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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0803 ハムハム1号2号の遺言状?

 俺は他の用事でロナバールへ行くついでにハムハムたちを連れて行き、ケントたちやサイラスたちにV3を紹介した。

V3を見たケントが興味深そうに話す。


「ほほう、これは面白いジャベックですね?ホウジョウ様」

「はい、ハミルトン隊長!

今後ともよろしくお願いします!」

「ははは、こちらこそよろしくな!V3。

何かの時には一緒に仕事をしような」

「はい、その時を楽しみにしています」


そしてサイラスたちもV3を見て感心する。


「なるほど、これほど小さなジャベックに魔道士の能力を盛り込むとは、さすがはホウジョウ様ですね」

「ああ、その点は結構苦労したよ。

普通はこんな小型のジャベックに魔道士水準の物を仕込むなんて無理だからね」

「このV3は量産するつもりはないのですか?」

「いや、それはないよ。

ただ、もしかしたらこのハムハム強化ベルトは簡略化して、チルン用に量産して販売するかも知れないな。

但し、V3用のダブルベルトは強化しすぎるだろうから、販売をするつもりはないけどね」

「なるほど」


そして屋敷に戻ったハムハムは俺に尋ねる。


「なあ、シノブ!ちょいとここの迷宮でも訓練をして来ても良いか?」

「ああ、もちろん構わないぞ。

但しV3はまだ慣れてないから気をつけてな」

「はい!大丈夫です!おやっさん!」


そしてハムハム、ムサビー、V3はロナバール南西の迷宮へ訓練に行こうとしていた。

西の新地街出口から迷宮へ向かいながら3匹は話をする。


「さて、それじゃ気合を入れて迷宮で訓練をするか!」

「そうですね、我らの新しい機能を確認しなければなりませんからね」

「先輩方!お願いします!」


しかしここでハムハムがロナバールから西に伸びている真新しい道路に気づく。

どうやらそれはまだ建設中で、開通はしていないようだ。


「おや、こいつはなんだ?

確か以前はこんな場所に道路なんて無かったはずだが?」

「ああ、これは御主人様が今度新しく作ると言っていた例の道路でしょう」

「なるほど、ちょっと面白そうだから見てみるか?」

「そうですね、我らの飛行訓練のためにも少々道沿いを飛んでみますか?」

「賛成です!先輩!

俺もお供しますっ!」


そして3匹がしばし道に沿って空を飛んでいると、何やらおかしな集団を見つける。


「おや?あの連中はなんだ?」

「道路を作っているようには見えませんね?」

「ええ、何をしているんでしょう?」


そしてその集団をしばらく観察していたハムハムが叫ぶ!


「おい!あいつら、この道路を壊そうとしていないか?」

「どうもそのようですね?」

「先輩っ!止めましょう!」

「おうっ!行くぞ!ムサビー!V3!」

「「 はいっ! 」」


空を飛んでいた3匹はその連中の前に舞い降りる!


「おいっ!お前たち!

そこで一体何をしている!」


ハムハムがそう叫ぶと、片手がハサミになっている赤い豹か虎のような怪物が叫ぶ。


「ぬう、見たか!

我らはガストロン道路破壊部隊ジャベック!!

俺の名はシザース虎!

これを見られたからには生かしてはおけぬ、ハサーミ!」


そしてもう一匹の背中に投石器のような物を背負っている亀のような怪物も叫ぶ。


「見た者は殺す!

俺の名はタートル投石器!

それが我らが受けた使命カメ~!」


それを聞いたハムハムたちは驚いて名乗る!


「何だと!我々はホウジョウ子爵直下の遊撃部隊だ!

俺の名はハムハム1号!」

「私はハムハム2号ことムサビー!」

「私はハムハム3号、V3!

公共道路を破壊するとは許せん!

ガストロンよ!覚悟しろ!」


しかしそんなハムハムたちをその連中は相手にする気はないようだ。

ハムハムとムサビーを鑑定したタートル投石器が笑いながら話す。


「ふははは!レベル60に70か!

その程度では二人掛りでも俺様には勝てぬわ!」


そしてシザース虎は戦闘員をけしかける。


「お前たちなどどうでもよいわ!

ここは任せた!

戦闘員どもよ!そいつらを始末せよ!」


その言葉と共にそこにいた黒い人型のジャベックたちがハムハムたちに襲い掛かる!


「キーッ!」

「よし、では行くぞ!タートル投石器!」

「おう!急ぐぞ!シザース虎!」


そしてその場を黒いジャベックたちに任せると、その亀と豹の怪物たちは逃げ出す。


「あっ!待てっ!

V3!ここは俺たちに任せて奴らを追え!」

「はいっ!ハムハム先輩!」


V3は二人を追いかけるが、しばらくすると赤い豹の怪物が振り返ってV3に襲い掛かる!


「しつこい奴め!

これでも食らえ!ハサーミ!」

「ぬう!」

「我がガストロンの攻撃を受けてみろ!」


V3も応戦するが、まだ戦いなれしていないせいもあって、動きが鈍い。


(私にはまだV3としての本当の力がわからない!

はたしてシザース虎とどの程度戦えるのか?)


そのV3の様子を見たシザース虎が勝ち誇ったように宣言する。


「ハムハムV3はその能力に戸惑っている。

V3恐るるにたらず!」


そこへハムハムからの声が聞こえる。


《聞け!V3!》


(ハムハムさんの声が聞こえる!)


《ハムハム同士は遠く離れても意志が通じ合えるんだ!》


(そうか!)


