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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0592 砂漠とゴミ

 俺たちはリンドバーグとスカイインの2隻でカーサライネン領へ向かった。

今回は案内でニコラスにはリンドバーグに乗ってもらっていた。

やがて自分の領地が近づいて来ると、ニコラスが俺たちに説明をする。


「あの森林より向こうがカーサライネン領です」


俺はニコラスの案内で一通り空からカーサライネン領を見てみた。

なるほど確かに半分以上が砂漠で、他の部分も森林が多く、耕地面積は少ないようだ。

それを見た俺はニコラスに言った。


「ニコラス、これから場合によっては私はこのカーサライネン領を大改造しようと思う。

しかしここは私の領地ではないし、好き勝手に出来る訳でもない。

そこで君がカーサライネン男爵である父君に領地の大改造をする事を強く勧めてくれないか?」

「それは構いませんが、何度もくどくて申し訳ありませんが、うちにはそんな領地の大改造をする資金はありませんよ?」

「大丈夫、金はほとんどかからないはずだ。

ただそれは普通ではない方法なので、それを強く推し進める意志が必要なんだ。

はっきり言って、私が君たちに薦める方法は、君たちにはとても奇異で異常に見えると思う。

だから最初は君たちにはそれは無意味な事に思えるかも知れない。

そしてその方法には時間がかかるんだ。

目に見える効果が出るまで、おそらく早くても数年はかかるだろう。

だがその方法に効果がある事は保証する。

私はこの砂漠を農業地帯に変えるつもりだが、それには単純だが、長く根気強く続ける意志が必要なんだ。

それをするつもりはあるかい?」


その俺の言葉にニコラスは驚きながらも喜んで答える。


「この砂漠を農業地帯に?

わかりました!

何としてでも父を説得してホウジョウ様の言う通りにさせてみせます!

なぁに!ホウジョウ様のする事が普通でない事など、すでにこの3年間で身に沁みてわかっていますよ!

異常な方法でも何でもドン!と来いです!」


いや、こいつ俺を微妙にディスってないか?

まあ、いいか?

そしてニコラスの案内で俺たちはカーサライネン領府へ着いた。


「ニコラス、どこに着陸させればいいんだ?」

「ああ、あそこが私の家なので、そこの庭に着陸させてください。

辺境なので庭が広いのだけが取り柄なので」

「いきなりそんな場所に着陸させていいのかい?」

「ええ、構いません」


ニコラスの言葉に従い、男爵邸の広い庭に飛行艇を2隻着陸させると、屋敷の中から驚いたように人々がわらわらと出てきて俺たちを囲む。

そして警備隊長らしき人間が剣を向けて、2隻の飛行艇から出てきた俺たちに対して叫ぶ。


「貴様ら!何者だ!

ここをカーサライネン領主たる男爵様のお屋敷だと知っての事か!」


そりゃまあ、いきなり見た事もない飛行艇が自分の家の庭に2隻も着陸したらそうなるわな?

ここでニコラスが先頭に立って帰宅の報告をする。


「ガンビーノ!慌てるな!

私だ!ニコラス・カーサライネンだ!

皆の者!剣を下げろ!」

「え?ニコラス様?」


驚きながらもガンビーノと言われた警備隊長らしき者が剣を下げる。

そしてニコラスがその後ろにいる男爵夫妻らしき人々に声をかける。


「父上、母上、ただいま戻りました!」

「おう、ニコラス!

この人たちは一体何なのだ?

お前、卒業後はしばらくホウジョウ子爵の所で修行をするのではなかったのか?」

「はい、そうですが、そのホウジョウ子爵の要請により、急遽こちらへ寄る事になりまして。

こちらはそのホウジョウ子爵様と、その家臣と御仲間の皆さんです」

「そうだったのか。

いきなり我が家に飛行艇が来たので驚いたぞ!」


ここで俺が挨拶をする。


「初めまして!

いきなり御訪問をして申し訳ありません。

私がホウジョウ子爵です」

「おう、こちらこそいつも息子がお世話になりまして。

新年の帝都での挨拶で御姿は拝見した事はあるのですが、いつも挨拶もなく、申し訳ございませんでした。

お初にお目にかかります。

私がカーサライネン男爵で、こちらが家内です」


男爵がそう挨拶をすると、隣にいた女性も俺たちに挨拶をする。


「初めまして、いつも息子たちがお世話になっております」

「ええ、突然お邪魔して申し訳ありません。

え・・・?息子たち?」


俺はニコラスの世話はしているかも知れないが、それ以外のカーサライネン家の者の世話をした記憶がない。

一体どういう事だろうか?


