前へ目次 次へ 40/63 抽象的な月が照らす暁 抽象的な月が照らす暁 足元の地面に這う虫のように この世界の隅っこで ちょこまかと迷ったり 始終、立ち止まったりしている 小さな人生の主人公 つまり俺が 感じる小さな憤りや違和感は ただ遷ろう影のようなものでしかないのだろうか やがて象徴的な太陽が昇り やがて象徴的な朝が訪れて 抽象的な月の元 中途半端な俺を取り巻く中途半端な闇は やがて消え去り 俺が感じたこの感慨も やがて意味を失う 強いタバコに火をつけ 吹き出した煙の影を追う 金曜日の暁