保育園に行こう! ~真帆子の場合 爽涼の場合~
昨日思いついたことを書き殴ったら、こうなった。
どうなった。意味不明になった。
三十路も理想も関係ないところの話
はい、回れ右して別の話を読みに行きましょうw
4月某日 今日から新しい生活が始まる。
ここで、二つの家族の姿を見てもらいたい。
~辻家~
入園式から、ずっと娘が保育園には行きたくないと言っている。
「真帆ちゃん、ほら、お友達が待ってるよ。」
「友だちいない!知らない子!」
はじめての集団生活。知らない場所で、知らない大人と、知らない子どもばかりの場所に1人放り出されるのだ。
入園式の時に、あまりの人の多さに真帆子はずっと泣いていた。
「困ったわねぇ……。」
母親は保育園にどうにか真帆子を入れることができたものの、求職中で仕事にはまだついていなかった。
「今日はお休みにして、ママと遊ぼうか!」
そう母親が言うと、真帆子は嬉しそうにうなずいた。
次の日こそ、真帆子を保育園に連れて行こうと思う。
「やだ、真帆子おうちがいい!ママもおうちにいるもん!」
母親は痛いところを突かれる。やっとのことで入ることのできた保育園。だが、こんなにも泣く娘を無理やり連れて行かせてまで、仕事をすべきなのだろうか……。
こんなに泣いていたら、先生にはご迷惑だろうし、もう少し、もう少しだけ一緒にいてあげよう……。
そんな日々が続き、真帆子は入園から2週間ずっと母親とともにいた。
~池中家~
「ほら、爽涼。明日からはお兄ちゃんだな!友だちたくさん作ろうな!」
父親がニコニコしながらそう言った。
「やだ。友だちなんていない。ボクお兄ちゃんじゃなくていい。」
「何を言ってるんだっ!お兄ちゃんはいいぞぅ。小さい子はかわいいんだぞ!お兄ちゃんかっこいいんだぞ!」
「いーやーだーーーー。うぇーーーーんんん」
泣きながらも、父親に抱きかかえられて保育園まで連れてこられた爽涼。
「よろしくおねがいします。」
父親は泣く息子に後ろ髪をひかれつつも、どうにか笑顔を作り担任の保育士に爽涼を預けた。
「はい。いってらっしゃい。…パパもがんばってくるんだって、爽涼くんもがんばろうね!」
保育士は暴れる爽涼をなだめるように抱きかかえながら、部屋の中へ入って行った。
4月半ば。
~辻家~
母親は仕事先が見つかり、泣く真帆子を連れて保育園に来た。
「いーやーーだぁぁぁぁうぇーーーーーんんんんん」
泣く真帆子を見て、動揺しながらも仕事に向かった。
仕事中も娘のことが気にかかってたまらない。
泣いてないかしら、ご飯はちゃんと食べているかしら。今日は早退させてもらおうかしら……。
お迎えの時、やはり真帆子は泣いていた。そんな日が続いた。
あぁ、やっぱり駄目だった。この子はずっと泣いていたんだ。かわいそうに。やっぱり仕事はやめた方がいいかしら、あぁでも…。
「辻さん、今日はね。みんなで一緒に外で遊んだんですよ。お母さんを見て安心されて泣いてしまいましたけど、日中は泣かずに過ごせるようになってきていますよ。もう少しの辛抱ですよ。真帆子ちゃんもがんばってますからね?」
「でも、ご迷惑でしょう?この子、本当はずっと泣いてたんでしょう?」
「そんなことないですよ。大丈夫です。真帆子ちゃんははじめての集団生活ですもの。誰だって不安になります。わたしたちにとっても毎年恒例のことですし。……実はね、最初はこんな風に泣いて拒絶されていたのが、少しずつ笑顔になって過ごしてくれるようになるのが、わたしたちの喜びなんですよ?」
保育士は内緒の話、というように微笑んで言った。
「ほら、あの子を見てください。あの子もね、最初はずぅっと泣いていたんですよ?」
そう言って、指し示す先には爽涼ともう一人の金髪の男の子がいた。
「あの子も、真帆子ちゃんと同じ年少さんから入った子なんですけどね。毎日通ううちに段々と慣れてきて、ほら一緒にお友達と遊んでいるでしょう?」
爽涼と男の子は何やら真面目な顔で話をしたり、笑いあったり、そしてともに遊んでいた。
「一緒にいるお友達は6か月から入園された子で、この保育園の年少さんでは一番の古株ですね。あの子も最初はずぅーーっと泣いていたんですけど、今ではほらすぐに新しいお友達と仲良くなれるんですよ。だから、お母さん。最初は辛いかもしれませんけど、がんばりましょうね?」
そう、なんだ。うん、真帆子も頑張ってるのよね。じゃあ、母親のわたしが先にくじけちゃだめよね…!