「ええ、ニコラスからホウジョウ子爵様のおかげでハーナンとハスミンも無事に中等魔法学校へ行く事が出来たと聞いて感謝しております」


その説明を聞いて俺はニコラスに尋ねた。


「え、どういう事?ニコラス?」

「ああ、実は私もホウジョウ様とグリーンリーフ先生のおかげで大幅にレベルが上がって、短期の仕事や、迷宮へ行って大分稼ぐ事が出来ましてね。

それとアレックたちには悪いですが、例の賭けでかなり儲ける事が出来ました。

それで私の双子の弟のハーナンと妹のハスミンをマジェストンの中等魔法学校へ入学させる事が出来たのです。

その事を私は両親にホウジョウ様のおかげだと話しておきましたので」


そうニコラスが話すと男爵と夫人もうなずいて話す。


「ええ、ホウジョウ様がいらっしゃらなければ、せっかく魔道士の素質があった息子と娘をどちらかしか中等学校へ入れられなかったかも知れません」

「その事を大変感謝しております」


なるほど、そういう事か?

確かに双子を育てるのは金がかかると聞いているし、ましてや魔法学校へ一辺に二人も入学させるのは、あっちでの生活費用を考えたら貴族だって大変だよなぁ・・・

事情がわかった俺も改めて話す。


「いえ、大した事ではありません。

ところで突然こちらへお邪魔したのは、ニコラス君に聞いて、こちらの領地の事で確認したい事がありまして」

「ほほう、それはなんですかな?」

「ええ、ニコラス君からこちらの領地は半分以上が砂漠で、残りも森林が多いと伺いまして」

「その通りです。

森林は木材などの切り出しで多少利益も出ますが、砂漠は広いだけで何の役にもたたないので、我が家としても困っておりましてね」

「それと疫病も多いと伺ったのですが?」

「そうですな。

多いというか、まあ普通だと思いますが・・・」


やはり普通か?

人口が減るほどなのに、あまり疫病が蔓延しているという自覚はないようだ。

まあ、比較対象となる他の領地も似たような物ならそういう感覚にもなるか?


「父上、ホウジョウ子爵はうちの領府を見学してみたいそうです。

まずは急いで馬車を用意してください。

忙しい中をわざわざここまで来ていただいたのですから」

「ええ、不躾で申し訳ありませんが、まずは町を見せていただきませんか?」

「その程度お安い御用です」


俺たちは男爵が用意してくれた馬車でカーサライネン領府を見回った。

それは散々たる光景だった。

上下水道がないので、井戸で水を汲むのは当然としても、その水や糞尿を町中に撒き散らかしているのだ!

確かに俺も中世のパリやロンドンなどはゴミがひどかったという話は聞いた事があるが、これほどとは思わなかった!

見た目も匂いも最悪だ!

これでは疫病が流行るのも当然と言える。

俺は町を回りながらエレノアに聞いた。


「これって普通なの?

このゴミだらけの状態が?」

「そうですね。

ここは確かに他に比べれば少々汚いようですが、下水設備のない領府などはここと似たり寄ったりです」


おがあぁ~っ!

これで普通よりも「少々」汚い程度なのか!

俺は性格的にはかなりずぼらで、潔癖症どころか、きれい好きというほどですらないが、いくら何でもこれはひどすぎないか?


 そして次は森林地帯だ。

俺は馬車で森林まで行くと、仲間や男爵たちと一緒に森林の中を歩いて回ってみる。

一緒に歩いているカーサライネン男爵が、俺に期待を込めて質問をしてくる。


「どうでしょう?

ホウジョウ子爵から見て、何かうちの名産物になりそうな物はあるでしょうか?」

「いえ、さすがに今初めて見ただけでは何とも言えませんね」

「そうですか」


俺の言葉にカーサライネン男爵はがっかりとした様子で答える。


「でも結構色々な種類の樹木がありますね?

アケビにザクロ、それにこの香りはイチジクかな?」

「ええ、子爵の所のように金剛杉はありませんが、それでもそこそこ木材の取引で、うちの商売の助けにはなっております。

おっしゃる通り、果物も多少は取れます。

しかし残念ながら、せいぜいそれぞれの季節にうちの食卓に出る程度で、売るほどの量はございませんなあ」

「なるほど、ミルキィ、ミルファ、君たちも何かこれと言った匂いは感じないかい?」


俺の質問に二人は森の中の匂いを嗅いでみて答える。


「いえ、御主人様の言った通り、アケビやザクロ、イチジクの香りはしますが、やはり大した量ではないですね。

後はビワとブドウの匂いがしますが、どちらもそれほどの量は感じません」

「そうね、他にもこれと言った匂いは感じませんね」

「そうか」


どうやらこの森にはまだ今はこれと言った物が見つからないようだ。

俺は歩きながら倒れている木を見つけて質問する。


「倒木も結構あるようですね?

