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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0061 万能ジャベック エルフィール

 俺が大工や水道技師と一緒に家の改装をしたり、キンバリーに料理を教えている間に、エレノアは予定の護衛ジャベックを作り続けていた。

そしてそれは当初の予定よりかなり早く、2週間後に完成した。

その間に家の改装も終わり、俺のジャベックの作成課題も終わった。

エレノアはジャベックを作るのに、これほど時間がかかったのは久しぶりだと言った。

だがそれに見合う機能は持っているとも言って、その出来に満足そうだった。


エレノアは紫色に輝くグラーノを俺に渡すと言った、


「御主人様、それでは起動させてください」

「わかった、エルフィール起動!」


部屋の中が光り輝くと、そこにはエレノアそっくりの人物が立っていた。


「エルフィール、起動いたしました。

御用事を御申しつけください」


そのエレノアそっくりの人物が俺に話しかける。

ただし姿かたちはそっくりだが、髪は銀髪で、瞳の色は茶色で声も違う。

肌の色も少々浅黒い。

いわゆるダークエルフ的な見た目だ。

あまりにも同じだと、さすがに紛らわしいと俺が判断したためだ。


「凄いね・・・テレーゼと同じで、本当にエレノアそっくりだ」

「ええ、でもちゃんと設計通り、命令一つで完全に私に変わりますよ」

「そうなの?」

「もちろんです、命令してみてください」

「シャンゴ!エレノア」


俺がそう叫ぶと、銀髪のエルフィールの髪は金髪となり、肌の色と瞳の色はエレノアと同じ色となって、完全にエレノアと見分けがつかなくなる。

当初の予定通りに、何かの時にエレノアの影武者を務めるために、エルフィールは命令一つで、エレノアと区別がつかないほどに変身する機能をつけてあったのだ。


「変装完了いたしました。いかがですか?御主人様?」

「おおう・・・」


その姿が変わったエルフィールに俺は驚く。

声まであまりにもエレノアそっくりで、まさに二人の区別がつかない。

まるで一卵性の双子か、クローン人間のようだ。

テレーゼもエレノアにそっくりだったが、それでもなんとなく、まだ見分けはついた。

だがこの変身したエルフィールは、全くエレノアと区別がつかない。

完全にエレノアと同じに見えるのだ。

(こりゃ、伯爵にあんな事を言ったのは撤回しなきゃならないかな?)

以前グレイモン伯爵には、どんなにエレノアとそっくりな人間がいても見分けて見せる!と断言した俺だったが、現段階でエレノアとエレノアに変身したエルフィールを見分ける事は俺にも不可能だ。


「ちょっと自己紹介をしてみて?」


俺に言われて、エレノアそっくりなエルフィールは自己紹介を始める。


「はい、私の名はエルフィール。

製作者はエレノア様とシノブ様の共同制作で、御主人様はシノブ様です。

レベルは500のジャベックで、使用可能な魔法は魔法修士級、日常全般の仕事をこなし、日常会話も可能ですが、最優先の仕事はシノブ様の護衛です」、

「ふむ、シャンゴ、エルフィール」


俺がそう呪文を唱えると、たちまちエレノアそっくりだったエルフィールは、元の銀髪へと戻る。


「それで、もう一度自己紹介をしてみて」

「はい、私の名はエルフィール。

製作者はエレノア様とシノブ様の共同制作で、御主人様はシノブ様です。

レベルは500のジャベックで、使用可能な魔法は魔法修士級、日常全般の仕事をこなし、日常会話も可能ですが、最優先の仕事はシノブ様の護衛です」、


全く同じセリフだが、やはり声と顔の雰囲気が違うと違って聞こえる。


「結構、でも誰かに自己紹介する時は、許可された時以外は製作者の名は言わないように、

レベルも言わない方がいいな」

「承知いたしました」


俺の指示にエルフィールは素直に答える。

エレノアが補足説明をする。


「以前ご説明した通りに、エルフィールはしばらくの間、日常を慣れさせるために、私と共に御主人様の供をしますが、ある程度学習をさせたら、緊急護衛用ジャベックとして収納して、常に御主人様に持っていただこうと思います」

「うん、わかった」


それにしてもテレーゼのレベル100でも驚いたが、レベル500とは驚いた。

俺もゴーレム街でずいぶんとジャベックを見たが、こんなレベルの物は見た事がない。

今の俺よりもはるかにレベルは上で強い。

現時点でエルフィールと俺が戦えば、間違いなく俺が負けるだろう。

確かにエレノアが現在製作可能な限りで、高性能な物をと言っていたが、これほどとは思わなかった。

よく2週間でこれほどの物を作る事が出来たものだ。

話し方もテレーゼより人間的で、言われなければ決してジャベックとはわからないだろう。

グレイモン伯爵に見せたらうらやましがりそうな位だ。


「でも凄いね。こんな高性能な物をたったの2週間で作っちゃうなんて・・・」

「いえ、このエルフィールの作成には3年を費やしました」


そのエレノアの説明に俺は驚いて聞き返した。


「え?3年?2週間じゃなくて?

