第1幕 よくある異世界転生?
「ん、ふふふふふ、今日も美しいなレカリア様は。」
俺は暗い部屋のモニターの前でぼそぼそとつぶやいた。
俺、高校二年の月舘 遼也は休日を謳歌するように朝から、自分の部屋でゲームをしていた。
俺がやっているゲームは、マジカルキューピットという、ヒロインたちが主人公と親密になり、主人公の絆の力を借りて、悪の組織と戦うといった内容のゲームだ。
俺は、そのゲームのヒロインの一人であるレカリアとというキャラが大好きだった。レカリアは、いわゆるドS系ヒロインで、普段はクールだが主人公と親密になるたびに、その本性が現れ、主人公を愛するとともにそのドSが増していく。、ギャップのあるヒロインである。
俺は、このヒロインを愛している。
そして、ゲームのモニターに映るレカリアをニマニマと見ていると。
ピロン...
とスマホの通知が鳴り、画面を確認する。
「やべっ、もう出なきゃ。」
俺は急いで、着替え、外に出る準備をし、家を出た。
今日は、マジカルキューピットの限定グッズの発売日、もうすぐショップの開店時間が迫っていた。おれは、急いではしった。
そして、ショップ前の信号までたどり着いた。よりによって赤信号だ。
俺は、まだかまだかと信号が変わるのを待っていると、
ガオオォォォーーー
と大きな音とともに、大きなトラックが目の前に近づいていた。
俺のこの世界の記憶は此処で途切れている。
「きみ、きみ、大丈夫かい...」
どこからか、男の声が聞こえてきた。
俺は、意識が朦朧としながらも、その声に気が付き、意識が戻ってくる。
俺は、確か引かれたのか、と思いながら少しづつ目を覚ます。
まぶたを少しづつ開き、視界が少しづつ開けてくる。
あぁ、知らない天井というやつだろうか、青い空と金髪のイケメンがいる。
ん...空?...イケメン?
その瞬間、俺は、バッと目を開き、目覚めた。
「何処だここは!」
と叫びながら、首を振り周りの状況を確認する。
だが、まだ訳が分からない。とりあえずわかることは、森の中の様な場所で、俺は、上半身をイケメンの手に支えられていた。
「あぁ、気づいたんだね、良かった。」
と急に、イケメンが話しかけてくる。これは夢だろうか、よくわからないが男に抱かれいている。もしかして変な事でもされたのかとあやふやな状態で想像する。
そして、次の瞬間、
「俺に、ふれんじゃねぇぇぇぇ。」
と立ち上がる勢いを加えた拳で殴ってしまった。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ。」
という叫び声をあげ、イケメンの顔が拳でつぶれた後が吹き飛ぶ。まるで、テニスボールを壁にぶつけたスロー映像の様だった。
その奇声で俺は、完全に意識を取り戻し、夢じゃないことに気が付き、自分がやってしまったことに気が付く。
落ちてきたイケメンに、仲間のような男女三人が心配しながら急いで駆け寄った。
俺は、急いで悶絶しているイケメンに近づき、
「やべぇ、す、すまねぇ。大丈夫か。意識が朦朧としてて、わけのわからないままやちまったんだ。」
と謝罪する。
コスプレ集団か何かだろうか、イケメンとその仲間の格好はまるでアニメやゲームで見る、ロープレのパーティのような恰好をしている。
だが、そんなことよりもイケメンを助けるのが先だ。
「あんた、なんてことするのよ!」
と水着のような服を着た変態のような女が俺に怒ってくる。
「はい、すいません。殴る気はなかったんです。」
と反射的に何度も頭を下げ謝る。
それと同時に、魔導士のような恰好をした女が、イケメンに向かって、
「エクスキュラン。」
と唱えると、緑色の光がイケメンの頬を包む。
俺は、それを見て、
「は、え、はぁ、な、なにそれ。」
とイケメンの頬を指さして動揺していると。
するとイケメンが、
「いいんだローナ、この可憐なお嬢さんが無事でよかったじゃないか。」
「で、でも」
と話している。
お嬢さん?何言ってんだこいつ?と思いながら、イケメンが無事だったことにはぁと息を吐き、胸を撫でおろすと。
フニィッッッ
とした感触が手に当たる。
俺は、それにビクッと後ずさりし、恐る恐る、下を見ると、
大きな起伏が二つ、自分の胸についていた。
俺は、その瞬間、大量の冷や汗をかき始めたとともに、
「なんじゃこりゃああああああああああああああああああ」
と大きな声で叫んだ。
読んでいただきありがとうございます。
これから、連載小説として更新していこうと思います。
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