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スノードロップ  作者: 白崎なな
第5章、戦争
31/46

31。火蓋を切る

静かな時間が流れていたのを破ったのは、ジルだった。

大きな音を立てて椅子から立ち上がった。


そして、テーブルをぐるりと周りを歩き何も言わずに、扉から出ていった。



(え?何も言わずに退出するなんてことある?

しかも、あんなに大きな音を立てる必要ないのに。)



『ジルはニーナを呼んで来ると思う。悪気があったわけではないんだ。』




『無言で立ち去るので、驚きました。

……それよりも、この宣戦布告書は受け取ってくださいますね?』



『受け取らないといけないんでしょう。

龍元りゅうげんまで、絡んできていると言うのに。』 




『そうですね。』




『あなたたちは、ぎょくさまを、最大限使えてない。

それなのに、より良い生活、もっと利用価値があるところに引き渡すよりも。自分たちの利益のために利用したい。そう言うことですね。』





『いえ。それは、違います。』



『どこが違うのかわからんな。』



『分かりませんか?』



『……』

『…………』


はたが珍しく怒りをあらわにして、ノアの顔を見つめた。




『…戻りました。エマ妃とニーナだ。

一卵性双生児だから、顔がほぼ同じ。目の色が2人とも紫と赤で珍しい。

エマ妃は、右目が紫。ニーナが左目が紫。


なんだか、双子でなければどちらかの色で産まれてきたかのようだね。』



『ニーナ様……あなたの子供がニーナと言う名前の彫られた紫水晶を持って来ました。

それは、私に対して何か伝えたいことがありましたか?』




『話は聞きましたよね。あたしから話すことは何もない。』






『そうですか。』





『アイランと連絡がつかなくなりました。

正体に気づいたと言うのでしょう?それなら、もうおまえらの知っての通り。』




『アイランは、そちらと連絡をとっていないのですか。』




『……どうかな。』




(今、華楽からくにいるのは特殊部隊だけ。

ちょっと変わってる人たちでらあるけど、おそらくしっかり見張っててくれてるよね。)



ーーーードッーーンッーゴゴゴ……

急に大きな音が聞こえた。


『な、なにごとだ?』



『分かりませんが。おそらく音のした方角からすると、滑走路ですね。』



ボディガードがはたを守るように近づいてきた。


(自然な流れだ。だけど、彼が動いたということは、この音は龍元りゅうげんによるものってことね。)



そして、はたが3人に目配せをして口パクで"来た"と言った。



(やっぱり。……そして、見つけた戦闘機を即座に考えて実行できるあたり……流石は師というべきか。なんというか。)



『なるほど。ーー開戦をしようか。

こちらが勝ったら、ぎょくはアルタイアに。

そして、龍元りゅうげん華楽からくはアルタイアの国に吸収する。』




ノアは、はたのことを指を刺した。


ーーー戦争の幕開けだ。

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