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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0765 銀竜たちの後始末

おとなしくなった銀竜たちに俺は命令を出す。


「よし、次はお前たちが持っている金貨や銀貨を全部出せ!」

「は?」

「は、じゃない!

これだけ人の町を壊して侘びだけですむと思っているのか!

お前たちが町の修繕費を出すんだよ!

これだけ派手に壊したんだ!

ちょっとやそっとじゃすまないぞ!

さあ、さっさとマギアサッコを開けて有り金を出せ!

町の復旧費とお前たちのせいで怪我したうちの住民の治療費と慰謝料と侘び代だ!

大金貨、金貨、大銀貨、銀貨を全て出すんだよ!

銅貨は勘弁してやる!

拒否する奴や隠す奴は、今から全部鱗を剥いでやるからな!

覚悟しろ!」

「「「「「「 はいぃぃっ! 」」」」」」」


銀竜たちは慌ててマギアサッコを開けて金貨や銀貨を出す。

どうやら隠した奴や逆らう奴はいないようだ。

それは中々の枚数になり、後で数えてみたら金貨で8000枚分以上にもなった!

流石は銀竜と言った所か!

特にシルヴァーナの奴は大金貨だけでも300枚以上も持っていた!

こんにゃろう!結構な金持ちだったんだな!

おかげでショーナンの町の予算にはかなりの余裕が出来ただろう。

そして怪我をした領民たちへの医療費と見舞い代金もこれで十分にある。


「ミルキィ、モーデルを呼んでこの金貨や銀貨を数えて役所の金庫に入れておいてくれ」

「はい」


ミルキィが役所へ向かうと俺は銀竜たちに再び命令する。


「さあ、次はお前たちが壊した建物の瓦礫を片付けるんだ!」

「えっ!?」

「当たり前だろ!

お前たちが壊したんだからお前たちで片付けろ!

本当は修復作業までやらせたい所だが、それは有り金全部よこしたので勘弁してやる!

それにお前達に修繕させようとしても、どうせ出来ないだろうからな!

だからせめて瓦礫の撤去だけでもやれ!

さあ、さっさとやれ!

お前たちが崩した物をあっちの町外れの広場まで持って行くんだ!

もし逃げたりしたら追いかけて角をへし折った上で、鱗を全部剥がしてやるからな!

シルヴァーナは羽までむしってやる!」

「ひぃぃ!」


震えたシルヴァーナたちは素直に瓦礫の片づけを始めた。

どうやらこれ以上暴れる事はないようだ。


「豪雷、疾風、こいつらを見張って、逃げたり怠けたりしたら、容赦なく捕まえて鱗を剥がしてやれ!」

「はっ!かしこまりました!」

「承知!」

「ああ、それとヘンリーとイロナ、俺が剥がしたそこら辺に散らばっているシルヴァーナの鱗を集めておいてくれ。

こんな奴のでも、一応銀竜の鱗だ。

マイオスの組合にでも持っていけば,それなりの値段で引き取ってくれるだろう。

それもこいつの侘び代の足しにしておこう」

「はっ、承知しました」

「それからこいつらがまじめに片づけをしないで、豪雷と疾風に鱗を剥がされたら、それも一緒にな」

「承知しました」


それを聞いていた銀竜たちは、震え上がってまじめに瓦礫撤去をしているようだ。

これでもう暴れたりはしないだろう。

そう判断した俺は、避難していた伯爵たちに声をかけた。


「まったく、これから帰るという時にお騒がせしましたね。

でもこれで大丈夫です。

どうか安心してお帰りください」

「いやはや、それにしてもホウジョウ子爵とその配下の方々には驚きましたな!

先ほどの竜人たちの話によれば、あの銀竜たちは我が領府サンドロスさえ半日もあれば破壊してしまうとか・・・

それほどの銀竜を物ともせずに全て倒してしまうとは実に大した物です!」

「ええ、しかもあの銀竜たちはゴルドンさんたちの話では銀竜の中でも一番の精鋭だとか・・・

我らの軍に例えれば近衛兵のような者なのでしょう?」

「まあ、そうでしょうけど、問題はないので大丈夫です。

今回は最後の最後でお騒がせして申し訳ございませんでした」


謝る俺に伯爵は笑って答える。


「何の!別にホウジョウ子爵が悪い訳ではありませんからな!

