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緊急事態
「ニヒッ。どうなってやがる!」
先ほどまで無造作に飛び出ていた起動スイッチが、今やガラスのカバーに覆われて、しっかりと守られている。
「っく!」
拳を固めて、何度も打ち付けるが、ビクともしない。それどころか……。
「こっちの方が保たねえ」
血で染まった拳を見つめる。
しかし……。
「新一……」
傍らでは、新一が絶叫を上げている。
俺だけ、諦める訳にはいかない。
「とにかくコレを押せば、あの電撃は止まるんだ……このガラスさえ壊せれば」
その時だった。
「フフ」
と女の笑い声が聞こえると、
「だったら壊してあげる。ガラスもボタンも、あなたたちの友情も」
「え?」
その瞬間。
魔女の姿が脳裏に浮かび、バッと振り向くと、ガラスが割れ、停止ボタンが爆発した。
すると、今まで夏秋一点に注がれていた電撃が、部屋中に飛散し始める。
「どうなってんだよ、これ!」
電撃の行方を追うと、
「まさか!」
新一に直撃しそうになる。
俺は慌てて、
「新一!」
と駆け出していた。