そう思って母親はそれから毎日真帆子を送って仕事に行った。
毎日行くようになって、2週間もすると真帆子は泣くこともなく
「ママ、いってらっしゃい!お仕事がんばってね。」
とまで言ってくれるようになった。
すぐに離れて行ってしまう真帆子に少しのさみしさもあったが、友だちと仲良く遊んでいる姿が見られるのはとてもうれしかった。
あ、真帆子がお友達と遊んでる。この間先生がおっしゃっていた6か月の頃からいる金髪の男の子。彼と遊んでいる。
寂しい思いもありつつも、母親は微笑んで娘と別れて仕事に向かった。
母親が去ってから、子ども同士の会話・・・。
「いいかい、まほーつかい。親には心配をかけちゃいけないぞ?大好きなんだろう?」
「うん、ゆうしくん。真帆子、ママ大好き!」
「うんうん。じゃあ、今日も元気に遊ぼうな。あ、そうりょ!おはようっ!今日も父親と一緒に来たんだな!」
「あ~、ゆうしくんだぁ。うん!パパは今日も元気にお仕事に行ったよ!ボク泣かなかったよ!」
「うんうん、偉いぞ。そうりょはがんばってるな!まほーつかいも、がんばろうな!」
「うん!でもね、ゆうしくん!」
「うん、なんだ?」
「わたし、まほーつかいじゃなくて、真帆子だよ?」
「………なに!?まほーつかいじゃなくてマホー子だったのか!?」
「マホー子じゃなくて、真・帆・子!」
「ぬぅ、いや。きっと大きくなったらおまえたちも記憶がよみがえるに違いない。そして、勇者の僕とともに魔王を倒しにいくんだ!なぁ!魔法使い!僧侶!!」
「え~?だからまほーつかいじゃないっていってるのにぃ。もぅ、ゆうしくんったらぁ。」
「あはは、やっぱりゆうしくんはおもしろいなぁ。」
~保育士~
「先生。ユウシくん。ちょっと変わった子だけど、なんだかんだ言ってみんなのリーダーですよねぇ。」
「……えぇ、お母様が外国の方だからかちょっと不思議なしゃべり方な時があるけど、面倒見のいい子ですねぇ。」
「変わった子ですけど。」
「えぇ、変わった子だけど……。」
勇者は今日も戦っております(笑)
注意:保育士は決してMではありません。
暴れられて、泣かれて、嬉しいわけではないのです。その先にある笑顔があるので、にっこりと受け入れているのです、たぶん。
入園式から数日は泣くのは毎年恒例。むしろ、最初に豪快に泣いているとすぐになれるものなのです。
我慢して泣かなかった子の方が慣れるのが遅いこともあります。
ただ、どちらにしても毎日毎日通うことに意味があり、泣いても怒って暴れても、最初は通い続けることで慣れていきます。
泣くからかわいそう、保育士に迷惑…。
本当に子どもを集団生活に慣れさせてあげたいと思うなら、是非お父さんお母さんがぐっと歯を食いしばり、子どもを連れて行ってあげてください。
休みがちだと、なかなか他の子たちとも慣れにくく、会話にも、話題にも、行事にもついていけなくなります。
最初が肝心要です!がんばりましょう!
とかいいつつ、三十路転生の深咲は幼稚園拒否して、小学校から集団生活を送ることになりましたけどね。
深咲、けっこう苦労したと思いますよ。
集団生活に慣れる という目的としては保育園というのは良い環境だとおもいますよ。
……変な言葉とか覚えて帰っちゃいますけどね、いろんな環境で育ったこどもたちが集まっているわけですし。
保育士の…口癖…とか…「どっこいしょ」
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。