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標的
「フフ。後はどう殺してあげようかしら?」
屋根の上。お月様を見上げながら、全員の顔を思い出す。
「円口さん、夏秋さん、千春さんに、狩人さんたち。そして何より……」
彼の顔を思い出した瞬間。自分の表情に笑みが消えたのがわかる。
それでも、続けなければ……。
「新一さん……」
落胆が襲いかかる。
どうして?
「私は、あの狩人とは違うのよ!」
月を睨みつ付けて、そう呟いた。
でも彼のあの言葉を振り切れなかった。
「愛している? まさか……」
いつものように「フフ」と笑えずにいた。




