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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0064 恐怖のエルフィール

 続いて俺がエルフィールを紹介する。


「それでこれがエレノアが精魂こめて作った最新作品。

ジャベックのエルフィール。

僕の護衛で現在色々と学習中なんです。

魔法協会で会った時に、フードを被せていたのは御覧の通り、エレノアにそっくりなんで、それを秘密にしておきたいのと、周囲が混乱しないようにだったんです。

それに事情があって、そもそも世間的にはエルフィールの存在自体が秘密なんですが」


俺の説明に二人が驚く。

そもそもエルフィールをジャベックだとは思っていなかったようだ。


「えっ?この人って、ジャベックなの?」

「驚いたわ・・・魔道士の私達から見ても、ジャベックとはわからないわ・・・」

「ええ、見た限りでは人間と全く区別がつかないわ!

確かに高級ジャベックでも人間にそっくりなのはあるけど、どこかに違和感が出るわ・・・でもこのエルフィールはそんな感じが全く無い・・・

アイザックならともかく、ジャベックでも、極めればここまで出来るのね・・・

今日はシノブさんの話に色々と驚いたけど、これが私的には本日一番の驚きだわ」


自称ゴーレム使いのエトワールさんは、特にエルフィールに驚いた様子だ。


「ええ、エレノアはこのエルフィールを作るのに3年かかったそうです」

「3年ですって!?」

「確かにそれ位の時間が掛かっても不思議はない出来栄えね」


俺は得意げにもう一つ説明をする。


「実はこのエルフィールには、もう一つ秘密の機能があります。

お二人だけにはお見せしますが、誰にも言わないでくださいね?

いいですか?」


俺が二人の返事を待つと、二人は覚悟したように返事をする。


「ええ、わかったわ」

「是非見せていただくわ」


二人の返事で俺がエルフィールに命令する。


「シャンゴ!エレノア」


俺の命令によって、たちまちエルフィールの銀髪が金髪になり、瞳の色も茶色から緑に変わって、横にいるエレノアと区別がつかなくなる。

それを見た二人が叫びを上げる。


「なっ!」

「これは・・・!」


驚く二人に構わず、俺はさらにエルフィールに命令する。


「エルフィール、自己紹介をしてみて。

この二人には製作者とレベルを説明しても良いから」


「はい、私の名はエルフィール。

製作者はエレノア様とシノブ様の共同制作で、御主人様はシノブ様です。

レベルは500のジャベックで、使用可能な魔法は魔法修士級、日常全般の仕事をこなし、日常会話も可能ですが、最優先の仕事はシノブ様の護衛です」


エレノアと全く同じ顔、同じ声で、にこやかに自己紹介をするエルフィールに、二人が愕然とする。


「レベル500!?」

「魔法修士級ですって!?」


それ以上は驚いて口もきけない二人に俺が説明を補足する。


「いかがですか?

変身機能に加えて、今のがこのエルフィールのおおまかな能力です」


俺の説明に、驚きのあまり無言になっていたシルビアさんが、ようやくの事で声を絞り出すように出す。


「・・・驚いたわ・・・性能にも驚いたけど、今の状態ではエレノアさんと全く区別がつかないわ・・・これほどのジャベックが存在するなんて・・・」

「ええ、僕の護衛の他に、何かの時にエレノアの代わりをするためにも、こういう機能をつけたんです」


エトワールさんもあり得ないと言った感じで話し始める。


「そんな・・・レベルが500で・・・使える魔法が修士級だなんて・・・

そんな・・・そんなジャベックが・・・存在する・・・有り得るの?・・・

信じられないほどだわ・・・しかもこんな自然に日常会話が出来るだなんて・・・

これはもう、ほとんどアイザックじゃない?

いえ、下手なアイザックよりも性能は上なんじゃないかしら?」


先ほど同様、エトワールさんは自称ゴーレム使いなだけに、その衝撃はシルビアさん以上のようだ。

やはり、レベル500のジャベックというのは相当珍しいようだ。


「レベルが500のジャベックっていうのは、やっぱり珍しいですか?」


俺の質問に呆れたように二人が答える。


「珍しいなんてもんじゃないわ!

