プレゼント
「じゃあ次は、プレゼントをお渡ししましょう」
魔女の合図で、各々が用意してきたであろうプレゼントを準備する。
隣をチラッと見れば、城内までもが用意してやがった。まあ、かく言うテメエもそうなのだが……。
「ニヒッ。じゃあ、まずは俺からだな」
ムカつく笑い声の男が、女に箱を差し出した。緑色で正方形をかたどったそれは妙に怪しい。
「ありがとうございます。円口さん。何だろう?」
女が開けた瞬間。
「うわっ!」
ふざけた笑い声と共に、ピエロの玩具が飛び出した。どうやらびっくり箱の様だ。
「ニヒッ、ニヒッ、ニヒッ! 引っかかっーー」
突然、男が笑い声を切ったのは、隣にいる城内が殺気を送ったからだろう。
「ジョーダン、ジョーダン。ホントはこれさあ」
そう言って、白いTシャツを手渡した。続いて、魔女が、
「じゃあ、そのTシャツに合いますね?」
上下黒い袖の長い体操着を渡す。
続いて、新一が、鍔のある帽子を渡す。
「皆さん、ありがとうございます!」
千春とかいう女は嬉しそうに、それらを抱きかかえた。
そこへ、照れくさそうに、
「フン。良ければ……」
城内が、花柄のハンカチを差し出す。
似合わねえ。とは思ったが、あの女が手にした瞬間。しっくりきやがった。
まあ、プレゼントってのは、相手に渡すもんだしな。
「城内さん……大事にします!」
ということは、これで俺がーー。
「最後になってしまいましたけど、鬼木さん?」
魔女がワザとらしく言う。本当にワザとらしい。あの女が準備させたくせに!
苛立ちを込めながら、女の目の前にそれを叩きつけるかのように置いた。
殺気立つ城内と新一に、
「何もしねえよ」
と牽制する。
「まさか、あなたから貰えるなんて思ってなかったから……」
驚いた様に目をパチクリさせる。
「ッハ! 俺もだよ!」
「開けていいですか?」
「好きにしろ」
千春は目の前で包みを破くと、それを持ち上げた。
「靴……」
「ッハ! 今度、夜道で俺に会ったら全力で逃げるこったな」
運動靴。我ながら、センスの欠片もねえが知ったこっちゃねえ。
今は、まだ身体の調子が良くはねえ。
魔女と殺り合えねえ。だったら、大人しく言うことを聞いておくだけだ。
「フフフ。逃げる? そんなことしません。この靴で今度こそ、あなた捕まえますから。ーーありがとうございます」
「ッハ! 相変わらず大した女だ」
その時だった。
自分が自然と微笑んでいることに気が付いて、思わず、
「ッハ!」
としてしまった。




