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葬式
葬式に来たのは、俺も含めて四人だけだった。もちろん。その中に、城内の姿はない。
「ーーどうして……」
円口が住んでいた教会。そこには、マリーさんがいたはず。そのマリーさんも死んでいた。教会の中はそれらを含んでか、滅茶苦茶になっていた。
一体ここで何があったのか。
「ッハ。ひでえ有り様だな?」
鬼木が一言放つ。
「いくら葬式といえど、悲壮感が漂い過ぎだ」
「鬼木さん! あなたーー」
千春を止めて、聞きたいことを聞いた。
「鬼木、どうして来てくれたんだ?」
「ッハ! 暇潰しだ。ただの」
「そうか……」
「新一さん?」
俺の様子が気になってか。心配そうにこちらを見つめる名切さん。
「大丈夫」
一言返して、俺は遺体もないこの場所で手を合わせただけだった。
だからだろう。
千春が名切さんに、敵意の眼差しを持って見つめてことにも気がつかなかった。




