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魔女の狩人  作者: 秋
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一つに。躊躇い

「ッハ! 俺の勝ちだ!」

目覚めた時には、悲惨な状態だった。

白かった部屋も、照明が落ちて真っ暗だ。

壁にも床にも至る所に、電撃が直撃したのか。

黒焦げた跡や、窪みなどが出来ている。

そして、身体にもヒリヒリとした感覚がある。

打ち抜かれたのか? まあいい。

「どちらにしろ……俺の勝ちだ!」

そう。そんな中、一番最初に目覚めたのがこの俺だ。

「俺こそが、最強だー!」

叫んでみたものの、応える者もいやしない。

俺のこの勇姿を見届ける者もいやしない。

「つまらねえ」

唯一の観衆であるところの餓鬼どもは……。

「ッチ。気を失ってやがる」

見れば、足元に新一と円口とか抜かした奴らが転がってやがる。

「今なら、殺せるなあ? いとも容易く」

そして、俺は今度こそ「最強にして最狂の狩人」になる。

「ッハ。行くぜ!」

剣先を向けたのは、もちろん。今回の標的である「紅葉新一」。

コイツを殺して、一気に昇格だ!

突き刺す、それだけだった。

俺は、斬り捨てるよりも突き刺して殺す方が好きだ。

相手の急所を的確に突き刺すその感覚が何より好きだ。

それが狂っている、と言われようが構わない。

それが俺だ。そして、今もそうするだけ。

今まで幾度となく、躊躇うことなく繰り返してきた快楽の習性。

なのに……。

『夏秋ー!』

気を失っているはずなのに。コイツの声が聞こえる。

何度も何度も。

それが邪魔をして、剣が止まる。

以前の俺だったならば、もう一人の人格が邪魔することはあった。

だが今の俺には俺しかいない。

なのに、何故、俺が躊躇っている。

「ッハ。そうか、そういうことか……」

苦笑気味に笑う。今はそれしか出来ない。

「こんなに簡単にコイツを殺せることを躊躇っているんだ。そうだ。それしかねえ!」

刀を鞘に納める。

「命拾いしたな? ――次はねえ」

俺は、そう言い残してこの場を去った。

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