 そもそもそんな物が存在する事自体が驚きだわ!」

「ええ、ジャベックでこれほどレベルが高くて、高性能な物があるなんて信じられないほどだわ。

私が今まで見たことあるジャベックは、最高レベルでもせいぜい280位だから」


二人とも正規の魔道士なだけに、その驚きは尋常ではないらしい。


「ええ、エルフィールはこの能力にするために、魔力球を魔結晶ではなく、魔宝石にしましたから」

「え?そうなの?

それじゃますますアイザック級ね?」


魔宝石は通常アイザックに使用する物で、ジャベックに使う事は有り得ない。

そうしなければならなかったという事は、確かにこのエルフィールはアイザック級である事を示す証拠だ。


「そうですね」


エトワールさんの言葉に俺もうなずく。

しかしここでハッと何かに気がついたように、シルビアさんが質問をする。


「ちょっと待って!

考えてみたら、魔力球に魔宝石を使っていて、レベルが500って言ったわね?

ではこのジャベックの魔法総量は一体いくつなの?」


シルビアさんの質問にエレノアが答える。


「はい、エルフィールの魔法総量はおよそ180万です」

「ひゃっ・・・!」


エレノアの回答にまたもやエトワールさんが仰天する。

今日は何回も驚きすぎて気絶しそうだ。

しかし二人が驚くのも無理は無い。

一般の魔法士、すなわち初等学校を出ただけの魔法使いなら魔力量はせいぜい1500から6000くらいだ。

中等魔法学校卒業の魔道士でも、15000から30000程度、

高等魔法学校を卒業した魔法学士でも3万から7万程度だろう。

180万と言えば、文字通り桁が違っている。

それも二桁だ。


「それは・・・本当に驚きね・・・」

「ええ、正規の魔道士の私達だって、せいぜい38000程度なのにね」

「全く、何もかも規格外だわ。

それだけ魔法力があれば、単純なタロスなんか、いっぺんに何万体も生成できそうね。

確かロナバールの六名石のアイザックのうち、一番石の天石のツェロがレベル420で、うちの本部長よりも強いと聞いているから、それ以上なのかしら?」


シルビアさんが半ばあきれ返ったようにため息をつき、エトワールさんが震える声で話し始める。


「そうね・・・でも、それって・・・それって・・・」


ふと、見ると、エトワールさんは恐怖が宿った目で俺に話しかけてくる。


「ねえ?あなたわかってる?シノブさん?

このジャベックは一つの国を滅ぼせる力を持っているんだよ?

あなたの命令一つで、どこかの国が滅ぼせちゃうんだよ?

それ、わかってる?」

「はい、それは重々承知しているつもりです」


それは俺もエルフィールが完成した時に考えた。

このジャベックを扱うのは慎重になるべきだと。

エレノアもその点を説明する。


「そうです、ですからこのエルフィールの事は、御二人にも他言無用で内密にしていただきたいのです。

私達がエルフィールを世間的には内密にしておきたいのは、そういった理由からです。

もちろん、我々にそんな気はありませんが、これが心無い者に知られれば、何か悪用を考える人間が出てくるかも知れません。

そのためにも出来るだけこの子の存在は秘匿しておきたいのです。

しかし御二人には御主人様があえてお知らせしておきたいと言ったので、私もあなたがたを信じてお話いたしました。

このエルフィールの存在と能力を知っているのは、今の所、ここにいる我々6人だけです」


エレノアがそう説明すると、エトワールさんは、順番にここにいる人たち、エレノア、アルフレッド、キンバリー、シルビアさん、そして最後に俺を見て話す。


「そうか・・・そうなんだ・・・」


ホッと一安心したエトワールさんに、シルビアさんが笑って話しかける。


「安心しなさい。エトワール。

この二人、特にこの御人好しな坊やが、これを所持している限りは、あなたが心配しているような事は決して起こらないわ。

大丈夫よ」


そのシルビアさんの言葉にエトワールさんも落ち着いて話し始める。


「そっか・・・そうよね・・・

持ち主がシノブさんとエレノアさんだもんね。

確かに私なんかが余計な心配する必要はないか・・・

何か私、今日は色々と驚いて変な事言っちゃってごめんね、シノブさん」

「いいえ、エトワールさんの御心配はもっともだと思います。

しかし、僕とエレノアはこのエルフィールを僕の身の回りの世話と護衛以外に使うつもりはないので、どうか安心してください。

後は何かの時にエレノアの身代わりをさせる位ですね」


俺の説明にシルビアさんが笑ってエトワールさんに話す。


「ほらね?安心した?エトワール?

