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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0063 シルビアとエトワールの訪問

 翌日、シルビアさんとエトワールさんが家に遊びに来た。

玄関でシルビアさんが呼び鈴を鳴らし、来訪を告げる。


「あの、私達、シノブさんのお友達で、シルビアとエトワールと申しますが・・」

「お待ちしておりました。

どうぞいらっしゃいませ、おや?」


玄関に出迎えに出て、バッタリと顔を会わせたアルフレッドとシルビアさんが、お互いの顔を見て驚く。


「あら?アルフレッドさん?

こちらにいらしたのですか?」

「ええ、以前の御主人様が亡くなった後で、こちらを紹介されまして、今ではキンバリーと共にこちらのお世話になっております」

「それは良かったですね」

「はい、今回も非常に良い御主人様に御仕えさせていただき、嬉しく思います。

シルビア様もお元気そうで何よりです」

「ええ、お蔭様で」

「何?シルビア?知り合いなの?」


エトワールさんの質問にシルビアさんが答える。


「ええ、うちの父の付き合いで何度か伺った家の家令さんなの。

父から御主人が亡くなったと聞いていたので、どうしたかと思っていたのだけど、シノブさんの所にいたなんて驚いたわ」

「へぇ?世間は意外に狭い物なのね?」

「そうね」

「ささ、どうぞ中へ、主人もお待ちしております」

「はい」


中へ通された二人が応接室へと案内される。

二人が来たと聞いて、俺がエレノアと共に、いそいそと応接室に入ると、二人が挨拶をして来る。


「こんにちは、約束どおりに来たわよ~」

「お邪魔します」

「いらっしゃい、よく来てくれました。

では早速ですが、食事の用意が出来ていますから食堂の方へどうぞ」

「はい」


食堂に着くと、そこにはすでに席が用意され、二人は席につく。

向かい側の席に俺とエレノアも座る。


「実はお二人はこの家の初めてのお客様なんです」

「まあ、そうなの?」

「へえ?何かそれは縁起が良さそうね」

「ええ、お二人を最初のお客様に出来るなんて本当に縁起が良いと思います。

まずはその事を乾杯しましょう」


アルフレッドが4人にフェイアリンを注いで回る。

これは発泡性の甘く酸味のある赤い飲み物で、魔道士の間では何かの祝いの時に飲む、公式の飲み物だそうだ。

クレヴェニア地方という場所で収穫する果実から作る飲み物で人気があるらしい。

俺もこの味は気にいっている。

ちなみにアルコール分は入っていない。

エレノアは注いで貰う時に、恥ずかしそうに話す。


「申し訳ありません。

奴隷の分際で、このような時に働きもせずに、ずうずうしく席に座らせていただいて」

「いえいえ、エレノアさんは当家の秘書監で、お二人の御友人なのですから、どうか御遠慮なく」


恐縮するエレノアにアルフレッドが笑顔で注いで語る。


「秘書監?」


不思議そうに問いかけるエトワールさんに俺が説明する。


「エレノアは僕の先生な上に万能秘書なので、この家では「秘書監」と言う役職で、申し訳ないけど家令のアルフレッドよりも上の地位なんです。

御二人の友人でもあるので、今日は一緒に食事をする事にしました」

「なるほど」

「そういう事なのね」


俺の説明に二人も納得する。


「何はともあれ乾杯しましょう。

この家の完成と御二人の来訪を祝って乾杯!」

「乾杯!」


俺の音頭で4人が乾杯をする。

口からグラスを離すと、さっそくエトワールさんが、話し始める。


「それにしても本当に良い御屋敷ね。

今日はその辺りの事情も話していただけるのかしら?」

「ええ、そのためにも御二人を御招待したのですからね。

少々事情があって話せない部分もありますが、二人に散々お世話にもなっているし、他の人にも話せない事も色々とお話しますよ」

「それは楽しみね」


俺は食事をしながらこれまでの経緯を二人に話した。

二人に助言を受けた次の日にバーゼル奴隷商館でエレノアと出会った事、

3ヶ月の試用期間の事、エレノアに特訓してもらった事、

正式にエレノアを奴隷として購入した事、そしてこの屋敷を手に入れた事、

グレイモン伯爵やダンドリー男爵の事、テレーゼの事、

アルフレッドとキンバリーの事、家の改装の事など、これまでの事を全て話した。


もちろん神様や転生の事はエレノアにすら話してはいないし、エレノアの購入金額の事等、一部話せない事もあったが、二人はそれも納得して聞いてくれた。

俺が話を終わると、シルビアさんが感慨深く話す。


「・・・なるほど、聞けば聞くほど、色々と凄い話ねぇ」

「ホント、その年で、すでに波乱万丈って感じ」


エトワールさんも感心したように感想を述べる。


「ええ、でもこの家や、何よりエレノアを手に入れられたのも、最初に御二人との出会いと助言があったからで、本当に感謝しています」

「はっはっは~!そうか!そうか!良いぞ!