どういう事?」

「はい、エルフィールの基本構造は、私がバーゼル奴隷商館にいるうちの3年ほどを費やして作り上げました」

「じゃあ、この2週間は?」

「その設計通りに組み立てたのと、御主人様が見かけを私そっくりにと御希望されたので、その部分の修正をしておりました。

これは今まで私が作ったジャベックの中でも最高傑作です。

正直もう一度これと同じ物を作れと言われても難しいかと存じます」

「そうなんだ・・・」

「はい、テレーゼもエルフィールの簡略版でしたので、あれほど早く作れました。

 それに私はあのような場合に備えて、ジャベック術書の予備をいくつか持っております。

 本来でしたら、さすがにあれほどのジャベックは、作成するのに数ヶ月はかかります」


そんなに時間が掛かって制作した物なのか・・・

どうりで驚くほど高性能だと俺は改めて感心した。



その出来栄えに満足した俺たちが、エルフィールをアルフレッドとキンバリーにも見せると二人が驚く。


「これは・・・変身すると、エレノアさんと区別がつきませんな」

「ええ、まったく驚きですわ。

私もジャベックはいくつか見た事はございますが、言われてもジャベックだとわからないほどの物はこれが初めてでございます」


二人から見てもエルフィールの出来栄えは驚きのようだ。


「では、エルフィールの訓練を兼ねて、久しぶりに迷宮に参りましょうか?」

「うん、そうだね」


こうして俺たちはエルフィールを連れてひさしぶりに迷宮に行った。

ロナバール南西の迷宮で、これまでないほどに下まで潜っていった。

エルフィールの事は外部には内密にしたかったし、色々と問題が起きそうなので、外に出る時には、かつてのエレノアのように、フードを被せて訓練をしていた。

最初は慣れる為に、その辺の草原でレベルが一桁程度の魔物と戦っていたが、エルフィールはさすがにレベル500もあるだけあって、その戦闘能力は凄まじかった。

レベルが一桁や二桁の魔物など完全にオーバーキル状態だ。

これ、最初にここで訓練する必要ってあったの?


そしていよいよ迷宮への訓練と移る。

昇降機は地下10階までしか設置されていなかったので、それ以降は徒歩で行く事になる。

そこでもエルフィールの戦闘能力は全く凄まじかった。

俺とても、すでにレベルが200は超えているのに、完全に置いてけぼりだ。

足手まといにこそならないが、戦闘は全て、エレノアとエルフィールがやっている。

まるで、エレノアが二人いて戦っているようだった。

エルフィールにはエレノアの持っていた予備の武器を与えて戦わせたが、全く遜色がないように見える。

二人とも戦闘では最強呪文のオンパレードだ。

戦闘タロスも出すが、その強さも半端ない強さだ。

二人とも単純な攻撃力なら、俺よりも強い戦闘タロスを出して戦わせる始末だ。

レベル100を超えるタロスは、魔力の消費量が冗談のような上級タロス呪文でしか出せないが、その魔力消費量が夥しい上級タロスをバンバン出して戦わせる。

レベルが300を超える魔物たちを相手に、エルフィールはメキメキと戦闘になれて、学習をしていく。


数日の3人の迷宮訓練で、俺はレベル235、エレノアはレベル684にまでなった。

迷宮で訓練した時に入手した物を魔法協会に売りにいった時に、シルビアさんとエトワールさんに出会った。


「こんにちは、シノブさん、あら?そちらはどなた?

また新しい奴隷を購入したのかしら?」

「いえ、これは現在訓練中のジャベックなんですが、少々事情があって顔を隠しているんです」

「へえ?ジャベック?

とうとうシノブさん、ジャベックを作れるようになったの?」

「ええと、確かに作れるようにはなったんですが、これはエレノアが作ったジャベックで、僕が作ったのとは別口なんです」

「そうなんだ?」

「そういえば、明日は自由日ですが、御二人とも時間はありますか?」

「ええ、出勤日でもないし、他にも特に予定はないから大丈夫よ?ねえ?」

「私も大丈夫」

「では、よろしければうちに遊びに来ませんか?」


俺の誘いに二人ともあっさりと承諾する。


「え?いいの?行く行く~」

「私も喜んで伺いますわ」


う~む、いいのか?そんなにホイホイとついてきて?

俺は二人いっぺんにだって構わないで食っちまうんだぜ?

・・・とは思わなかったが、まあ俺は余程この姿のおかげで警戒をされないんだろう。

完全に安全牌なのか?

それにエレノアもいるしね?

まあ、二人が家に遊びに来てくれるのは単純に嬉しいのでよしとしよう


「ではお待ちしています。

お昼ごろに来てください。

食事を作って待っていますから

うちは東7番通りの5番地です。

わかりますか?」


俺の説明にエトワールさんは驚きの声を上げる。


「え?7番通り?高級住宅地じゃない?」


シルビアさんも不思議そうに質問をする。


「誰か貴族の家にでも下宿しているのかしら?」

「いえ、そこに僕の家があるのですが・・・」

「まあ、そうなの?」

「凄いわねぇ~」

「まあ、その件に関しても、色々とお話したい事もあるので、遊びに来てください」

「わかったわ」

「ではお昼ごろに二人でおじゃまするわね」


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