そしてハムハムとムサビーの指示で途端に動きが良くなるV3。


《そこでキックだ!》

《反転しろ!パンチ!》


ハムハムとムサビーの助言により、V3の攻撃が次々と決まり、シザース虎は次第に追い詰められて、ついには投げ飛ばされて転落する。


「ぐわー!ハサーーミィ!」


その叫びと共に爆発するシザース虎。


「勝った!」


しかし喜ぶV3にムサビーが話す。


《まだです。惑わされてはいけません!シザース虎は逃げました!》


ハムハムも助言する。


《腰のハムハムホッパーを使え!》


V3は腰に手をやるとベルトの横についていた筒のような物を手にして打ち上げる。

ヒューン!と音を立てて空高く上がった筒型探査ジャベックが、上空から周囲を探索する。

ムサビーがホッパーの説明をする。


《ハムハムホッパーは500メル上空から10カルメル四方を映し、あなたに映像が送られます》


その映像によりV3は相手の位置を把握する。


「よし、わかったぞ!」


そしてV3は空を飛んでシザース虎に追いつく。

しかしV3を目の前にしたシザース虎は得意げに話す。


「ハムハムV3!ガストロン道路破壊部隊の計画はすでに完了したのだ!

まぬけ!」

「なんだと!」

「まもなく道路破壊工作部隊の自爆魔法が作動する!

貴様が行こうとしても間に合うまい!」

「間に合わないとどうしてわかる!」

「破壊作戦はロナバール近辺!

そして爆発するのはタートル投石器だ!」


それを聞いたV3が笑う。


「ははは・・・・」

「狂ったか、ハムハムV3!」

「抜かったな!シザース虎!

ハムハム3号、すなわちV3!

ハムハム1号2号とは常に魔法念話で通信出来るんだ!

今の会話はハムハム1号2号に筒抜けだ!」

「何だと!」

「この声を聞いてすでにダブルハムハムは現場へ出発している!」


《そうだV3、俺たちは現地へ急行している》


そう言いながらタートル投石器を追いかけるハムハムとムサビー。

そしてV3がシザース虎をあざ笑うように話す。


「俺を罠にかけるはずが逆になったな!」

「くそ!かかれ!」


戦闘員に囲まれるV3。

そしてシザース虎が得意げに話す。


「もう逃げられんぞV3!」

「おのれ!シザース虎め!」

「ハムハムV3最後だ!死ねっ!」


ここでハムハムがV3に助言をする。


《ハムハムV3、ダブル魔石の魔力を全開にしろ!》


「よし!V3ジャンプ!

行くぞ!シザース虎!」


そして魔力を全開にしたV3が魔法を放つ!


「V3ダブル中位火炎呪文デュアル・フラーモ!」


V3の両手から放たれた2つの中位火炎呪文デュアル・フラーモがシザース虎を襲う!


「おのれ!V3めぇ!ハサーミ!」


ドコーン!!


ついにV3の攻撃で爆発するシザース虎。


「勝った!しかしこのままでは1号2号が危ない!」


一方、ハムハムとムサビーもタートル投石器を追い詰めていた!


「タートル投石器!貴様にこのロナバールの平和は乱させん!」

「それが私たちの任務です!」


しかし二匹を相手にタートル投石器は余裕だった。


「ばかめ!貴様ら二人では俺に刃が立たんのを忘れたのか!カーメェ!」

「いかん!

このまま戦っていてはタートル投石器の自爆魔法が作動するぞ!

何とかしなければ」

「ハムハム!新型高速道路はあと1分で破壊する!カーメェ!」

「よし、ハムハムの全魔力を出すんだ!」

「はいっ!」


一瞬の隙をついてハムハムとムサビーはタートル投石器を両脇から抱きかかえ、海岸方面へと飛び立つ!


「ええい!離せ!離せっ!」


海岸からさらに沖へ向かう二人に抵抗をするタートル投石器。

それでも離さない二人にタートル投石器が嘲笑しながら話す。


「俺の自爆魔法が作動するぞ!」


次の瞬間、タートル投石器が爆発する!


ドカーーン!


すでにハムハムとムサビーによって、かなり沖合まで連れ出されていたタートル投石器が爆発し、海上にキノコ雲が上がる!

その爆発を呆然として海岸から眺めるV3。


「ハムハムさぁん!

 ムサビーさぁん!」


シザース虎を片付けて現場へ急行し、一人遠く海を眺めたV3が呟く。


「あなたたちの事は忘れません!」


そのまましばらく海に向かって立ち尽くしていたV3の前に、ヨロヨロとしたハムハムとムサビーが海から上がってくる。

全身ずぶぬれで、濡れネズミのようになった二人がV3に突っ込みを入れる。


「いや、生きてるっつーの!」

「簡単に我々を殺さないでください」

「ハムハムさん!ムサビーさん!

無事だったんですか!」

「爆発の勢いでここまで飛ばされて海に落ちたんだよ」

「ええ、確かに強化ベルトが無ければ、危ない所ではありましたけどね」


・・・・・・・・・・・・・・・・


そして俺は3人から報告を受けていた。


「・・・ふぅん、そんな事があったんだ?」

「ああ、大変だったぜ!シノブ!」

「ええ、危ない所でした」

「どうやら道路建設反対派か、道路を通して貰えなかった領主の嫌がらせ工作のようだな。

今後もっと警備を増やして警戒を厳重にしよう。

3人とも、ご苦労だったな」

「それがよろしいかと思います、シノブ様」

「敵はますます強くなるでしょう!

おやっさん!もっと俺を鍛えてください!」

「そうだな、機会があれば、それも面白そうだな」


どうやらV3は今後も俺の想像した以上の活躍をしてくれそうだ。



次は炎を操るイカ型ジャベックにV3を襲わせたい所ですが、抑えておきましょう(笑)


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