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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0066 サーマルさんとの再会

 それから2週間ほど、俺とエレノアとエルフィールの3人は、あちこちの迷宮で訓練し、ついにエレノアもエルフィールの性能に納得したようだった。


「これ位、学習させれば問題はないでしょう」

「え~じゃあ、もうしまっちゃうの?」


ここ数週間、美女二人に囲まれて暮らしていた俺としては少々不満だ。


「はい、御主人様のベルトの一部にしておきますから、外に出る時は、必ずそのベルトはしてください」

「うん、わかった」


文句を言っても仕方が無い。

俺は素直にエレノアの言う事を聞いてエルフィールを収納した。

こうしてエルフィールは俺の隠し護衛として、人知れず、装備の一つとなったのだった。

この時点で俺のレベルは257、エレノアのレベルは685にまでなっていた。

そしていよいよ俺は治療魔法の習得を始める事になったのだった。


しかし、その2週間の間に、意外な訪問者も訪れていた。

アレフレッドが俺に報告をする。


「御主人様、御客様がいらしておりますが?」

「誰かな?」

「サーマル様と名乗ってらっしゃいますが?」

「え?サーマルさん?

すぐに応接室に通して!」


サーマル村長に会うのは久しぶりだ。

アレフレッドに案内を頼むと、エレノアが俺に質問をする。


「どなたでしょうか?」

「うん、ここから東に行った村の村長さんで、僕がこのロナバールに来る前に世話になった人だよ」


俺はいそいそと仕度をすると、エレノアと一緒に応接室へと向かった。

そこにはサーマル村長だけでなく、息子のマンリオさんとコラージさんもいた。


「こんにちは!いらっしゃい!

 サーマルさん、マンリオさん、コラージさん」

「こりゃ久しぶりです、先生。

いや、驚きましたよ?

オルフォン亭へ来たら、こっちへ引っ越したって聞いて、来て見たんですが

まさかこんな御屋敷の主に納まっていたとは・・・・」

「ええ、あれから色々あって、ここに住む事になったんですよ」

「それにしてもこれは魂消ました」

「今日は多少はゆっくりできるんですか?」

「ええ、ロナバールに来た用事も終わってから来ましたから、特に用事はありません。

食事もこの後、外でする事にしてありますから、後は宿へ帰って寝るだけです」

「そうですか?

 アルフレッド、夕飯は三人前多くは出来るかな?」

「はい、大丈夫でございます」

「では、悪いけど、キンバリーに夕飯を三人前多く作ってもらえるように伝えてくれ」

「かしこまりました」


そうアルフレッドに話すと俺はサーマルさんたちに言った。


「今お聞きした通り、夕飯はうちで食べて行ってください」

「ありがとうございます。

いやあ、宿で先生が引っ越して、しかも偉いベッピンさんのエルフと一緒に暮らしていると聞いた時には何が起こったのかと思いましたよ。

しかし、こりゃ本当に別嬪べっぴんなエルフさんだ」

「ははは・・・そうですね。

この人は僕が奴隷で買ったエレノアです。

でも奴隷なんかとは思っていなくて、僕の先生なんですよ。

ほら、エレノアも座って一緒に話をしようよ」

「かしこまりました」


エレノアが俺の隣に座ると俺は話を始めた。

奴隷商館でエレノアに会った事、そしてエレノアを買った事、この屋敷を手に入れた事、アルフレッドとキンバリーの事などだ。


「なるほど・・・ここしばらくの間にずいぶん色んな事があったんですね?」

「ええ、でもエレノアに出会ったのも、こうして、この家で暮らせるようになったのもサーマルさんたちのおかげですよ」

「とんでもない!」

「全くだ、先生ならこんな屋敷に住んでも当然だ」

「私なんか手を砕かれそうになっただけで、何もしてませんよ」


そのコラージさんの言葉に全員が笑った。


「そちらはどうです?

メリンダさんやクラウスは元気ですか?」

「メリンダさんは別に変わりはありませんが、クラウスはちょっと・・・」

「え?クラウスがどうかしたんですか?」

「今ちょいと寝込んでいましてね?」

「何かあったんですか?」

「いや、あなたと別れてからあなたからもらったミスリルナイフを持って、相変わらず村周辺で魔物狩りをしていたんですが、毎日のように魔物狩りをしていたものですからレベルも上がって、村周辺の魔物では相手にならなくなってきたんです。

それでもあいつはあなたとの約束を守って、おとなしく、村の周辺で狩りをしていたんですがね?

