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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0891 UHS連合軍

 今までのウガヤナ王国の討伐隊は普通の軍隊の力攻めで、タルギオス王国の連中もそれなりに戦う事が出来たが、今回は基本的に俺の考案した戦闘方式を取ったために全く違う結果となった。

その新しい戦闘方式のためもあって、ヘンリーを討伐隊長にしたのだ。

 この事により、自分たちが他人を襲う事はあっても、逆に自分たちが襲われる事などは滅多にないタルギオス族は、初めて一方的に襲われる事の恐ろしさという物を知ったようだ。

 

 各集落に到着すると、宣戦布告をした後にまずはタロス部隊の強襲から始まる。

タロスは人型、鷹型、狼型の3種類に分かれ、その数は3000以上にも及んだ。

人型2000体はまず遠距離からそこらへんにある石を投げ始める。

石が無ければ棒切れでも瓶の欠片でも何でもだ。

合計が何千というタロスが次々に物を投げてくればそれだけで脅威だ。

そして鷹型タロス500は上空から襲い、狼型タロス500は突進して相手に噛み付く!

人型タロスは近づけばもちろんケンタウロスと格闘戦だ!

殴る蹴るはもちろん、タロスによっては棍棒や剣を使って攻撃をする。

ケンタウロスたちも果敢に討伐隊と戦おうとはするものの、こちらは基本的にジャベックに指揮をさせた上で、直接の相手はタロスにさせて、人間は後方で魔法と飛び道具、及び空からの遠距離攻撃だ。

そのために主力を侍と魔道士、竜人としたのだ。

この連中なら全員がタロスを出せるからだ。

そして圧倒的物量差で攻撃をするので、いかに相手が戦闘力の高いケンタウロスと言えど、一方的に数を減らして行く事になる。

そしてこちらは基本的にタロス以外の被害は無い。

タロスの補充などは翌日になればいくらでも出来るし、いざとなれば魔力回復剤もある。

例えるなら相手が全員屈強な軍人の集団に対して、こちらはいくらでも大量生産が可能な無人戦闘機や無人戦車で攻撃をするような物だ。

いや、消耗するのは基本的に魔力だけなので、それ以上だろう。

一応逃げる者は追わず、降伏する者は受け入れる方針で襲撃をしているものの、今までの報告では全ての者が戦うか逃亡して、降伏した者は一人もいないようだ。

ただし逃げ遅れて捕虜になった者はわずかにいた。

その捕虜はウガヤナ王国まで連行され、そこで強制的に奴隷として登録して首輪をつけられると、水と食料を与えて開放した。

奴隷の首輪をつければ現在位置がわかり、その奴隷がどこかの集落へ戻れば、新たな襲撃場所が判明するからだ。

この方法はかつてないほどに効率がよく、タルギオス族の集落が次々に判明し、討伐隊によって揉み潰された。

そしてその集落にあった物は当然全て焼き払うか持ち帰り、平人や獣人の奴隷などがいた場合はウガヤナ王国まで連れ帰り開放した。

もっともこの場合の奴隷というのは単に連れ去られて強制労働をさせられていた人々で、奴隷魔法などはかかってないので、単純に町へ戻して開放するだけだ。

最初ウガヤナ王国の人々はせっかく捕まえたタルギオスの連中を処刑もせず、わざわざ水と食料まで与えて逃がすのにはかなり不本意だったようだが、それによって攻撃目標地点がわかるのだと説明されて、実際にそこを次々と攻撃すると考えが変わった。

その効率の良さはウガヤナ国王はもちろんの事、作戦に同行したガッファール王子自身すら驚いたほどだ。


 最初は相手の数も多かったので基本的に10部隊合同で行っていた討伐だが、5回目の遠征で相手の本拠地の存在が判明し、6回目の遠征でその場所が確実にわかったので、7回目の遠征ではついにその本拠地を叩く事となった。

この時はそれまでは遊び半分で随行していた戦闘顧問のアラベルとアランが本気になった。

何しろその気になれば、一人でうちの討伐軍を全滅可能なほどの二人だ。

当然ながらその攻撃は凄まじく、ウガヤナ王国・ホウジョウ連合軍は圧勝し、さすがに本拠地を失ったシュバル王を始めとしたタルギオス王国の連中は散り散りとなって、その後の遠征はほぼ掃討戦に近い物となった。

