遅刻遅刻!
「 やばい! 遅刻遅刻!」
私はどこにでもいる何の変哲も無い女子高生。朝起きたらあら大変…。いつもより一時間も寝坊しちゃった!
もー! お母さんも起こすの遅いのよ! 起こすならいつも私が起きる時間に起こしてよ!
こんなことを思いながら私は一切れの食パンを咥えて走っている。すぐそこの角を曲がれば直ぐに学校だ。大きく曲がると時間のロスになってしまう。小回りを効かせないと……。
「イテッ!」
しかし、最短で曲がろうとしたがために私は誰かにぶつかった。私の口からパンが落ちた。
「あー! 私の朝食のふんわり食パンが……!」
そんな私の叫びは意味もなく、パンは無事着陸した。
「す、すすすす、すみまちぇん!」
前からカミまくりな謝罪が聞こえてきたので顔をあげるとあまりパッとしない、くたびれたスーツを着た男性が頭を下げていた。
「い、いえ! 私の方こそ確認もせずに急いで曲がってしまったので! すみません!」
「き、きき、き、君が謝ることじゃ無いよ! それにパン落としちゃったみたいだし…。ゴメン!かわりに僕のお昼ご飯あげるよ!」
「えっ、いらな……」
「じゃ!すみませんでした!」
そう言って男性はシングルモルトウィスキーを置いて走って行ってしまった。
「ちょっと! これは山崎違いなんですけど!」
もう、未成年なのにお酒なんてもらっちゃった……。今晩は呑まないとね!
あれ? ウィスキーの隣にメモノートが落ちてる。
勝手に見ていいのか迷うけど、誰なのかわからないと届けれないもんね!
「これって……」
ノートを開くとそこにはパン祭りのシールがたくさん貼られていた。そして、肝心の男性の情報は何もなかった……。
いや、何もないわけでは無い。あの男性もパンが好きなのだ。そう思った時、私にはある思いが生まれた。
「そうだ! あの人のかわりに私が集めよう!」
もうすでにある程度のシールが貼られているのだから直ぐに応募できるし! あんな男より、私がもらったほうがいいよ!
(キーンコーンカーンコーン)
いっけない! すっかり遅刻しそうなこと忘れてた!
私は落ちた食パンをくわえて全速力で走り出した。もう……、これから忙しくなりそうね!
そんなことを思いながら今日の私の1日が始まった。
友達から題名だけ言われて書きました。
書きなれてないので小学生よりひどいかもしれません!