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くりえいとっ!  作者: 甘藤甘太朗
第1作
1/6

#1-1

物心が付いた時には僕は自分の手で、自分の作りたい物を作っていた。

親に教えられただとか、誰かの真似とかではなく、気づいたときに作ることが好きになっていた。


外で遊んでいたら、何の変哲のない木の棒で木刀を真似てみたり、砂場で遊んでいれば、必ず周りの友達の砂山よりデカいのを作っていた。


小さい頃から何かを自分の手で「作り出す」ことは僕にとっての生き甲斐なっていた。

アニメや漫画にも多少は興味はあった、でもそれ以上に何かを作ることが僕は大好きだった。


小学校の図工の授業では先生の話はそっちのけで自分の思うがままに好きな物を作っていたし、中学に上がれば「美術」に加え「技術」の教科が増えたので、僕にとって美術と技術の授業がある木曜日は学校がある一週間で一番幸せな日になった。


僕が通っていた中学には、図工部や技術部なんていう部活動はなかったので、三年間何の部活動にも所属せず学校が終わればすぐに帰宅して、家に帰れば工作に没頭した。

仲の良い友達も居なかったわけではない。(多分・・・)


休日に何人かで遊びに行くこともあったし、特に仲が良くて趣味も合った友達とは二人で一人じゃ作るのが難しい物を作ったりした。

しかしそれも中学2年生までの話だ。


中学3年生になれば皆受験に向けて勉強に身を入れだした。工作が三度の飯よりも好きな僕も例外では無くしぶしぶ勉強する羽目になった。


親が勉強しないで工作ばかりに精を出すのに痺れを切らして強攻策に出たのだ。

工作の時に使う器具を取り上げられたり工作専用の部屋に鍵を掛けたりしたため、勉強せざるおえなくなった。


しかし工作ばかりに没頭していたことが災いして、3年の2学期の成績はオール2で

学年最下位の評価だった。

絶望の淵に追いやられてしまった僕は、この成績でも入学することができる高校を必死になって探した。


そんな中、1つだけ入学できそうな高校が見つかった。

「岐阜私立快星高等学校」

広大な土地を持つ岐阜県に学力だけではなく、専門的に秀でた者を育てる為に3年前に創立された真新しい学校だ。


その高校を詳しく調べて僕は嬉しさのあまり真冬の夜に半そで・半ズボンで奇声を上げながらダッシュしたくらいだ。

その高校には普通科を加え、2つだけだった、でも2つ目の学科が僕にとっては望みに望んだ所だった。


「創作科」

その科の名前を見ただけで、僕はそこを受験することに決めた。

鷺ノ宮高校は他県にあったが、幸いなことに祖父母が鷺ノ宮高校のすぐ近くに住んでいるので、合格したら祖父母の家に住まわせてもらえることになった。


先生や両親も半ば僕の高校入学を諦めていたので、僕がここを見つけた時は泣きながら喜んでいた・・・。

・・・。何はともあれ僕は快星高校に合格し、尚且つ自分の好きなことができるというダブルハッピーに恵まれた。



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