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ハッピーバースデー
「じゃあ、始めるか」
兄が着席したのを見届けて、名切さんが、何やら皆に目配せする。
え? 何だろう?
「せーの!」
お兄ちゃんの合図で、一気に、クラッカーが爆ぜる。
「うわ! びっくりしたあ……もう。やるならやるって言ってよ」
「フフ。それでは面白くありませんもの」
名切さんが、不敵に微笑む。
「皆さん、どうもありがとうございます」
城内さんを始め、円口さん。そして鬼木さんにも頭を下げる。
反応は様々だが、まあ、これは……名切さんかな?
「新一さん」
「あ、はい」
名切さんの合図で、今度は、お兄ちゃんが冷蔵庫から何かを取り出す。そして突然、歌い出す。
「ハッピーバースデー、トゥユー」
ずっこけそうなほど、音痴な歌声。
お兄ちゃんも、自分でわかってるのか。頬を赤らめている。
そこへ、名切さんも加わる。
「ハッピーバースデー、トゥユー」
そして二人で、
『ハッピーバースデー、ディアちはるー ハッピーバースデー、トゥユー』
なんだろう。不思議だ。
二人が知り合ったのは、まだ間もないのに。もっとずっと前から知り合ってたんじゃないかってくらい、仲良しで……。
「本当に愛し合っているみたい」
二人が微笑み合う姿を見て、自然とそう呟いていた。




