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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0689 山賊討伐

 青き薔薇ブルア・ローゾの団長補佐であるギルバートから俺たちに連絡が来た。

自分たちでは処理しきれない案件が来たので力を貸して欲しいとの事だ。

俺はロナバールへ行って、ギルバートと一緒に依頼受付でヘイゼルさんから話を聞いた。


「山賊の本拠地制圧?」

「ええ、最近ある場所で勢力をつけて来た山賊がいるのです。

獣人の集まりで、山賊の集団にしては、かなり統率も取れていて、手強いです。

かろうじて死人は出ていないのですが、通りかかった者や商人たちは身包み剥がされるようです。

その近辺は旅人もおちおちと通れないので、市当局から組合の方に討伐の要請が来ました。

ですが、何回か討伐隊を送り込んだのですが、返り討ちにされてしまいました。

そこで青き薔薇ブルア・ローゾの皆さんにお願いしたいのです」

「規模はどれ位なのです?」

「人数は十数人のようですが、全員が狼獣人で、最低でもレベルが100以上の狼獣人の集団のようです。

しかも全員がレベル以上の実力者ぞろいだそうです。

つまり、最低の者でも当組合の二級程度に相当するのです。

特に山賊頭と副頭の実力は少なくとも一級以上と目されております。

おそらくは黄金等級ゴールドクラスと思われます。

昨今、これほど手ごわい山賊はめったにおりません。

しかも何故か平人だけを狙って襲うようで、何か特殊な理由があるのかも知れません。

そこで組合でも今度こそは確実に討伐をするために「青い薔薇ブルア・ローゾ」に要請をしました」


そこまで話を聞いていたギルバートが俺に説明をする。


「そしてさすがにこれは我々では危険な案件としてホウジョウ様に連絡を取ったのです」

「なるほど、わかったよ。

それは賢明な判断だ」


盗賊や山賊などはせいぜいレベル30から50どまりだ。

つまり組合等級で言えば、五級から七級辺りだ。

それが特級相当の山賊とは珍しい。

しかも人数は10人以上だと言う。

確かにこれはギルバートたちだけでは手に負えない。

俺たちを呼んだのは正解だ。

これは引き締めてかからねばならないだろう。

今回は珍しくデフォードも参加する気になったようだ。

不思議に思った俺が聞くとデフォードは笑ってうそぶいた。


「大将も仲間が増えてきたんで、俺の事を忘れ去られないようにな」


デフォードも今では基本的に俺のロナバールの屋敷に住んでいる。

主な仕事は情報収集だが、時々ギルバートたちの事も手伝ってやり、仲も良いようだ。

俺はこそっとデフォードに聞いてみた。


「ギルバートたちにキャサリンの事は話したかい?」

「いや、余計な事を言う必要もないと思って話してないが?」

「そうか、しかし一応今度話しておくか」


 俺たちは万全の布陣を整えて山賊討伐へと向かった。

今回の討伐人員は団長たる俺、エレノア、ミルキィ、シルビア、デフォード、アンジュ、ライラ、豪雷、疾風、それに今回は助っ人に男爵仮面とジャスティス、バロンという堂々たる集団だ。

そしてもちろんギルバートたち6人も参加する。

討伐隊は18人だが、最低のランクがギルバートたちの白銀等級シルバークラスという信じがたいほどの面子だ。

これならば山賊どころか、一つの国でも相手に出来るほどだろう。

まず俺たちが後れを取ることはないだろう。

俺は現地へ向かいながら男爵仮面たちに聞いた。


「男爵仮面とバロンは何故今回の討伐に加わったの?」

「うむ、私はバロンの付き合いでな」

「え?バロンの?」

「実は今回の件は私には少々心当たりになる不安な部分があるのですニャ。

それでホウジョウ子爵たちが山賊討伐に行くと聞いて参加を表明したのですニャ」

「心当たり?」

「むしろそれが当たらない事を私は願ってますニャ」


何だかわからないが、バロンは気になる事があるようだ。


 山賊がアジトにしている古城へ着くと中に入る。

話に寄れば山賊頭はここの最上階にいるようだ。

玄関広間から道が左右に分かれているので、俺が指示する。


「どうやらここから分かれた方が良さそうだね?」


エレノアも賛成する。


「ええ、そうですね?」

「どういう風に分かれようか?」


俺の質問にエレノアが答える。


「そうですね。3手に分かれましょう。

まず、ライラとアンジュ、そしてギルバートたちはここで逃げ漏らしがないようにしなさい。

私と御主人様とゴウライとハヤテ、デフォードはこちらから、バロンと男爵仮面とジャスティス、シルビアとミルキィはそちら側から、お互いに最上階の中央の間へ向かいましょう」

「わかりました」


戦力的にもそれで問題は無さそうだ。

俺が賛成すると、ライラとアンジュはその場に残り、待機する。


「ではここはお任せください。

山賊は一匹たりとも逃がしません!」


そう言うとアンジュは早速30体ほどのタロスを出してみせる。


「うん、よろしく。

但し、殺さずに生け捕りにしろよ」

「承知しました!」

「任せな!御主人様!」


玄関をアンジュたちに任せた俺たちは山賊頭を求めて二手に分かれて上へと向かう。


「探知した所によると、山賊の頭は3階の王座の間にいるようですね」


俺とバロン組はそれぞれ最上階にある王座の間へと向かった。

途中雑魚が何人か出てきて行方を阻むが、当然の事ながら一瞬で終わりだ。

一応、全員殺しはせずに蔦型タロスで捕縛して連れて行く。


やがて俺たちは最上階の王座の間へと到着する。

どうやら俺たちの方が先に到着したようだ。

そこには山賊の頭や幹部のような連中が待っていて、堂々と俺たちに話しかけて来る。


「よく来たな!