もっと感謝してくれたまえぃ!」

「いいえ、そんな事はないわ。

シノブさんが謙虚に行動したからよ」


エトワールさんがはしゃぐ一方で、シルビアさんは俺を褒める。


「それにしてもエレノアさんがエルフでレベル700近いのも驚きだけど、シノブさんがたったの3ヶ月で、レベル40程度から200以上になったのはもっと驚きだわ」

「いや、それは本当にエレノアのおかげですよ。

エレノアのレベルが尋常ではないから、レベルの低い僕が、それに引きずられて冗談のように上がっただけです」

「まあ、確かにレベルの高い人がパーティにいると、低い人は上がりやすいものだけれど、それにしても驚きね。

それにこの数ヶ月で、魔法学士級の魔法を覚えてしまうなんて、それも驚きだわ」

「全くよ」


シルビアさんの言葉にエトワールさんもうなずいて賛同する。


「それは、御主人様の才能と努力の賜物です」

「何言ってるの?全部エレノアの特訓のおかげでしょ!」


それと皆には言えないが、神様のくれた才能のおかげだ。


「私の指導など、御主人様の努力に比べれば、ほんの些細な事に過ぎません」

「エレノアは謙遜しすぎだってば!」


俺とエレノアが押し問答をしていると、エトワールさんが割って入る。


「まあまあ、それは二人の努力の結果という事で・・・」

「ええ、でも、そんなに魔法を覚えたのなら、そろそろシノブさんも正規の資格を取った方が良いのではないかしら?

もちろん、その点もエレノアさんは考えているとは思うけど・・・」


シルビアさんの指摘にエレノアもうなずいて答える。


「はい、これから今まで後回しにしていた、治療魔法の訓練をしようかと考えております。

その後、いくつかの特殊魔法を覚えていただいたら、もちろん正規の検定を受けていただき、どこかの魔法学校に通っていただこうと考えております」

「なるほどね」


エレノアの説明にシルビアさんも納得する。

それを聞いてエトワールさんが元気よく話す。


「それにしてもエレノア先生の授業は機会があれば、私も受けてみたいわね。

特にゴーレム関係の物は是非受けてみたいわ!」

「それは私も興味があるわね」

「はい、実はその件に関しては、現在御主人様の発案で、ある画期的な学習法を研究中です。

もう少しでそれがある程度形になる予定です。

その時点で、どなたかにそれを聞いていただいて、感想を伺ってみたかったので、御二人にお願いしようかと考えていた所です」

「え?ホント?それ、すっごく聞きたいわ!」

「私もそれは是非聞いてみたいわね」

「はい、それでは近いうちにお願いしたいと思います」

「よろしく~」


そしていよいよ食事の最後にプリンを食べる。

うちの人員以外では初めて食べるプリンだ。

初めてプリンを見たエトワールさんが不思議そうに俺に聞く。


「何これは?」

「これはプリンと言って私の故郷の菓子です。

アムダール帝国ではないので作ってみた所、うちの連中には好評だったので、御二人にも出してみました」

「へえ?シノブさんの故郷の御菓子ね?」

「ええ、ずいぶんと変わっているわね?」


不思議そうに食べた二人だったが、一口食べた瞬間にその表情が変わった!


「何!これ!」

「ええ、これは驚きだわ!」

「こんな食べ物は食べた事がないわ!」

「私もよ!」


二人は初めてのプリンに大興奮だ!

まあ、今までプリンを食べた事が無ければ、そりゃ驚くよな?

しかもこの世界はかなり長い歴史があると言うのに、今まで菓子と言える物は干し果物とそれを使った菓子パン、それにボソボソとしたクッキー程度しかなかったのだ。

もっとも俺はその事を少々不思議に思っていた。

何と言ってもこのアムダール帝国は建国して何百年も経つのだし、このアースフィアに文明が生まれてからも数万年も経っているのだ。

その間にプリンを始めとした、地球にはあった菓子類が、この世界では何も発明されなかった事を、俺は不思議に思っていた。

しかしよくよく考えてみれば、日本にだって卵と牛乳と砂糖は、それこそ奈良時代からあったのだ。

それでもそこから1000年以上経過してもなお、プリンは発明されなかった。

日本でプリンが普及したのは明治以降で、それも江戸時代末期に海外から入って来たので自力で発明した訳ではない。

海外でもプリンが造られたのは18世紀末頃と聞いている。

そう考えると例え同じ材料が大昔からあったとしても、それを利用した料理を思いつくのはやはり別の事なのだろう。

俺は今回プリンをこの世界で「発明」して、それを実感した。

そして今俺の目の前でプリンを食べているエトワールさんとシルビアさんは恍惚とした表情を浮かべている。

それを見た感じでも、どうやらこの世界で俺は菓子を売れば、かなりの売り上げが期待できそうだ。


食事も終わり、お茶を飲んでいると、俺がふとある事を思い出す。


「そうそう、まだエルフィールの説明をしていなかった。

アルフレッド、エルフィールとキンバリーも呼んでくれないかな?」

「かしこまりました」


俺の指示で、アルフレッドが調理をしていた二人を連れてくる。


「こちらがうちの家政婦長で現在の所、料理長も兼ねているキンバリー、シルビアさんは知りあいなんだって?」

「ええ、先ほども話した通り、父の関係でお二人と何度か御会いした事があって・・・」

「ええ、お久しぶりですね、シルビアさん、また以前よりお美しくなられて・・・

御父様はお元気ですか?」

「はい、ありがとうございます。父も元気にしております」


そしていよいよエルフィールのお披露目だ。



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