それに中々興味深い物が見れて、むしろ面白かったですぞ!」

「まあ、おじい様ったら・・・でも本当に凄かったですわ。

ホウジョウ子爵は銀竜を同時に三人も相手にして、あっと言う間に片付けてしまったのですからね。

さすがオリハルコン等級クラスの組合員でいらっしゃいますね」

「ええ、これにこりず、また何かの折にはどうかお立ち寄りください」

「うむ、何かの時にはまた訪問させていただきますぞ!」

「ええ、私も・・・」

「ええ、それではお元気で。

あ、もし今回の事で万一、銀竜がそちらへ何か言って来たら、すぐに私の方へお知らせください。

善処いたしますので」

「うむ、子爵の御心遣いありがたい。

その時はよろしくお願いしますぞ」

「はい、ご安心ください。

そうそう、お渡しした「海鮮御膳」は早めにお召し上がりください」

「うむ、それも楽しみにしておりますぞ」

「ええ、私もです。

マギアサッコに入れておいて、明日の昼か夕餉にはいただきますわ。

それに色々と他のお土産もありがとうございました」


俺が伯爵一行に渡した「海鮮御膳」とは二段重ねの重箱で、上段には鯛の御頭付きの焼き物に、海老やホタテの天ぷらにイカシュウマイと紅白蒲鉾、下段には野菜とタコの煮物、黒豆と高野豆腐に赤飯のごま塩をつけた物と栗御飯、そして卵焼きを入れておいた。

まあ日本で言えば昭和の頃の結婚式の引き出物で、持ち帰り用の祝い膳みたいな物だ。

俺も子供の頃、親が誰かの結婚式に行くと、そういう物を持って帰って来る事が多かったので、それを結構楽しみにしていたんだよね。

それを再現して見た。

最近の引き出物は祝い物カタログが主流で、あれは自分が好きな物が選べるので、それはそれで良いと俺も思うのだが、やはり引き出物の御馳走はワクワクもんだ!

正月のおせち料理の評判も良かったし、そういうのはこちらの世界でも同じだと思って作ってみたのだ。

一応ナイフとフォークもつけてあるが、箸とその使い方、それぞれの食べ方を書いた紙も料理の一覧の紙と一緒に入れておいた。

二段弁当は伯爵とクレオさんだけだが、豪華な幕の内弁当のような物は、御付の人たちの分も渡しておいた。

それと紅白の鶴の子餅や日本酒などの土産類もだ。


こうして伯爵とクレオさんはサンドロスへと帰って行った。

俺たちが伯爵たちを見送っている間も銀竜たちはおとなしく瓦礫の撤去作業を続けていた。

そして日も傾いてきて、片付けの終わったシルヴァーナたちに俺は最後の説教をする。


「よし、これで今回は勘弁してやる!

だがもしまたこんな事をしたら次は許さないからな!

その時はお前たち全員の鱗を全部剥がすだけじゃなくて、逆にお前たち銀竜の里を俺が襲ってやるから覚悟しろ!」

「ひっ!」

「わ、わかりました!」

「もう二度とこのような事はいたしません!」


どうやら今回の事でかなり銀竜たちも恐れ入ったようだ。


「ああ、いいか!

それとお前たち!「銀竜八騎衆」とか言ったか?

この事に限らず、今後主人が馬鹿な事をしようとしたらそれを諌めろ!

ただ主人の言う事を「はいはい」と聞いているだけが良い部下じゃないぞ!

今度シルヴァーナがここを襲うなんて言ったら必ず注意して止めろよ!

あ、ここだけじゃなくて、どこの町や村でもだ!

いいな!

どこかの平人や獣人の町や村が銀竜に襲われたと聞いたら、俺がそこへ吹っ飛んで行くからな!

そしてお前たちの仕業とわかったらただではおかないからな!

間違ってもそんな事はするなよ!

わかったか!」

「は、はい!」

「わかりました!」

「今後はシルヴァーナ様をお諌めいたします!」

「うん、では今日はこれで帰ってよろしい!」

「はい、今回は申し訳ありませんでした!」

「うん、わかればよろしい!

あ、帰る前に全員、これを持って行け!

シルビア!」

「はい、どうぞ」


そう言ってシルビアが銀竜たちが作業している間に用意しておいた肉まんとあんまんの10個詰め合わせと紅白の鳥の子餅、そして伯爵のお供の皆さんに道中で食べるように渡した豪華幕の内弁当と同じ物を大きな紙袋に入れて渡し、さらに日本酒を一本ずつ、それぞれの銀竜に渡して行く。


「これは・・・?」


驚く銀竜たちに俺が説明をする。


「まあ、今回は領事館の完成を祝っての祝賀会で目出度い時なんで、迷惑をかけにきたお前たちと言えど、何ももてなさないで帰すのも、私としては少々気が引けてな。

それにお前たちには今後の復興費も随分と余計にもらったからな。

だから少しは土産を用意してやった。

今日はそれを持っておとなしく帰れ」

「はい、ありがとうございます」

「ああ、それと最後にライレーンさんとライラの事だがな。

お前たちは信じられないみたいだけど、これを見てみろ」


そう言って俺は自分のマギアサッコからライレーンさんとライラの鱗を出して銀竜たちに見せる。

それはすでに傾いて夕日に近いラディに照らされて虹色にキラキラと光る。

その大小2枚の鱗を見た銀竜たちは息を呑んで見つめていた。


「それは間違いなく、ライレーン様とライラ様の鱗・・・」

「ああ、確かに間違いない・・・」


驚く銀竜たちに俺が説明をする。


「これを見れば少なくとも私がライレーンさんとライラの知り合いだと言う事はわかるだろう!