お前たち!だがここまでだ!」


なるほど、話に聞いた通り、山賊頭は狼獣人で、それも白狼獣人のようだ。

そう言えば、ここに来る間に捕まえた連中も全員白狼獣人だった。


「なるほど、あいつがここの頭か?

 白狼獣人でレベルは200少々ってとこか・・・

 大将、ここは俺に任せてくれないか?」


そう言ってデフォードが進み出る。


「いいのかい?」

「ああ、しばらくあんたに俺の戦う所を見せてないからな。

レベル200位ならちょうど良い相手だろう。

俺もあんたたちがマジェストンやヤマタノオロチ退治に行っている間に寝ていた訳じゃないって事を見せておかないとな」

「わかった。じゃあ任せた」

「あいよ」


そう言ってデフォードが山賊頭に近づく。


「おい、聞いての通りだ。お前さんの相手は俺がする事になったぜ?」

「はあっ?何だ?そのちっこいのがお前らの親分なのか?」

「なぁに、安心しろ、お前さんなんざ、うちの大将が出るまでもねぇ!

俺で十分よ」

「ほざいたな!

おい、お前ら!手を出すなよ?

まずはこの調子にのった奴を始末してから、そっちのガキを始末する。

いいな!」

「へい、親分!」

「存分に!」

「そっちはどうする?」

「ああ、俺は別にそれで構わないぜ?

どうせお前は俺にやられて終わるんだからな」

「けっ!ほざいていろ!」

「はん!それじゃ行くぜ?」

「おおよ!片手間にやってやるぜ!」


デフォードが飛び掛ると、山賊頭はそれをあっさりと受ける。

速い!

確かにデフォードの動きは数年前と比べて段違いに良くなっている。

しかし相手の山賊頭もそれに負けない速さだ。

レベルはデフォードの方が上だが、相手は狼獣人なので、レベルは多少低くても平人であるデフォードと互角のようだ。

双方が相手の動きや実力に驚いたようだ。

どちらがより驚いたかはわからない。


カキィン!

ジャキッ!

ガキッ!


何回も剣が閃き、お互いを攻撃するが、どちらも相手に有効打を与えられない。

しかしやがてデフォードが戦いながら相手に話しかける。


「けっ!お前、思ったよりやるじゃないか?

見直したぜ!

せっかくうちの大将に俺のいいとこを見せようと思ったのに、これじゃ逆に俺が無様な姿を見せかねねぇ」

「そりゃこっちのセリフよ!

 子分のお前にこんなに梃子摺ってちゃ、山賊王の面子も丸つぶれよ!

うちの子分どもに示しがつかねぇ!」

「仕方がねえ、山賊ごときにここまでしなくちゃならんとは腹立たしいが、背に腹は代えられん。

悪いがお前さん、ここまでだぜ!」

「はっ、俺もそっちのガキやエルフと戦うために隠しておいたが、これじゃ仕方がねえ。

 ちょいと本気で片付けさせてもらうぜ」

「けっ!言ってろ!」


そう言うと両者は飛び下がって距離を取る。

二人は同時に呪文を叫ぶ。


「「アニーミ・ドゥデク・エスト!」」


二人ともタロス呪文だ!

デフォードの方はレンガで出来たような人型ゴーレムで、山賊頭の方は狼獣人のような格好をした灰色のゴーレムだ。

二人とも20体ほどだしている。

しかし、魔法学士のデフォードはともかく、山賊頭まで戦闘タロスを出すとは驚きだ。

この山賊頭はよほど優秀なようだ。


「何っ?」

「けっ!」


双方共に驚いたが、即座にタロスをけしかける。

しかしさすがに魔法に関しては正規の魔法学士であるデフォードに一日の長があったようで、相手のタロスは見る見る内に数が減っていき、次第に相手が追い詰められる。


「うおおおぉ~!」


業を煮やした盗賊頭がデフォードのタロスを自ら攻撃し始めて、やがてお互いのタロスは全滅する。


「ちっ!また振り出しかよ!」

「へっ!そのようだな」


お互いのタロスが全滅して再び二人が対峙した時だった。


「やめるニャ!」


バロンだった。

少々遅れてきたシルビアチームが到着したのだった。

そのバロンの姿を見た山賊頭が驚いて叫ぶ。


「師匠!」

「え?師匠?」

「?!」

「?!」


山賊頭がバロンの事を師匠と呼び、それを聞いてデフォードも驚く。

二人がお互いに顔を見合わせていると、バロンの後ろにいたミルキィが、ツカツカと山賊頭に近寄ると、いきなりその頬を手のひらでパァン!と叩く。


「この馬鹿者!何という事をしているのですか!」


うおっ!いきなりどうした?ミルキィ!

そいつは知り合いなのか?


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