 さらにこの時は、奴隷商人も同行させていたので、捕虜となったケンタウロスたちは全てその場で奴隷となった後に逃がされた。

ケンタウロスたちはそれが俺たちの作戦とも知らずに儲け物とばかりに各所へ逃げていった。

そしてその結果、残りの集落が次々と判明し、討伐軍によって陥落していった。

何しろケンタウロスの集落は壁や柵などの防御はないので、一方的に攻められる事になる。

いや、そもそも自分たちが攻められるという前提が無かったので、攻撃する側としては楽だった。

逆にタルギオス王国の本拠地だった場所は、大きなオアシスで近くに迷宮まで存在したために、ホウジョウ軍とウガヤナ王国の連合軍に摂取された。

そして「ドンカルマサ」と命名されたその場所は、大量の工作部隊が送り込まれて土塁と煉瓦によって防御を強化され、一大防衛基地となった。

この時点でヘンリーは討伐隊司令官を退き、軍事顧問となり、討伐司令官をガッファール王子とした。

そしてこれ以降は全部隊行動ではなく、2部隊か3部隊単位での討伐行動となった。


 さらにその後、非常に友好的なケンタウロスで、セントール族という人々と出会ったと報告があった。

噂だけでどこにいるのかわからないとされていた友好的なケンタウロスが存在したのだ!

その報告を遠距離通信映像ジャベックでヘンリーから聞いた俺は驚いた。


「それで?そのセントール族とか言う連中は本当に友好的なのかい?」

「はい、私たちも実際に数日間、彼らの集落に留まり交流して生活をしてみましたが、実に友好的で何も問題はありません。

最初は我々を騙すためにタルギオスの連中が芝居をしているのかとも考えましたが、ホウジョウ様も御存知の通り、連中は芝居をするという頭すらありませんから。

それにセントールの人々は文字も読み、一部には魔法を使う人々もいます」

「たしかにね、わかった!

ではヘンリーたちが問題ないというのであれば、そのセントール族の人々と友好関係を結んで良いと思うよ」

「承知しました。

彼らは今までタルギオス族にかなり被害をこうむっているようなので、我々を歓迎しています。

友好的関係は彼らも望む所のようです」


 ヘンリーから報告を受けた俺はそのセントール族とも友好条約を結び、ウガヤナ王国、ホウジョウ子爵、セントール連合軍を再結成し、さらにタルギオス族を追い詰める事にした。

この条約により編成された軍は正式名称を「ウガヤナ王国・ホウジョウ子爵領・セントール族連合討伐軍」と呼称されて、略称を「UHS連合軍」もしくは単純に「UHS」と言われるようになった。

そして次第に相手の規模も小さくなってきたので、もはや全部隊が合同で行動する事はほとんどなくなり、各部隊が2部隊か3部隊に分かれて砂漠を旅してタルギオス族の集落を探し、襲撃をするようになった。

さらに俺は実験の一環として、俺の考案したある新兵器をヘンリーに試してもらう事にした。

それはいわゆる戦車チャリオットと言われる物だ。

地球でも古代の戦争に使用されていた物だが、その改良型をヘンリーに託したのだ。

それは鋭角的な馬車で全体が金剛杉の黒い車体で出来ていて、馬型タロスが後ろの荷台を引き、その荷台には弓銃クロスボウと長槍を装備したラボロが乗っていて、相手を攻撃する。

しかも車輪と連動する回転鋸まで装備していて、横に来た相手を切断までするえげつない代物だった。

大アンジュの防衛用に作った物だが、実践で試すのと人馬一体であるケンタウロス相手にもそれが通用するか知りたかったのだ。

結果は大成功だったらしく、戦車はタルギオスたちに対して絶大な効果を果たし、圧倒的な強さでタルギオスの連中を駆逐したらしい。

戻って来たヘンリーからその報告を聞いた俺は、この戦車チャリオットも防衛用に大量生産をする事にした。

 そしてその結果、相手も次第に砂漠の奥地へと追いやられ、討伐隊が出撃し広範囲を探索しても相手に遭遇せず、空振りで終わる事が多くなってきた。

この頃には遅まきながらタルギオス族たちも奴隷となった連中が一緒にいると、自分たちの居場所が俺たちに知られるのがわかったようで、奴隷の首輪をしている者が戻ってくると、自分たちの集落から追い出すようになったからだ。

彼らは仲間からも見放され、行く場所もなく、砂漠で野たれ死んで行った。

そこまでになっても敵に投降し、相手に服従をするという選択をしなかったからだ。

それに伴い、当然ながら交易隊商への襲撃も激減し、オリエント・リモからの進入なども、無くなって行った。

もはやタルギオス族にそんな余裕など無くなったからだ。

特にウガヤナ王国より西側ではタルギオス族は壊滅した。

オリエント・リモからウガヤナ王国までの範囲は完全にUHS連合軍の勢力範囲内になったからだ。

もともとウガヤナ王国から西側の砂漠は盗賊などもほぼいなかったので、大アンジュからウガヤナ王国までは魔物と砂嵐以外はほぼ危険は無くなり、多少規模の小さな隊商でも安心して砂漠の旅が出来るようになって来た。


討伐軍とファウジーヤ王女の活躍の詳細は、外伝「菓子職人と砂漠の王女」をご覧ください。


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