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二日目 太陽神ハ・ラー

「いやいや、太陽の破壊なんて出来る訳ないでしょ! 何言ってんの君達!」

 謎の男が架橋と梯子に話し掛ける。制服を着ていない。おまけにスーツや他の衣服も来ていない。つまり、生徒や教員ではない。さらにいえば、何も来ていない。全裸だ。

「「変態だああああああああああああああああああああああああああ‼」」

 と架橋と梯子が同時に叫ぶと、その声を聞きつけた生徒や教員が「何事だ⁉」「何か全裸の人いる‼」と興味と心配のカフェラテで押し寄せてくる。

「うーん、鬱陶しいなあ。お前ら、きーえろっ☆」

 不審者は手から炎を出し、野次馬を全員焼き尽くす。

「うわ、青葉かよ! 逃げるぞ架橋!」

「やべえ! 逃げよう梯子!」

 架橋と梯子は取り敢えずその場を去ろうとするが、

「待ってよー、ちょいと話があるんだってば」

 焔の錬金術師が追い掛けてくる。

「うるせえ殺人犯! 今月のニュースは大谷とお前の二刀流だよ!」

「じゃあ、これから話すことで三刀流に格上げするかもね」

「うるせえ! お前と俺達とじゃ一本一本の刀の重みが……」

「それにしても君達足速いね。まあ俺のが百次元速いけど」

 恐らくハッタリではない。体力に自信のある架橋と梯子の全力疾走に、この男は余裕そうに軽く付いて来る。

「話があるんだってな! 用件を簡潔に述べろ!」

「走りながら?」

「走りながらだ! お前は信用ならん!」

「そうだなあ。まず、君達が言ってた『太陽の破壊』だけど。それされると俺は困るんだ」

「何で?」

「俺は太陽の化身。太陽神ハ・ラーだから」

 太陽の化身。だからこれほど体力があり、先程の魔法のような現象を起こしたというのか。考えてみたら、全裸のまま二人が駄弁っていた学校の屋上に突如出現したのも十分おかしい、十二分狂っている。

「そして君達が体力あるのは、俺からの加護を得ているからなんだ。生まれながらね」

 太陽神の加護。確かに架橋と梯子は、生まれながらに身体能力が高く、思考力や発想力にも恵まれている。所謂『神の子』という訳か。選ばれし子供達という訳か。

「そしてこの学校にもう二人いる。脚立さんと電信柱くん」

 その二人とは、架橋も梯子も交流がある。同じく保育園からの付き合いで、何だかんだずっと一緒にいる。思えばこの二人も、架橋と梯子同様才能溢れる逸材だったように思える。それが太陽神の加護か。それが選ばれし子供達か。

「色々腑に落ちたが、アンタは俺達に何をしたい? 何が言いたい?」

「うーん。太陽の破壊をやめてくれ。俺が死ぬから。あと、君達も俺からの加護得られなくなるよ?」

「それは困るな。俺達は自分の能力に誇りを持ってるから」

「だろ? それに壊しても良いことないよ。大体想像つくだろ? 太陽がない世界。闇だよ闇」

「そうだな。まあそこまでして壊す意味もないよな。なあ架橋?」

「……」

 架橋はしばし思考する。深い深い思考。そして結論を導き出す。

「太陽神ハ・ラー。お前を殺す」

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