17話 幕間Louder Than War(戦争より静かな場所)
この作品はフィクションです。
政治的な意図は一切ございません。
新章始まります。
新章のあらすじです。
(1958-1959)
舞台は1958年、キューバ革命クライマックス
。
たった300人の反乱軍が、6000人の政府軍に挑んだ「サンタ・クララの戦い」
。
武器は銃ではなく「ラジオの声」。
現代のSNS戦争を先取りしたような情報戦の果てに、ふたりの英雄が見たものとは。
そして、アメリカという巨大な飼い主に対して、彼らが牙を剥く瞬間を描く、男たちの友情と別れの物語。
【2001年 ハバナ / カール・マルクス劇場】
老いた私の前で、イギリスから来たロックバンドの男たちが、ひどく緊張した面持ちで立っていた。
マニック・ストリート・プリーチャーズ。
西側のロックバンドが、このキューバで初めて大規模なライブを行うという歴史的な夜だ。
ボーカルの男が、恐る恐る口を開く。
「フィデル閣下……今日のライブは、かなり大音量になります。あなたの耳障りになるかもしれません」
何が閣下だ......
私は74歳になった重い身体を椅子に預け、彼らを見上げた。
若者たちがギターを抱えている。何かを叫ぼうとしている。
その姿が、ふと、40年前の記憶と重なった。
私は小さく笑い、彼らに告げた。
「構わんよ。……どれだけ大きな音を出そうと、戦争よりうるさくはならないだろう(It won't be louder than war)」
その言葉を口にした瞬間、劇場のアンプのノイズが、私の鼓膜の奥で別の音へと変わっていく。
真空管の焼ける匂いが、硝煙の匂いへ。
2001年の静寂が、1958年の轟音へ。
そう、あれは――。
まだ私が「閣下」ではなく、ただの反乱軍の司令官だった頃。
300人で6000人に挑んだ、あのサンタ・クララの死線だ。
新生『キューバ』誕生を描きます。
でも、このイギリスバンド、その後しれって、アルバムのタイトルにLouder Than Warにしたそうです。
このバンドは、Google先生いわく、今の日本だとイエモン(THE YELLOW MONKEY)さんや、アジカン(アジアンカンフージェネレーション)さんくらいのポジションのバンドらしいです。
よろしければ、ブックマーク/感想/★で応援してもらえると励みになります。