それに切り倒したのに利用してない材木もあるようですが?」

「ええ、この森林は結構シロアリなどもいるようです。

ですからせっかく木材用に木を切り倒しても、それをうっかり放っておくと、シロアリのせいで中が腐っていて使えない場合もあって、困る事が結構ありますね。

放置している木材はそういった物でしょう」

「なるほど」


俺は全ての見学が終わると、男爵とニコラスに聞いた。


「私が見たところ、かなり町が汚れているようですが、何か対策は講じられていますか?」

「いいえ、特には・・・まあもちろん、あまりにも目に余る時は少々清掃はいたしますが。

雨が降れば大体は近くの川に流れますしね」


自然の雨任せなのか!

それに今のこの状態がまさに「目にあまる状態」ではないのか?

この人たちの清掃基準がわからん!

そう言いたいのを俺はこらえて、話を進めた。


「下水設備などは?」

「うちのような小さな領府ではとてもそこまでは・・・

別に必要もありませんし、それにそんな設備を作る財源もありませんし・・・」


下水の必要を認めないのか!

そりゃ下水設備と疫病の関係がわからなければ当然とも言えるか?

なるほどね、俺はその答えを聞いて、さらに話を進めた。


「実は私はニコラス君から話を聞いて、ここの領地の改造と、疫病対策に来てみたのです。

そして町を見て効果的な対策を考えました」

「えっ、初めてチラッと町を見ただけで?」

「はい、そうです。

但し、その方法は少々、いえ、かなり普通ではないと思えるでしょう。

それでも私はやった方が良いと思います」

「普通ではない・・・方法?」


訝しげに答える男爵に、ここぞとばかりにニコラスが説得を始める。


「父上、これは是非試してみてください!

何と言ってもホウジョウ子爵はあの金剛杉の大森林を開拓した人ですよ!

あの大森林を開拓した方法が普通の方法の訳がないでしょう!

うちの領地だって同じです!

いえ、ある意味あの大森林よりもっとひどい場所です!

砂漠なんですよ!砂漠!

それが農地になると言うのであれば、どんな異常な方法だって構いません!

そもそも普通のやり方で領地が改造出来るなら、とっくに我々がやっているでしょう!」


息子の迫力に押されて男爵もその気になってくる。


「そ、そうだな、是非その方法を教えてもらうか?」

「ええ、お願いします。ホウジョウ様!」


二人に言われて俺はうなずくと話し始める。


「わかりました、その方法とは・・・」

「方法とは?」

「まず町中からゴミを集めてください」

「は?」

「それは・・・?」


驚く二人に俺はさらに細かく説明をする。


「町中からゴミというゴミ、いえ、それこそ各家庭から出る食べ物の屑から糞尿や家畜の糞、何もかも全て集めてください」

「そんな事を?」

「はい、そうです。

それに町のあちこちにゴミを集積するための大きな箱も作り、とにかく全てのゴミを集めてください。

そうやってまずは町をきれいにするのです。

それを領主の最優先命令で出してください。

そして領民たちにそれを徹底させてください。

それも領府だけでなく、この領地の全ての町や村で」

「「 ええ~っ? 」」


驚く男爵たちを無視して俺は話を進める。


「それとこういった物を大量に作ってください」


そう言うと俺はマギアサッコからロの字に組んだ木材を見せた。


「これは・・・?」

「ただ木を四方に組んだだけに見えますが?」


まさにその通りで、これはただその辺の材木を四角に組んだだけの木の枠、ただそれだけの物だ。


「ええ、その通りです。

これと同じような物を大量に作ってください。

但し、これは見本で作ったので小さいですが、実際には一辺を10メル位にして作ってください」


俺の説明に男爵とニコラスは訝しげにしながらもうなずいて答える。


「確かにこの程度の物ならば、うちの領地であれば、ほとんど資金を使わずに作れますが・・・」

「そうですね、森の木の枝を使って、奴隷やタロスを使えば、資金はほぼゼロで出来ますね」

「ええ、それに多少木材が腐っていてもかまいません。

あの森の倒木などでも十分です」

「え?あのような何の役にも立たない腐った木材で?」

「ええ、それで十分です。

とにかくそれをたくさん作ってください」

「それならば確かにいくらでも出来ますとも」

「やりましょう!父上!」

「ああ、正直何だかわからんが、その程度なら何も問題はない。

どうせ元々砂漠なんだ。

今更それがどうなっても今よりも悪くはならないだろうしな」


こうして俺はカーサライネン男爵に領府中のゴミを集めさせた。

そして四角く囲んだ木の枠を実際にいくつか作らせて、それの使い方をカーサライネン男爵たちに教えると、俺たちはロナバールへと戻った。

これで目的の一部は半年、残りの部分も数年もすれば効果が出てくるはずだ。

しかも後日、俺はそれとは別に、このカーサライネン領で非常に面白い物を見つけるのだった。


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