それに考えてもごらんなさい?

そもそもエレノアさんはレベル700近くで、シノブさんだって、いまやレベル200を超えているのよ?

この二人がその気だったら、このジャベックを使うまでも無く、とっくの昔にこのロナバールが廃墟になっているでしょうに?」


確かに俺はともかく、エレノアが本気を出してこの都市を攻撃したら、ロナバールの魔法協会本部が、その総力を挙げねば勝てないだろう。

この数ヶ月の付き合いで、俺は本気でそう思っていた。

エレノアは純軍事的に言えば、生ける核兵器とか、一人三個師団などという異名がついても不思議のない存在なのだ。

まあ、この世界に核兵器は無いけれど・・・

もっともその師匠の薫陶宜しく、レベルが上がった俺も、現在は一人一個旅団位の実力にはなっていた。

この二人でどこかの都市を攻撃すれば、どこかの戦闘民族ベジータとナッパが襲来したような感じか?

エトワールさんもその点は納得したらしく、シルビアさんにうなずいて答える。


「そうね、全くその通りだわ。

この二人が本気でどこかの都市を攻撃したら、それだけでそこは終わりだもんね。

それに黙っていれば良かったのに、二人は私達を信用してこの事を話してくれたんだもんね。

それなのに私の方が二人を信用しないなんて、そんな失礼な事はないわ。

本当にごめんなさい、シノブさん、エレノアさん」


そう言ってエトワールさんが頭を下げて謝る。


「いいんですよ、お気持ちはわかります」

「ええ、でも本当にこのエルフィールは凄いわねぇ・・・」


改めてエトワールさんが感心するので、俺も説明をする。


「そうですね、エレノアもこれと同じ物を、もう一度作るのは、かなり難しいと言っていますから」


そう、まったくエルフィールは凄い!

訓練で行った迷宮の中でも、エレノア同様、ほとんど無敵を誇っていた。

彼女ならおよそどんな敵が来ても俺の事を守ってくれるだろう。

俺の説明にエトワールさんは再び興奮して叫ぶ。


「当然よ!

こんな凄い物を作れる人が、あの人以外にいたなんて・・・驚きだわ!

大ショックだわ!

いえ、ひょっとしたらエレノアさんは、あの人以上なのかも・・・」

「あの人?」

「ええ、有名な伝説とまで言われるゴーレム魔道士で、私が心から尊敬する人がいるのよ」

「へえ?そんな人がいるんですか?

会ってみたいですね?」

「私も会ってみたいけど、雲の上の人だから、よほどの機会がないとね」

「なるほど、いつか会って、お話が出来るといいですね」

「ええ、私もそう思うわ」


どうやらその人は、ゴーレム使いのエトワールさんにとって、憧れの人のようだ。


「このエルフィールはある程度生活と戦闘学習をさせたらエイコーン化して、御主人様の隠し護衛とする予定です。

よほどの緊急時以外には作動させず、この家の者以外の世間には秘匿しておきたいと思います。

ですから今回はお見せいたしましたが、どうか御二人もこのエルフィールの存在は内密にお願いいたします」


エレノアの言葉に、シルビアさんも快くうなずいて了承する。


「ええ、わかったわ、大丈夫です。

安心してください。

誰にも言ったりはしませんから」

「私も・・・と言うか、こんなジャベックの存在を誰かに言っても、きっと信用してもらえないわよ・・・ゴーレム魔法に詳しい人ほど、話したら笑われるのが落ちね。

話す気にもなれないわ。

さっき聞いたグレイモン伯爵に渡したテレーゼって言うのも、こんな感じなのかしら?」


エトワールさんの質問に俺が答える。


「ええ、機能はこのエルフィールの方が、はるかに上で段違いですが、見た目は似たような感じですね。

両方とも雛形原型はエレノアですから」

「まあ、レベルが100で魔道士級の魔法を使うジャベックでも、十分規格外だけどもね」


呆れたように話す、エトワールさんにエレノアが答える。


「そうですね。

 このエルフィールは別格ですが、今後の通常の御主人様の護衛用にあと数体、レベル300程度でテレーゼと同様な物は作成しようかと考えています」


「それでも十分凄いと思うわ」

「そうですね」


俺もエトワールさんに賛同して笑った。


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