不穏
「友達か……」
昨夜。狩人の男、城内武に提案したこと。我ながら馬鹿だとは、思ったが、正しいことだとも思った。
でも実際にはーー。
「難しい、かな?」
結局。昨夜には、彼から答えを貰うことは出来なかった。そう簡単に出る答えではないことはわかっている。
でも……。
「何とかしないとな」
視線を上げる。
「おーい、夏秋!」
「あっ、新一。ーーおはよう」
大人しくそう言って、微笑んだのは夏秋だった。
パット見、女の子のような柔らかさの彼は、円口と同様、俺の数少ない友達だ。
「そう言えばさ、俺と夏秋が友達になったのっていつだっけ?」
「一年前だよ。ーーどうかしたの?」
「いやあ、友達になりたい奴がいるんだけど、どうしたもんかと……というか、高校生にもなって何を言っているんだろうな? 俺」
苦笑する俺をじっと見つめていた夏秋だったが、
「新一なら大丈夫」
優しく微笑んだ。
「新一なら、誰とでも友達になれるよ」
「いや、でも俺、友達少ないし」
「それは、新一が作ろうとしていないだけだよ」
見透かされたようで、ドキッとする。
苦笑で孵すのが精一杯だ。
それを見てか。夏秋は、それ以上、何も言ってこない。
ーーただ。
「でも、その人が友達になったら教えてね?」
「え?」
目の前にいるのは夏秋なのに。
まるで別人のようなその姿に、身体が固まる。
「ーーちゃんと確認したいから」
優しいはずの夏秋の笑顔が、不気味に見えたのは見間違いだろうか。




