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恐怖 誕生日会開始
「ニヒッ。どうなってんだ? 一体」
小脇に抱えたプレゼントをチラリ。溜め息をつく。
先日。新一から千春ちゃんの誕生日会のお誘いがあった。
もちろん。「行く」と答えたかった訳だが、そうはいかない。
何せ、最近はグチャグチャだ。何が?
だからあれさ、夏秋のことだったり、あの女のことだったり。
とても千春ちゃんの誕生日を祝うとか言ってられる状況じゃねえ。
なのに、アイツとキたら……。
「バッカじゃねえの! 夏秋のラリってるバージョンとか、魔女とか、狩人まで呼ぶとか!」
とか文句を言っている間に、紅葉家に着いちまったー。
「はあー。どうすっかなあ?」
その時だった。
「おう、遅いぞ! 円口」
玄関が開いて、新一が姿を現した。
「ニヒッ。新一……」
「円口さん、どうも」
傍らの千春ちゃんが訴えるように、こちら見ている。
「じゃあ……」
ゆっくりと、足を踏み入れると、
「今晩は、円口さん」
「フン」
「ッハ!」
ギロリと目線が三つ。さっき混じりに飛び交う。
魔女に狩人に、殺人鬼……。
か、帰っていいですかー!
心の中で叫んでいた。




