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がっかりしていたんだ

作者: 七瀬渚


 一人きりになる度に

 一息つこうとする度に

 ぽろりと零れる言葉はいつも同じ

「疲れた」「疲れた」

 そればかり


 ある日やっと気が付いた

 私の言う「疲れた」って「がっかり」なんだ


 変わらない現状にがっかり

 伝わらないもどかしさにがっかり

 自分ばかりつらい気がしてがっかり

 自分のことばかりな自分にがっかり


 ああもう沢山だ

 そんながっかりがぎゅうと集まる

「疲れた」の一言にはそれらが凝縮されている

 気が付いたなら何かが変わる?

 何も変わらなかったらまたがっかり


 それでも頑張るのは何故だろう

 涙目で前を見つめるのは何故だろうな

 自分にそれほど期待してないのに

 このままじゃ嫌なのは何故だろうな


「疲れた」「疲れた」

 また言うんだろう

 がっかりするから言うんだろう

 だけどそれだけじゃない

「疲れた」「疲れた」

 同じ言葉でも

 違ったふうに響くものがある


 清々しさが後に残る 悔いはないと言い切れる

 がっかりじゃないやつがある

 それを知っているから頑張りたいのかも知れないな


 がっかりじゃないやつを言いたいな

 疲れてもいいからさ

 ご褒美のパフェでも目の前に置いて

 心ゆくまで羽を休める頃には

 ありきたりな「疲れた」だって

 多少はマシに響くんだろう

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「疲れた」は、たしかにがっかりした時に多く出てしまう一言ですよね。でも、同じその言葉も、時に清々しさや、やり切ったという達成感が交じることもあって。そうした瞬間を知っているから、また味わい…
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