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新たな影
「どうなっている、これは?」
あの魔女の去り際の言葉が気になって、俺は夏秋双士ーーつまりは、鬼木の人格の宿主であろう男の屋敷に来ていた。そして只ならぬ異変を感じ取って、研究室へと足を運んでいた。
そこで待っていたのが、この惨状だった。
ーー辺りは、電撃で打ち抜かれたかのように、黒焦げている。
それだけではない。
周辺に設置されていたであろう機械も破壊されている。
暗くて、周囲はよく見えないが……。
「フン。一体、何がーー」
その時だった。
足元に人が転がっているのに、気が付いた。
「おい、大丈夫か! おいーー」
女を抱え上げて、様子を窺う。
死んでいる……。
傷害もない。外傷も刺し傷もない。
だが心臓は止まっている。
「……どうなっている? 多重人格、魔具の使い手、心臓破壊、鮮血。どの能力でも、無傷で殺すなど出来はしない。まさかーー」
新たな能力者がこの町に?
「ーー二ヒヒッ」
その時。笑い声が聞こえた。
「誰だ!」
声を荒げてみるものの、誰もいない。気配がない。
「どうなっている?」
そう呟くしか出来なかった。