ある時たまたま村の近くに出てきたアプロを一撃で倒してしまったんですよ」

「アプロを一撃で?」

「ええ、その頃はレベル10にはなっていましたからね。

先生も御存知だと思いますが、その程度なら、子供でもその辺の魔物を倒していれば、すぐにあがりますからね。

とにかくそれで本人は大喜びでしてね。

それでちょいと森の中へ入ってしまったんでさあ」

「え?森へ?」


森の中の魔物は草原に比べればはるかに強い。

何しろアプロを一撃で倒したといっても、そのアプロが森では一番下のレベル位なのだ。

レベル10ではかなりきついだろう。


「ええ、本人もちょいと入ってみる程度のつもりだったんでしょうが、運悪く、最初に出会った魔物が大サソリでしてね、あんにゃろうは毒を食らっちまったんですよ」

「大サソリに毒を?」


大サソリはレベル12で毒まで持っている。

レベル10の子供が相手にするには無理があるだろう。


「ええ、それで慌てて逃げて来たんですが、あいつ回復薬はいくつか持っていたんですが、毒消しは一つも持っていませんでしたからね、村にたどり着いた時は、全身に毒が回って危うく死んじまう所でしたよ」

「そんな事が?」

「ええ、もちろん村に帰ってすぐに毒消しをしたんですが、まだちょいと体の調子がわるいんでさ」

「それは大変でしたね、私がミスリルナイフをあげたのが悪かったのかも知れません」

「いやいや、逆ですよ、先生、あいつは先生のおかげで助かったんです」

「え?どういう事ですか?」

「ホラ、先生が最後にあいつに特別な銅の剣をくれたでしょう?」

「ああ、あれですね」


俺は別れの餞別に、クラウスに銅の2倍剣をあげた事を思い出した。


「クラウスの奴は、先生に言われた通り、あれをいつもお守り代わりに持っていましてね。

あれのおかげで帰り道に魔物に会っても全て一撃で倒して帰ってこれたそうで、本人もあなたに感謝してますよ。

自分が無事に帰って来れたのはシノブ兄ちゃんのおかげだってね」

「そうですか・・・」

「まあ、あいつの性格では、遅かれ早かれ森には行ったでしょうから、今回はちょいと痛い目に会って帰って来てちょうど良かった位ですよ。

これでもう馬鹿な事はしなくなるでしょうから」

「なるほど、でも私からも気をつけるように言っていたと伝えてください」

「わかりました」


食事が始まると、サーマルさんたちは驚く。

今日の献立は炊きたてご飯と、肉と野菜の醤油味の炒め物だ。


「こりゃ、変わった味ですがうまいですな」

「私も米をこんな食べ方をしたのは初めてです」

「俺は米自体を食べたのが初めてですね」

「これは私の故郷の料理なんですよ」

「へえ、これがシノブさんの?」

「ええ、醤油という調味料を使うんです」

「なるほど」


食後には試しにプリンを出してみたら、やはり3人とも驚いていた。


「こりゃうまい!あっしは酒も好きですが、甘い物も好きでしてね。

しかし、こんな物は食った事がありませんや」

「そうですね、私も初めてです」

「はは・・・そんなに気に入ったなら、御土産にいくつか差し上げましょうか?」

「いいんですかい?」

「ええ、今日はもうないので、明日の朝までに作って、オルフォン亭へ届けに行きますよ」

「そりゃわざわざすみませんね」

「いいえ、散々お世話になったんですから、その程度構わないですよ」

「はっは、先生の世話になったのはむしろこっちの方ですよ」



食事をしてサーマルさんたちはオルフォン亭へ帰っていった。

その後で俺はキンバリーにプリンを20個ばかり作ってくれるように言っておいた。


翌朝、俺はオルフォン亭までプリンを届けに行った。

エレノアやキンバリーが自分が届けに行くといってくれたが、俺もサーマルさんに挨拶をしておきたかったので、自分で届けに行った。


「はい、ではこれが御土産のプリンです。

腐りやすいですから、今日か明日には食べてくださいね」


半日以上馬車で輸送する事を考えて、俺はプリンを冷凍魔法で冷やしておいた。

これでしばらくは持つだろう。


「先生、わざわざここまで持ってきていただいてすみません。

 それでは遠慮なくいただいていきまさあ」

「ええ、メリンダさんやクラウスによろしく。

それとクラウスにはくれぐれも無茶をしないように言っておいてください」

「はい、わかりました。

それでは先生、お達者で」

「そうそう、それと忘れる所でしたが、これも1本渡しておきます」


そう言って俺は日本酒の一升瓶を1本サーマルさんにあげた。


「これはなんですか?」

「それは日本酒と言って、私の故郷の酒です。

あまり数はないのですが、サーマルさんはお酒が好きなそうなので、少しお分けしますよ」

「へえ?酒ですか?そりゃありがたい!」

「ええ、こちらにはない酒なんで、サーマルさんのお口に合うかどうかわかりませんが・・・」

「なーに、先生からいただいた酒なら口の方をあわせまさあ」

「いや、父さんは酒なら何でもいいだけでしょう?」

「そうそう、親父さんは酒ならサルが木の洞で隠している酒まで飲みますからね」

「やかましい!

お前らそんな事言ってると、この先生からいただいた珍しい酒を飲ませてやらんぞ!」

「うひゃあ、それはご勘弁!俺にも分けてくださいよ!」

「はは・・まあ、仲良く飲んでください。

もし出来たら次に会った時に、味の感想を聞かせてください」

「ええ、任せてください」

「では、またロナバールに来た時は、遠慮なく遊びに来てください」

「ええ、わかりました」


こうしてサーマルさんたちは帰っていった。

次に俺がサーマルの村に行けるのはいつになるかわからないが、それまでにクラウスが元気になっていますように。


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