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電話 千春
「城内さん。ーーあの、千春です」
「どうした?」
彼女からーー千春から電話が掛かってきた。
先日、教えていたので驚きはしなかった。
それに知っているのは、教会と彼女くらいだ。
「助けてほしいんです」
ストレートな彼女だが、こうもハッキリと頼まれるのは意外だった。
「フン。どうしたんだ?」
再度、問う。
「それが……今度、私の誕生日なんです!」
「ああ……おめで、とう」
「あ。ありがとうございます。ーーいや、そうじゃなくて……」
首を傾げるばかりだ。
今日の彼女は、何かがおかしい。
「その誕生日会なんですけど、私の家に夏秋さんじゃなくて! 殺人鬼のあの人が来るんです! それに、円口さんとか色々……どうすれば!」
「な、何を考えている!」
「私もそう思います。でもーー」
『俺と友達になってくれないか?』
あの男のあの言葉を思い出す。
「兄か?」
「ーーはい」
やはりな。
「わかった。俺も行く」
日時を聞いて、電話を切る。
そして呟いた。
「一体、何を考えている……」
と。




