた魔法について『全て忘れろ。全部嘘だ』と言う。

 魔力とは世界をも創造する万物の根源。法則を飛び越えて、法則そのものを作り出すもの。あらゆる望みを傲慢にも現実に変換するものこそが魔法なのだという。

 しかしユートとルティアは結局魔法を覚えるには至らず、ルティアは魔力の使いすぎで気を失って倒れてしまうのであった。




第30話~第34話

 魔力感知を魔法として形にしたソナーを習得したユートは、炎の攻撃魔法を覚えたクロードと共に深森の迷宮を制覇する。

 その背後から、じっと様子を伺う人影があった。

 その正体は、腕利きの斥候であるエルフの少女、ユズだった。


 彼女はユート達に、パーティに入れてほしいと頼む。

 彼女のパーティは、クレセントベアの出没する三日月の迷宮にて全滅したのだという。

 話を聞いたユートも息を飲む壮絶な全滅の様子は彼女の心に大きな傷跡を残しており、ユートが流した鼻血を見ただけで蒼白になって倒れてしまった。


 それでも実績のある斥候を仲間にしたいというユートとクロードの意見が一致したため、ユズを仲間に迎え入れ、新たな迷宮へと挑む。

 ゴブリンばかりが大量に出るという巣穴の迷宮で見せたユズの実力は、今のユートたちと比べてもかなり上であった。


 負けじと戦おうとするユートだったが、仲間を見捨てて逃げたり、追い詰められて命乞いをしたり、かと思えば背後から襲いかかってくるゴブリンの行動に戸惑いを覚えてしまう。

 しかも、人の形をしたゴブリンに向かって剣を降り下ろすことに抵抗があり、ゴブリンを倒せないでいた。

 これが「ゴブリンの壁」と呼ばれるものてあり、ゴブリンが探索士の最初の壁だと言われる理由であった。




第35話~第39話

 シャリア先生からゴブリンの恐ろしさを聞きながらも、ユートはどうしてもゴブリンを斬ることができず、止めをクロードとユズに任せていた。

 クロードにはゴブリンを相手にする抵抗は全く無く、ユートが足止めに徹していても問題なく戦えていた。


 第二層に降りてからもユートがゴブリンを倒せない以外は特に問題なく戦い、トラップも回避していく。

 順調に思えたその時、大量のゴブリンに追われた別の探索士パーティに巻き込まれてしまう。

 斥候を仲間にしていなかったそのパーティは、魔物を引き寄せるアラームトラップを連続で踏んでしまっていたのだった。


 ユートがゴブリンを倒せない状態では勝ち目はなく、逃げ出すユート達。

 しかし、迂闊にも落とし穴にはまりかけたユートをかばって、ユズは一人、第三層に落とされてしまう。

 それを助けるべく、ユートは自ら別の落とし穴に飛び込み、ユズを助けに向かうのであった。


 落とし穴に落ちた際に足をくじき、回復のための霊薬も落ちた衝撃で割ってしまったユズは、絶体絶命のピンチに陥る。

 ゴブリンに取り囲まれ瀕死のダメージを負うユズだったが、間一髪、ユートとクロードが助けに現れ、九死に一生を得る。

 傷ついたユズの姿を見たユートは怒りに燃え、その衝動のままにゴブリンを斬り、ゴブリンの壁を乗り越えたのであった。




 以下、39.5話に続く……




――――――――――――――――――――

ここまでで押さえておきたい主な人物・出来事


・この世界の魔法

 数秘学、精霊使い、詠唱法、触媒法、神の奇跡など、様々な魔法がある……が、根本的には「魔力を好きなものに変換して望み通りの結果を起こす」方法。どれも外側が違うだけで本質は同じ。

 クロードは数秘学をベースにした魔法を使うが、ユートはこれらの概念に囚われない魔法を使う。


・ユズ

 本名はユーザニナ・ニンフィア・ルブルムフロウ。

 仲間が全滅し、一人生き残ったエルフの斥候。

 元々、ラディオンで最も難易度の高い三日月の迷宮に潜っていた腕利きの斥候だが、心に大きな傷跡を残している。


・ゴブリンの壁

 人間の子供に似た姿形をしたゴブリンに対して、戦えなくなる症状。

 心優しい人や、平和な人生を送ってきた人、強い倫理観を持った人などが引っ掛かりやすく、探索士を引退する原因になることもある。

 大体は、一回斬れば克服できる。

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