ライラが私の部下かどうかはともかくな!

それで納得しておけ!」

「はっ!それは間違いなく、ライレーン様とライラ様の鱗!

わが銀竜一族でも族長のアルギュロス様しか所有していない物!

これで少なくともあなた様がアルギュロス様と同格である事はわかりました!」

「はい、大変失礼しました!」


しかしシルヴァーナはそれでも信じられないようだ。


「ウソ・・・でしょ・・・

そんな・・・ライレーン様の・・・」


放心しているシルヴァーナにゴルドンが渇を入れる。


「まだわからないのか!シルヴァーナ!

それともこちらのホウジョウ子爵がお前にしたように、まさか無理やり子爵がライレーン様やライラ様の鱗を剥がして来たとでも言う気か!」

「あ・う・・・」


何も言えないシルヴァーナに配下の銀竜が諭すように話す。


「シルヴァーナ様、どうやら我々が間違っていたようです。

ここはホウジョウ子爵に謝罪もした事ですし、おとなしく帰りましょう」

「・・・・」


よほど衝撃を受けたのか、その部下の言葉にもシルヴァーナは放心状態で言葉がない。

そんな銀竜たちに俺がうなずいて促す。


「ああ、それが良い。

さあ、今日の所は帰りなさい」

「はっ、では失礼させていただきます。

さあ、シルヴァーナ様」


そういう部下たちに促されながらシルヴァーナたちは帰って行った。

余談ながら後日、この銀竜の内の何人かはあんまんや日本酒の味に取り付かれ、こっそりと人間姿でショーナンまで買いに来ているとブルースたちから聞いて知った。

そしてブルースたちは改めて俺たちに感心したようだ。


「いやはや、天竜のライラ様を部下にしているので、ホウジョウ様が強いのは知っておりましたが、まさかこれほどとは・・・」

「ええ、ライラ様とて、一人ではあの銀竜八騎衆には適わないと思いますわ」

「一体、俺を相手にした時はどれほど手加減をしていただいていたのか・・・

いやはや、今更ながら震えがきました」

「うむ、聞きしに勝るその力、私も感服しました。

どうか我々金竜一族とも今後は友好をお願いしたい」

「ええ、それはこちらからもお願いします。

しかしあのシルヴァーナは銀竜のかなりお偉いさんのようですが、次は銀竜全員で襲ってくるなどという事はないでしょうね?」


その俺の質問にゴルドンは首を横に振って答える。


「それはありますまい。

確かにシルヴァーナは銀竜の族長であるアルギュロス殿の娘ですが、アルギュロス殿は多少頭は固いが道理はわかるお方、娘の言う事を鵜呑みにして行動するような方ではございませぬ。

ましてや銀竜八騎衆が全員やられているのです。

しかもシルヴァーナ以外は、少なくともあなた様がライレーン様と繋がりがある事は理解しました。

今後の行動も慎重になるでしょう。

それと念のために私が今回の顛末をアルギュロス殿に報告をしておきましょう。

これでも私は金竜族の族長の息子なので、その話を聞かないという事はないでしょう。

そうすればまず今後、銀竜たちがここや他の人里を襲うような事はありますまい。

そのような事をすれば、我が金竜一族だけでなく、天竜であるライレーン様やライラ様にまで逆らう事になるのですからな」

「なるほど、それではお手数ですが、その件はよろしくお願いします」

「何の!私も今回は噂のホウジョウ子爵とお近づきになれた上に、突然の訪問にも関わらず、歓待して御馳走までしていただいて真にありがとうございました。

ホウジョウ子爵の今までのお話を直接色々と聞けてとても楽しかったですよ!

しかもこのようにたくさん土産物までいただいてしまい、本当にかたじけない。

こちらこそ今後ともよろしくお願いしたい」


俺はゴルドンにも伯爵とクレオさんと同じ様に海鮮御膳や紅白餅、日本酒などを全て土産物として渡したのだが、それも相当気に入られたようだ。

こうして金竜のゴルドンも去っていった。

これ以降、ブルースたち3人を始めとした三竜人の里の三十数名は俺の配下となった。

そしていきなり大アンジュへ送り込むのもあちらが困るだろうから、しばらくの間は俺の監督の下で平人の環境に慣らす意味もあって、その30数人には、まずはショーナンの軍事施設で平人の常識を教える意味も含めてしばらくは軍事教練をする事とした。

それが終わり次第、警備隊や商店の店員や宿屋の店員など、色々と経験させてみるつもりだ。



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