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目覚め
「夏秋ー!」
「ニヒッ。来たぜー!」
俺たちの声に気が付いたのか、夏秋がピクッと顔を上げる。
しかし、あの十字架に張り付けにされているせいか動けずにいる。
「あら? 夏秋のお友達の紅葉君に、円口君? でもダメ。今日はダメなの。
邪魔、しないでくれるううううううううううううう!」
そう言って、夏秋の母親が起動スイッチを押した。
その瞬間。
夏秋の身体に電撃が迸る。
「円口!」
「ニヒッ。おう!」
円口が、母親の脇をすり抜けて、機械の前に立った。
驚いたことに、その足の速さは、人間の域を超えている。
「円口……っく!」
その時だった。
円口が背中を見せた瞬間。
母親が、ナイフを取り出して、円口へ向ける。
「っく!」
咄嗟に間に入ったのが、幸か不幸か。
脇腹に刺さった。
「あなたたち、まさか……」
「新一、お前、傷が……」
ナイフを抜かれた瞬間から、傷口がみるみる修復していく。
それを見て、母親がガタガタと身体を震わす。
「もしかして、あなたたち異端者? じゃあ、私じゃ、太刀打ち出来ない……。
フフ、クーハアっハッハ!」
そう言うと、白衣のポケットから小型のボタンを取り出して押す。
すると、夏秋の拘束が解けた。
「夏秋!」
しかし、
「ッハ! 俺は鬼木双士だ!」
刀を手に奴が現れた。




