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くりえいとっ!  作者: 甘藤甘太朗
第1作
2/6

#1-2

なにはもあれ今日、僕は新たな一歩を踏み出す!!



つもりだったのに・・・


「ごらぁぁぁあ!!とまれやあぁぁぁ!!!」


「ひいぃぃぃぃ!?まだ追いかけてくんの!?」


全力で自転車を漕いでいる僕は、何故か登校中明らかにその筋の方に追いかけまわされていた。

何故か、というか原因は多分・・・


「おいそこの馬面!!とっとと諦めて家に帰れ!!」


「頼むから静かに乗ってるか即刻自転車から降りてくれないか!?」


元凶は迷うことなく荷台に乗っているこいつだ。

暴言を浴びせられた男は顔を真っ赤にして更に僕たちとの距離を縮めてきた。

こっちは二人乗りとはいえ自転車であっちは走りだ、ドンだけ早いの馬面!?


なんでこんな面倒なことに僕が巻き込まれてしまっているかというと・・・



それは僕が一人で登校していると、学校から少し遠い場所にあるコンビニの辺りで誰かが言い争っているところを見かけた。


普通ならスルーするんだけど、口論していたのは大柄な男(馬面)と僕と同じ高校の制服を着た、女子生徒だったから、少し驚いて自転車を止めて遠巻きに見ていた。


そこで無視して登校しておけばよかったのだが口論を繰り広げていたの彼女が僕の視線に気づいて

こちらに向かって走ってきて僕にこう言った。


「おいそこの冴えない男子!!あたしを乗せて早く逃げろ!!」


その声は馬面にまで聞こえてしまったらしく、こっちに走ってきてしまった。

僕は見なかったことにしよう馬面から逃げてきた彼女を置いて逃げようとしたのだけど


「あたしを置いて逃げたら学校中にお前が見て見ぬふりしたって言いふらすからな!!」


もう僕の逃げ道はどこにも無かった。



そして今に至る、もう十分以上は逃げているのにまだ馬面男は追いかけてくる。

馬面の体力が半端ないのもあるけど、単純に僕たちが減速しているのだ。


もうだめだ、と思ったとき、後ろに乗っている元凶少女が自分の鞄の中に手を入れ、何かを探し始めた。


「ね、ねぇ君!何してんの!!?」


「あのポニーフェイスをぎゃふんと言わせる為の準備よ、あとあたしは吉野工美よあんたは?」


「僕は渡瀬創!ねぇ吉野さん!!馬面をぎゃふんとって何か策があるの!?」


「もっちろんよ!二度とあたしに近づかないようにあいつに恐怖を味あわせてやるわ!!」


自身満々にそう言い放った吉野さんは豪快にも自転車の荷台に立ち上がった。

吉野さんの手には黒いソフトボールサイズの玉が握られていた。

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