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円口 死す
驚いたのは、奴も同じだったのだろう。目を丸くして、こっちを見ている。この間のパーティーの件では、何の分け隔てもなくあったものの、実際にこうして対峙すれば敵対関係。
やることは一つだけだ。
だが……。
「どうした? その傷は?」
奴の姿を見る。血塗れだ。
満身創痍に他ならない。
何があったのかもわからない……いや。今一瞬、あの魔女の姿が過ぎった。
「……はあー。とことん自分の運の無さに笑えてくるぜ。ニヒッ」
足をズルようにして、こっちに向かって来る奴に殺気はない。寧ろ……。
「あー、はは。ーーお前に、頼みがある」
俺の胸にしがみつくようにして、
「新一を救ってくれ……」
その時だった。
「フフフ」
笑い声が聞こえる。
パンと亀裂音がしたかと思うと、円口
がズルズルと堕ちていく。
「残念。はあはあ……二人とも殺せると思ったのにーー」
名切が言葉を切ったのは、すぐにわかった。
「円口……城内?」
きっと新一から見れば、円口を殺したのは……
「お前ええええええええええ!」
絶叫と共に、新一が飛びかかってきたのだった。




