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喜び
「フフ。まさか、ここまでなるなんて……!」
驚いた。驚いた。もう笑わずには、いられない。
視線の先の彼を愛おしく、慈愛に満ちた眼差しで見つめる。
鬼木と対峙することは、彼が死ぬかもしれない。そんな危機的状況にも拘わらず、私は微笑んでいる。
「思い付きもしなかった……傷付けることで、能力が向上するだなんて」
鬼木に斬られる度に、彼の傷口の再生速度が上がっている。つまりはそういうことだ。
「これで、私の願いが……」
そんな中、視界の端に邪魔者が目に入る。
「あの子……」
円口とか言った子が、電撃の装置を止めようとしている。もし電撃を止めてしまえば、鬼木の人格は今の段階では消えてしまうかもしれない。
「それは困るわ。今、良いところなんだから!」
瞳に魔力を通す。赤き瞳で見つめるのは、
「停止ボタンにしてあげる?」
その瞬間。
停止ボタンが破裂して、電撃が一気に飛散する。
「フフ。さあどうしますか? 新一さん」
私は、じっと彼を見つめた。




