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記録 3
僕に見えているもの。
あの子に見えているもの。
それぞれがあれば、きっとたどり着ける。
僕が当主になる。
それだけを夢見てきた。
目指してきた。
だって。
それが、夢なんでしょ?
自分がなれなかった当主に、自分の子供がなること。
ここに残ること。
親の夢を叶えるよ。
それが僕にできる親孝行だと考えるから。
子供は親を愛しているから。
親の喜ぶ顔が嬉しくて。
知よりも。
地よりも。
値よりも。
血の繋がりが一番でしょ?
だから僕はあの子と一緒に、頑張るよ。
僕は僕のやり方で。
夢を叶える。
そうしたら、僕を見てくれる?
僕を呼んでくれる?
僕を。