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エピローグ そして始まり。
「千春……」
教会から血塗れの姿のまま千春の元へと帰った。
口では説明出来ないと判断したからだ。
「城内さん、一人ですか?」
「ーーああ」
この問いだけで、全てを悟ったのだろう。
千春の瞳から涙がーー。
「千春、一緒に暮らそう」
だから傷を重ねるように抱きしめた。
「はい」
その力強い返事に、俺は心に誓ったのだ。
千春だけは守り抜くと。
「どうして……?」
そう呟かずにはいられなかった。
新一は死んだ。名切も死んだ。円口も鬼木も。
そして最後に残された千春とは、一緒に暮らしていた。そばにいたんだ。一年間ずっと!
なのに!
千春は交通事故で死んだ。
もう俺の傍には誰もいない。
狩人としての使命もない。
なんの為に生きる?
この不死の体を手にして!
どうしろと言うんだ!
「二ヒヒッ? お困りかな? 狩人さん」
どこか懐かしいような。
だが決して知ることのないその人影に、視線を向ける。
「貴様は……?」
「俺は一真。新一、円口、鬼木の融合体。そして異端者の王にしてーー」
次の瞬間。耳を疑わずにはいられなかった。
「お前を殺す者だ。二ヒヒッ? じゃあな」
一人残された俺はただただ、
「なぜだあああああああああああああ!」
満月に向かって絶叫したのだった。




