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スノードロップ  作者: 白崎なな
第5章、戦争
32/46

32。軍師月

ノアが宣戦布告を受け取り、自分たちの勝利の時の戦利品について明言した。



ジルが、"今は、先ほどの音で火事が起きていないかを見てくる。なので、明日の朝から開始にしよう"と言った。



はたを含めた4人は、先に部屋から出ようとした。


そこにエマがテーブルに置いてたフォークを手に取り、4人に投げつけた。


『お前らなんかに、絶対負けない。』



さすがは双子というべきか、エマの動きと同時にニーナがナイフを片手にぎょくに向かってきた。



ぎょくは、右足を軸にして左足をさっと引き伸びてきたニーナの腕を右手でぐっと握る。



そして、ひじにある手三里のツボに親指を入れ腕を下に引っ張る。



『勝手に動かない方が良いと思いますけど。』




『チッ。お前を殺すのは、あたしかジルがやる。』



『ニーナ。』

ジルが名前だけを呼んだ。それに全て込められているかのような言い方だった。


その言葉で、ニーナは腕から力を抜きノアとジルのいる窓際へ戻った。


『それは、楽しみですね。…それでは失礼します。』



そうして、4人は部屋に戻ってきた。




部屋に入るなり荷物からいつも使っているインカムをつけて、それぞれと連絡をとろうとした。




コンコンコンッー

「……失礼します!第一部隊桜井です!」




そう言って扉が開かれたその先に、桜井と共にすいが入室してきた。



翠娘娘すいにゃんにゃん、先ほどの音はなんの音でしょうか?」



「実は、雲嵐うんらんが航空機を見つけたと無線が入ったの。その航空機には、翼の下に弾薬の大きなものが付いていたそうよ。」




「せ、戦闘機……ですね。」



「ええ、おそらく。ということで、爆破してもらったの。あんなに危険なもの放置はしておかないでしょう?」



「そうなのです、ありがとうございます。あと、問題はへりこぷたあと呼ばれる機体ですね。」




「それについては、ぎょくが得意分野でしょ?今から行ってきて。」




「軍部の武器庫ね。了解。」



「桜井は、第二部隊の永井と第三部隊の豊永を連れてきて。」




「御意。」



しんは、ここに残って進軍をどうするか話すからしっかり聞いてて。」



「うん、わかった。」



ゆえは、アルタイアの地図を広げた。

"ちょうどここの軍の建物と鳳凰木の森との間に空間があって……"と、作戦を練り始めた。



コンコンッー

「「失礼します!」」



そうこうしているうちに到着をしたようだった。


「第一部隊〜第三部隊で縦割りで3つに編成をしたい。」



「それは、第一部隊を3つに分けるということですか。」



「うん、そういうこと。ひとつは、銃撃戦ができる人を集めて。」



「それは、ぎょく様、ゆえ様、しん様にそれぞれ着いていくということですね。」



ゆえは、こくりと頷いて返事をした。



ゆえの返事を見て三部隊の隊長が名簿を出して、振り分けをした。



「…そうしたら、私たちは鳳凰木の方面から軍部の方面に向かう形になる。」




「しかし、今いるここは軍部です。」



「でも、相手の国で起こされる戦争なのよ。

皇室を守る形を向こうはとるでしょう?」




「そうなりますね。」




ゆえ、そうすると12字の方角に鳳凰木。

6時の方角にへりこぷたあ。

3時の方角に図書館と街。9時の方角に軍部と皇室。という呼び方になるんだね?」




「そうだね。9時の方角に向かうのはしん。軍部方面からは、体術も強い人が多いから。


3時の方角には、私。市民が住む地域になるから、おそらく銃撃戦は少ないと思う。


今いないけど、6時の方角にはぎょく。武器庫方面から攻めてくるから銃撃戦が予想される。」




ぎょく様側は、すぐにリロードが可能なように弾薬を置けるようにしましょう。」




「そうね。それと、銃撃部隊は念の為に銃と短刀を所持したいって。おそらく銃社会だから良いと思うけど、近距離戦になった時に少しでも有利に働けるようにね。」




「御意。」




「後ほど、私からぎょく様にはお渡ししますが…新しい無線機が出来上がりました。

以前よりは少し改善されていると思います。」




「ありがとう。ーそれと、翠娘娘すいにゃんにゃん…師は、今どこにいらっしゃいますか?」




「航空機を爆破させたあと、そのまま皇室側の港に行っているわ。私たちは、鳳凰木の隣の港に停めてるの。あなた方の船もそこに停まっていたよね?」



「はい、そうです。それなら、師は師で皇室に乗り込むと思いますし任せましょう。」




翠娘娘すいにゃんにゃんは、危ないですから船を鳳凰木の裏に止めて船いてください。そして、もし身の危険を感じたら狼煙を使ってくださいね!」




「分かったわ。幸運を祈ってる。」




「ありがとうございます。……畑国長はたくにおさは、私ときてください。同じ刀を扱う者ですし、一緒に動いた方が良いと思います。」




「そうですね、さすがはゆえですね。」




「!い、いえ。ありがとうございます。」



ーードンドンドンッ



「おそらく、ぎょくですね。しっかりやってくれてるでしょうね。

ところで、桜井?この新しいインカムは、古いものとは話せないの?」



「はい、新しい物同士になってます。」



「ちゃんと、母上と父上には新しい物を渡してあります。あとは、ぎょくに渡すだけです。」



「きっと今頃、連絡が通じないって思ってますよ。」





「そうだろうねえ、悪いことをしたかな。」



「……なんか、畑国長はたくにおさゆえ……前より仲良くなった?」




しん、関係ないこと言わないの!」




「あ、あぁ、ごめーん!作戦、実行だね!」



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